外国人雇用の理由は「人手不足」だけ?2025年の実態調査から考える受け入れ後の課題

労働環境

2026年8月31日、厚生労働省から「令和7年外国人雇用実態調査」の結果が公表されました。
この調査は、外国人を雇用している理由やその労働環境などについて調べたものです。
今回の調査では、雇用保険の被保険者が5人以上いる事業所に対して調査が行われ、9,016事業所が対象となりました。
そのうち3,919事業所から回答があり、外国人労働者については14,248人から回答がありました。
この記事では、調査結果から外国人雇用の理由や受け入れ後の課題まで解説していきます。

専門的な技術を持つ外国人労働者が増加

調査結果でまず目につくのが、外国人労働者の人数です。
外国人労働者は約204万人となっており、前年の約182万人から約22万人増えています。
外国人労働者の増加はニュースなどでもよく取り上げられますが、今回の調査においてもかなり多くなっていることがわかります。
今後も外国人労働者が増えていくと予想され、外国人と一緒に働くことは今よりもっと一般的になっていくのではないでしょうか。

在留資格を見ると、「専門的・技術的分野」が42.1%(前年38.9%)で一番多くなっており、こちらも増加傾向です。
「専門的・技術的分野」とは、大学教授や企業の経営者・管理者、弁護士、公認会計士、医師、歯科医師、看護師、研究者、語学教師、機械工学などの技術者、通訳、デザイナー、マーケティング業務従事者など、さまざまな職業が含まれています。
また、外国の事業所から日本の事業所へ転勤してきた人や、介護福祉士などもいます。

外国人雇用は「人手が足りないから採用する」というイメージがありましたが、実際には専門的な知識や技術、資格などを持って働いている外国人も多いことがわかります。
これからは、それぞれが持っている経験や能力を見ていくことが大切になっていくでしょう。

外国人を雇う理由は「人手不足」だけではない

外国人労働者を雇っている理由として最も多かったのは「労働力不足の解消・緩和のため」で、68.2%でした。
多くの会社が人手不足への対応として外国人を採用していることがわかります。
しかし、「日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して」という回答も56.2%ありました。
また、「事業所の国際化、多様性の向上を図るため」が18.1%、「日本人にはない知識、技術の活用を期待して」が14.1%となっています。
この結果から、外国人を雇う理由は「人手不足だから」というだけではなく、外国人ならではの知識や経験を仕事に生かしたいと考えている会社も少なくないことがわかります。

ただ、外国人を雇う上での課題として一番多かったのは、「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」で46.2%でした。
そのほかにも、「在留資格申請等の事務負担が面倒・煩雑」が24.8%、「文化、価値観、生活習慣等の違いによるトラブルがある」が22.4%、「生活環境の整備にコストがかかる」が21.9%となっています。
言葉や文化の違いは大きな課題です。
こうした問題については、外国人側だけが努力すればいいという話ではありません。
会社側も仕事の説明をわかりやすくしたり、困ったときに相談しやすい環境を作ったりする必要があります。

これは外国人に限った話ではなく、新入社員や異動してきた社員にも同じことが言えます。
つまり、外国人を受け入れるための工夫は、結果的にすべての社員にとって働きやすい職場づくりにもつながるのではないでしょうか。

8割以上が「今の会社の仕事を続けたい」

今回の調査では、外国人労働者自身がどのように感じているのかについても調べられています。
その中で特に気になったのが、「今後の希望」です。
「今の会社の仕事を続けたい」と回答した外国人労働者は81.2%であり、8割以上の人が、今の会社で仕事を続けたいと考えていることになります。
外国人労働者は転職が多いイメージがありましたが、実際には多くの人が今の会社で働き続けたいと考えています。
人手不足が叫ばれる現代においては、外国人や日本人に関係なく「ここで長く働きたい」と思ってもらえる職場を作ることが大切なのではないでしょうか。

また、仕事のための職業訓練や勉強などを行った人は50.4%でした。
その中では「自学・自習」が48.9%、「勤め先での研修」が43.7%となっています。
仕事を覚えたり、必要な知識を身につけたりするための努力をしているが外国人労働者が多いこともわかりました。

「この会社で働いてよかった」と思える職場づくりを

今回の調査結果から、外国人雇用が「人手不足の解消」だけを目的にしたものではなくなりつつあることがわかりました。
外国人労働者が約204万人まで増えている現代においては、採用した後にどうすれば長く働いてもらえるのかを考えることも重要です。
「言葉や文化が違うから難しい」と諦めるのではなく、伝え方の工夫やわからないことを聞ける雰囲気づくりが求められます。

外国人労働者が増加は、職場にいろいろな考え方や文化を持つ人が増えることを意味します。
こうした状況によって、今までになかった視点が生まれ、業務に好影響を及ぼす場面も出てくるでしょう。
今回の調査結果は、外国人雇用をしている会社だけではなく、これから外国人を雇う可能性がある会社にとっても参考になる内容でした。
「外国人にとって」「日本人にとって」という枠組みで考えるのではなく、「この会社で働いてよかった」と思えるような職場を作ることが、これからますます大切になっていくでしょう。

<参考>
・厚生労働省「『令和7年外国人雇用実態調査』の結果を公表します」

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