
毎年6月は「食育月間」と定められ、全国で食に関する取り組みが活発になります。
食育というと子ども向けのイメージが強い傾向がありますが、実は働く世代にこそ重要なテーマです。
・ 朝食欠食
・ コンビニ食への依存
・ 孤食
・ 長時間労働による不規則な食事
こうした課題は、健康だけでなく業務パフォーマンスにも直結します。
今回は食育の基本的な考え方を踏まえながら、企業が取り組みやすい施策について解説します。
働く世代にとっての「食育」とは
食育基本法では、食育を生きる上での基本であって、知育、徳育、体育の基礎となるべきものと位置づけるとともに、さまざまな経験を通じて、「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進することが求められています。
働く世代に重要な食育は「健康リテラシーの向上」と「行動変容を支える環境づくり」の2つです。
健康リテラシーの向上
栄養バランスや食事の選び方を理解するだけでなく、健診結果などをもとに自分の健康状態を把握し、改善策を実行に移すことが重要です。
たとえば、血糖値が高い人が「昼食の選び方を変えると午後の眠気が減る」と理解できれば、行動につながりやすくなります。
行動変容を支える環境づくり
知識があっても、選択肢がなければ行動は変わりません。
たとえば、社内の自販機に無糖飲料がない、食堂に野菜メニューが少ない、同僚と甘いお菓子を配り合う習慣がある。
こうした環境では、健康的な選択は難しくなります。
食と仕事のパフォーマンスは直結する
食生活は仕事のパフォーマンスに大きく影響するため、企業にとっても食育に取り組むことは重要です。
朝食欠食と集中力の関係
農林水産省「食育に関する意識調査報告書」(2026年3月)によると、20〜39歳の37.6%が毎日朝食をとっておらず、約3人に1人がエネルギーを補給しないまま一日をスタートさせています。
朝食を抜くと、脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足し、思考力や集中力が落ちやすくなります。
パフォーマンスを高めるためにも、朝食は重要な「仕事の準備」といえます。
昼食後の眠気と血糖値
昼食後の強い眠気は、糖質中心の食事による血糖値の乱高下が一因です。
お米多めの丼ものや麺類は血糖値が急上昇しやすく、その後の眠気やだるさつながりやすくなります。
野菜や主菜(たんぱく質)を組み合わせてゆっくり食べることが大切です。
企業ができる食育
農林水産省の「企業の食育推進事例集」では、さまざまな企業の食に関する取り組みが紹介されています。
ここでは、規模に関わらず実践しやすい施策を紹介します。
食環境を整える
社員食堂があれば、ヘルシーメニューの充実やカロリー・塩分の表示が有効です。
食堂がない場合も、オフィスに置く飲料を糖質が多い清涼飲料水からお茶や水に切り替えたり、ナッツや果物、ドライフルーツなどの健康的な間食を手に取りやすい場所に置いたりなどの工夫も取り組みやすい施策です。
情報を届ける
食育月間に合わせた社内掲示、メールマガジン、イントラネットへの情報掲載は、コストをかけずに始められる取り組みです。
管理栄養士や保健師による講座や個別相談の機会を設けることも、従業員の食への意識向上に効果的です。
健診結果に基づく保健指導の場面でも、食生活のアドバイスを組み込むと、より実践的なサポートにつながります。
制度・文化をつくる
昼休みをきちんと確保する職場文化は、食育の基盤となります。
短時間で食事を済ませなければならない環境では、食の質より手軽さが優先されてしまいます。
食事手当や弁当補助の制度も、健康的な食事を選ぶ後押しになります。
さらに、梅雨入りを迎える6月は気温差・高湿度による不調や食中毒・熱中症リスクが高まります。
季節に絡めた情報提供は従業員にとって「今まさに必要な情報」として受け取られ、行動変容につながりやすくなります。
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経済産業省が推進する「健康経営」では、従業員の健康管理を経営的視点で戦略的に実践することが求められており、従業員の活力・生産性向上を通じた業績向上が期待されています。
食育への取り組みは、健康経営優良法人の認定要件である「食生活の改善に向けた取り組み」としても評価され、企業価値向上の観点からも推進する意義があります。
食育月間をきっかけに、職場の食環境を整え、従業員の「食べる力」を育む取り組みを進めていきましょう。
<参考>
・ 農林水産省「食育月間」
・ 農林水産省「食育基本法・食育推進基本計画等」
・ 農林水産省「食育の推進」
・ 農林水産省「企業の食育推進事例集」
・ 政府広報オンライン「『食べる力』=『生きる力』を育む『食育』。実践の環(わ)を広げよう」
・ 農林水産省「食育に関する意識調査」
・ 経済産業省「健康経営」



















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