社内での産業医・産業保健師の認知度を上げるコツ

こんにちは。前回の記事では「産業保健師ってどんな人?~産業保健師の就業人数と対象者~」というテーマでお話をしました。
まだ読んでいない方、興味のある方は、こちらからご覧ください。

今回は、前回とは少し視点を変えて、社員が社内の産業医や保健師を認知していることで得られるメリット産業医・保健師の認知度を高めるための工夫についてお話しします。

社員の何%が産業医や保健師を認知している?

皆さんは、社内の産業医の名前を言えますか?
産業医の顔がぱっと浮かぶでしょうか?
人事総務担当者の方で、産業医の先生との関りが深く、毎月顔をあわせる機会があるのであれば知っているケースもあるかと思います。

しかし、他の社員はどうでしょうか?
産業医の先生が訪問する回数は、会社にもよりますが、月に1回2時間程度の場合、産業医と面談する方はごく一部の方に限られてくるかと思います。
また、衛生委員会に出席している方は知っているかもしれませんが、そのほかの社員は「産業医」という言葉さえあまり聞いたことがない人もいるかもしれません。

企業内保健師していた経験からも、産業医・保健師の存在を社員に知ってもらうことは、特に大事なポイントだと感じています

社員が社内の産業医や保健師を認知していることで得られるメリット

社員が産業医や保健師に対する認知度が低い場合どんなデメリットが起こりうるのでしょうか?
社員が健康面で問題を抱えた場合や困ったときに相談できる人、社内の相談窓口を知らなければ、自分自身でその問題を抱え込んでしまい、場合によっては休職退職につながることもあるかもしれません。

社内の産業医や保健師を知っていれば、「ちょっと相談してみようかな」という考えが生まれ、早めの相談につながり、早期に適切な対応が取れるため、休職や退職などを防げる可能性が高まります。
また、健診結果で再検査や精密検査が必要な場合、初めて会う産業医の先生に病院に行くように指示されるよりも、普段から相談している、信頼できる産業医の先生に言われた方が「ちょっと病院に行ってみようかな」という気持ちにはなりませんか。

一番大きいメリットは、何か困ったときに相談できるという安心感です
病気になったとしても、産業医の先生と相談しながら安心して働くことができることを知っていれば、病気による離職を防げます。
また、本人だけでなく、管理職が産業医について認知している場合、部下や同僚が困っているときにも「うちの会社には産業医(○○先生)がいるから、一度相談してみるのはどうか」とアドバイスすることができるため、悩みをもつ社員の早期発見につながります。
人事総務部の方から、「ある日突然、休職の診断書を持ってきて、休職となった社員がいる。もっと早く気づくことはできなかったのか?」というお話を聞くこともあり、多くの方が感じている悩みだと実感しています。

少しの異変でも気軽に相談できる人がいる」。
それを知っておくだけでも、心持ちが変わってきます。

認知度を上げるコツ

産業医や保健師の認知度を上げるコツとして、まず一番大切なのは「繰り返し」周知することだと思います。一度言われたとしても人間はすぐに忘れてしまいます。
また、社員の皆さんと顔をあわせる頻度を増やすことで、単純接触効果により、だんだんと親近感をもつようになります。何度も見るCMによって、商品に対して親近感を持つのと同じような感覚ですね。

いくつかの簡単なコツを紹介します。
参考になると幸いです。

最初のステップは「産業医や保健師紹介のチラシを掲示板に貼り周知する」ことです。
まだ産業医や保健師紹介用のチラシがなくて困っているという企業さまは、以下の点が記載されていると良いでしょう。

・親しみを持ってもらえるような内容(経歴や専門分野、趣味、社員の皆様へメッセージなど)
・どんな時に産業医面談・保健師面談を活用できるのか
・産業医・保健師の訪問日
・産業医面談・保健師面談希望の場合の連絡先

弊社ドクタートラストとの契約企業さまには産業医紹介チラシの雛形をお渡ししています。
見つからない場合には、弊社営業担当宛もしくはこちらからお問い合わせいただければと思います。

次のステップは、産業医をより効果的に周知する「タイミング」です。
おすすめとしては以下のタイミングです。

・健康診断結果返却時
・ストレスチェック実施時期
・新入社員、中途社員の入社時
・新任管理職研修や管理職研修
・職場巡視
・社内で定めたメンタルヘルス月間
・厚生労働省の年間行事予定に合わせて
(例)2024年度
■10月1~7日 全国労働衛生週間
■10月10日 世界メンタルヘルスデー
<参考>厚生労働省「令和6年度(2024年度)年間行事予定(週間・月間)」

以下の方法も有効です。

・社内アンケートで、産業医の認知度を調査してみる
・新入社員、中途社員が入社後に産業医や保健師と面談する機会を設ける

他にも、衛生委員会などで産業医の認知度を上げる工夫について話し合ってみるのも良いですね。

まとめ

今回は社員が社内の産業医や保健師を認知していることで得られるメリット、認知度を上げるコツについてお話しました。
特に、人事総務部の方や衛生管理者の皆さまはご自分自身の業務に加え、産業保健活動の業務にも携わり大変苦労されているかと思います。産業保健師の専門職として、少しでも皆様のお力になれれば幸いです。

(安全)衛生委員会の運営でお困り、お悩みをお持ちの方はこちらの記事も合わせてご覧ください。

少しでも産業保健に興味を持ってもらえれば幸いです。
次回もわかりやすくお伝えしていきます。次回の記事もお楽しみに!

産業保健師に興味を持った方はこちらも合わせてご覧ください。
【働く方向け】

【人事担当者向け】

【保健師資格保有者・産業保健師への転職を考えている方向け】
ドクタートラストが運営する産業保健師サイト
ドクタートラストと契約している現役の産業保健師のインタビュー記事

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清 あいり株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

看護師として大学病院に勤務後、産業保健師にキャリアチェンジ。大手民間企業で、健診事後措置の面談指導や特定保健指導、メンタルヘルス対策、復職支援など幅広く産業保健業務に携わる。社員向けの健康教育では「気づき」や「やる気」を引き出す関わり方で高い評価を得る。ドクタートラストでは、これまでの経験を活かし、企業向けの健康教育セミナーや、情報発信を積極的に行っている。
【保有資格】保健師、看護師、第一種衛生管理者、健康経営アドバイザー
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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