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年度末が近づき、忙しい中で疲れが取れないと感じていませんか?
それ、もしかしたら「冬バテ」しているかもしれません。
冬の疲労感は寒暖差が原因
寒暖差が大きくなる冬場は身体の調整機能を担う自律神経が乱れ、不調を感じる方が増える傾向にあります。
医学的な用語ではありませんが、寒くなってくると感じる不調を総称して「冬バテ」と呼ぶことがあります。
以下のような症状を感じている方は、冬バテしている可能性があります。
・疲れが取れない
・なんとなく体がだるい
・肩コリや頭痛がある
・気分が落ち込む
・集中力が続かない
・寝付けない、眠りが浅い
・食欲が湧かない
冬バテが長引くと、免疫力の低下によりインフルエンザなどの感染症にかかるリスクも高まるので、不調を感じたら早めに対処しましょう。
冬のあるあるが冬バテの原因!
冬バテが起こる原因は大きく4つです。
朝夕や室内外の寒暖差
体温は自律神経の働きによって気温に合わせて調整されます。
しかし、一日の中で寒暖差が大きかったり、暖かい室内と寒い屋外の行き来を繰り返したりすると自律神経の働きが乱れる原因となります。
自律神経は体温だけでなく、呼吸や消化吸収、睡眠リズムなど、生命維持のためのさまざまな機能を調整する役割を担っており、乱れると疲労の蓄積や睡眠不足を引き起こします。
暖房の効いた部屋と、冷え込んだ廊下を行き来することも自律神経の乱れにつながるので、家の中の寒暖差が小さくなるような調整も大切です。
日照時間の短縮
自律神経は日光の有無の影響も受けます。
日中は身体活動を活発にする交感神経、夜間は身体の安静と回復を促進させる副交感神経が優位になります。
そのため、本来であれば冬は副交感神経が優位になる時間が増えますが、日照時間が長い夏場同様のリズムで活動することで自律神経の切り替えがうまくいかなくなり、乱れにつながります。
また、日照時間が短いと、日光に当たることで合成が促される「セロトニン」が減少します。
セロトニンは精神を安定させる働きを持ち「幸せホルモン」とも呼ばれます。
セロトニンが減少すると、気分が落ち込みやすくなったり、ストレスを感じやすくなったりします。
不規則な生活リズム
冬はイベント事が続いたり、年末や年度末に向けて忙しさが増したりする中で、生活リズムが乱れたり、不規則な食生活になってしまいがちではないでしょうか?
このような生活習慣の乱れも自律神経を乱す原因になります。
できる限り3回の食事と睡眠時間は大きく変わらないように心がけましょう。
運動不足による血行不良
寒さが厳しくなると外出が億劫になったり、身体が縮こまったりしてしまいます。
しかし、身体を動かす機会が減ると血行が悪くなり、疲労感が抜けなくなったり、肩こりや頭痛につながったりする要因となります。
仕事中に座りっぱなしにならないよう、できれば30分に1回、少なくとも1時間に1回は席を立って伸びをするようにしましょう。
また、就寝前にストレッチでコリをほぐしたりすることでも血行不良は改善します。
冬バテ解消に効果的な食事
冬バテを解消するためにはストレッチや入浴なども効果的ですが、忙しくて時間が取れない方もいますよね。
そこで、今回は冬バテ解消に効果的な食事についてご紹介します。
・たんぱく質
たんぱく質は自律神経の働きに関与するホルモンや神経伝達物質の材料となります。
不足すると自律神経の乱れにつながる可能性があるため、食事で補給することが大切です。
肉や魚、卵、大豆はヒトの体内で作り出せない必須アミノ酸をバランス良く含むため、毎食1品目以上取り入れることが望ましいです。
・トリプトファン+ビタミンB6
日照時間の短縮で減少するセロトニンは、たんぱく質の素となるアミノ酸の一種「トリプトファン」を材料として作り出されます。
トリプトファンは体内で作り出だすことができないので、食事で補う必要があります。
トリプトファンは以下の食材に多く含まれます。
・豆腐・納豆・豆乳などの大豆製品
・牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品
・卵
・バナナ
また、トリプトファンからセロトニンを合成する際にはビタミンB6が必要です。
ビタミンB6を含む玄米、鶏むね肉、ささみ肉、かつお、マグロなどと一緒に摂取すると効率よくセロトニンを作り出すことができます。
ごはんに玄米を混ぜ、主菜に鶏むね肉、副菜に豆腐、というように組み合わせるのがセロトニンを増やすために効果的です。
・ビタミンB1
イベントが続くと、飲酒や美味しいものを食べる機会が増えますよね。
そんなときにとってほしいのがビタミンB1です。
ビタミンB1は糖質からのエネルギー産生を助ける作用があり、不足するとエネルギーが効率的に作られなくなり疲労感などの症状につながります。
さらに、アルコールを分解する際にもビタミンB1は消費されるため、アルコールや糖質の摂取量が増える時期にはビタミンB1の必要量も増加します。
ビタミンB1は豚肉や鮭、納豆、アーモンド、枝豆などに含まれます。
外食時のメニュー選びではビタミンB1を含む食材が入っているものを積極的に選びましょう。
近年では、さまざまな疲労回復効果をうたうサプリや補助食品があります。
確かにサプリには効果が期待できる成分が含まれていますが、サプリだけでは補いきれない多くの種類の栄養素を食事で摂取することができます。
あくまで、食事をしっかりとった上で補助的なものとして取り入れましょう。
また、朝は自律神経がリセットされるタイミングなので、一日の食事のうちでも特に欠かせないのが朝食です。
バナナ、ヨーグルトなど手軽なものでも構わないので、忙しい時こそ何か少しでも口にするように心がけましょう。
冬バテ解消で元気に年度末を乗り切りましょう!
<参考>
・厚生労働省 e健康づくりネット「室温と高血圧、睡眠の関係」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「セロトニン」
・Lambert GW,Reid C,Kaye DM,Jennings GL,Esler MD「Effect of sunlight and season on serotonin turnover in the brain」(Lancet,December07 2002,Volume360,Issue9348,p1840-1842)