
2025年も折り返しが近づき、いよいよ梅雨の季節がやってきました。
この時期は頭痛、倦怠感、気分の落ち込みなどさまざまな不調を感じやすくなり、いつものように仕事や家事に集中できない方も多いのではないでしょうか。
仕事も家事を抱えながら、梅雨の約一カ月間、不調に耐え続けるのはとても辛いものです。今回は、食事を通じて梅雨の不調を少しでも軽減するためのポイントをご紹介します。
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梅雨の不調は気圧と湿度が原因
梅雨前線の影響で気圧が低くなると、私たちの身体にもさまざまな影響が現れます。
体内の細胞には水分が含まれており、気圧が下がると細胞内の水分が体の外側へ移動し、むくみを引き起こします。
むくみが起こると手足が重たく感じ、身体のだるさにつながることがあります。
さらに、気圧や気温の変化が大きいと、体は自律神経で身体機能を調節して環境に適応しようとします。
しかし、気圧差・気温差が大きかったり、湿度が高いために汗をかきにくくなることで体温調節がうまくできなくなったり、ということが起こると、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
その結果、疲れが溜まりやすくなったり、気分が落ち込んだり、睡眠に影響を及ぼすこともあります。
梅雨の不調軽減に役立つ食事
梅雨の不調を和らげるために、特に取りたい栄養素は次の4つです。
○たんぱく質(トリプトファン)
たんぱく質は自律神経の働きに関与するホルモンや神経伝達物質材料となります。
不足すると自律神経の乱れにつながる可能性があるため、できる限り毎食取るように心がけましょう。
肉、魚、卵、大豆、乳製品に多く含まれますが、食欲不振がある場合は、脂質が多い肉や乳製品を避け、豆腐・白身魚など消化の良いものを選ぶのがおすすめです。
たんぱく質を構成するアミノ酸の中でも特に「トリプトファン」は、精神を安定させる作用がある「セロトニン」の材料となります。
トリプトファンを含む食材を食べることで、気分の落ち込みや不安感を軽減する作用が期待できます。
<トリプトファンがとれる食材>
・ 肉
・ 魚
・ 卵
・ 納豆・豆腐・豆乳などの大豆製品
・ 牛乳・ヨーグルトなどの乳製品
・ バナナ
・ アボカド
など
ビタミンB群
糖質、脂質、たんぱく質の代謝を助ける働きがあり、効率的にエネルギーを作り出すために重要な栄養素です。
ビタミンB群は種類も多く、さまざまな食品に含まれますが、身近な食品だと以下のような食材がおすすめです。
<ビタミンB群がとれる食材>
・ 豚肉
・ 鶏肉
・ サケ
・ マグロ
・ 納豆
・ 枝豆
・ バナナ
・ ナッツ
など
クエン酸
クエン酸が持つ抗酸化作用は、疲労感の原因となる活性酸素による酸化ストレスを軽減する働きがあります。
また、食事からエネルギーを作り出す過程でも重要な役割を果たし、効率的なエネルギー生成を助ける作用もあります。
<クエン酸がとれる食材>
・ レモンを始めとする柑橘類
・ 梅干し
・ お酢
など
鉄分
貧血気味の方は自律神経の乱れの影響を大きく受けて、血行不良が起こりやすくなります。
血液に含まれるヘモグロビンの素となる鉄分を積極的に取り入れましょう。
<鉄分がとれる食材>
・ レバー
・ カツオ
・ マグロ
・ ほうれん草
・ ひじき
など
カリウム
利尿作用があり余分な水分を排出するため、むくみ解消に効果的です。
カリウムは水溶性の栄養素で、ゆで汁や戻し汁に溶けだす性質があります。
そのため、海藻類の乾物であれば戻し汁まで使えるメニュー、野菜を加熱する場合には汁も一緒に食べられる汁物や煮物にするのがおすすめです。
<カリウムがとれる食材>
・ ブロッコリー、ほうれん草、にんじんなどの野菜
・ バナナ、キウイなどの果物
・ 昆布、わかめなどの海藻類
など
上記のほか、食欲不振を感じる場合は以下のものを取り入れましょう。
・ うどん等の消化が良いもの
・ スープなどの温かいもの
・ 大根、山芋、生姜などの消化を助ける作用があるもの
まとめ
今回は梅雨のだるさ改善におすすめの食事についてお伝えしました。
天候や季節に左右される不調は「いつものこと」と軽く捉えてしまう方も多いように感じます。
しかし、小さな不調も積み重なり長く続くと辛いですよね。
軽視せず、食事の力を味方につけて快適に梅雨を乗り切りましょう!
〈参考〉
・日本医師会「雨の日に体調が悪くなる-天気痛-【健康ぷらざNo.548】」
・全国健康保険協会「「なんとなくだる~い」・・・に喝!「ビタミンB群」」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「セロトニン」