「かくれ脱水」のサインや気をつけたいポイント

知人が最近こんな話をしていました。

「今年は気温が高い日が続いていて、ペットボトルのお茶や水などを1日5本くらい買ってしまうから、お金がかかる……でも、最近は寒くなってきて1、2本しか買わなくなったからある意味節約になっているかも」

確かに自分自身も数か月前と比べて、水分をとる量が減ったと思いますし、社内のウォーターサーバーのお水も、夏場はすぐになくなっていましたが、最近はタンクを交換する回数が減ってきたようにも感じます。
近年の夏は猛暑で汗をかきやすいので、「脱水しないために水分補給が大事!」という共通認識を皆さん持っていると思います。

しかし、脱水が起こるのは夏だけではありません!
冬の時期も「乾燥」によって脱水を起こしやすいと言われています。
特に、12月から2月は乾燥しがちです。
たとえば、昨年の1月は一年で平均湿度が最も低かった月であり、湿度52%と、7月から9月と比べて30%近く落ちます。
冬場は、水分摂取量が減るほか、皮膚からの水分蒸発を原因とした「かくれ脱水」に注意が必要です。
今回はそんな「かくれ脱水」のサインや気をつけたいポイントを解説します。

あなたは大丈夫?脱水時に起こるからだのサイン

まずは、脱水時に体に起こるサインや習慣の変化を確認しましょう!

<体に起こるサイン>
・口の中がねばつく
・だるさ、頭痛がある
・めまい、ふらつきがある
・爪を押した後、白からピンクに戻るまで3秒以上かかる
・尿の色が濃い

爪や尿の色に関しては以下の画像をご参考になさってください。


出所元:厚生労働省「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」

<習慣の変化>
・トイレの回数が減った
・水分をとる量が減った

こうしたサインは、ご自身だけでなく、ご家族や周りの人の変化も見逃さないためにも覚えておきましょう。
特に、お子さんや高齢者の方は脱水状態に気づきにくいので、小さな変化にも気づいてあげることが重要です。

脱水が起こりやすいタイミングとは?

さきほど、脱水時に体に起こるサインとして、尿の色が濃くなることがあると解説しましたが、皆さんは「いつもと比べて尿の色が濃いかも?」と感じたことはありませんか?
以下にまとめたのは、実際に私が尿の状態を確認したときに、水分不足が影響しているかもしれないと思ったタイミングです。

・仕事に集中していて水分をとることを忘れていたとき
・運転中

上記のタイミングでは、手元にペットボトルや水筒を準備しておき、いつでも水分をとれるようにしておきましょう。

・入浴後
・起床後

入浴中は汗をかき水分が失われやすい状態です。
また、起床時は、夏と比べて汗をかいていなくても、暖房による乾燥や呼吸・寝息からも水分が失われるため、コップ1杯の水を飲みましょう。


そして、新型コロナウイルスに加え、冬はインフルエンザも流行するため、以前よりもマスクをしている方が増えたように感じます。
マスクをしていると、乾きを感じにくく、脱水に気づきにくくなるので注意が必要です。

寒い時期は白湯やスープで体を温めて脱水を防ごう!

1日の水分摂取量の目安は1.5リットル~2リットルです。
気温が低いこの時期は、体を冷やさないように白湯などの温かい飲み物や常温の飲み物で水分をとるのがおすすめです。
冷たい飲み物で体を冷やしてしまうと、頭痛や肩こり、だるさ、便秘や下痢、足のむくみ、女性は生理不順を引き起こす原因になります。

極端な食事制限や欠食をする方、いそがしくて食事がとれない方、食欲がわかない方は、食べ物から摂取できる水分量が少なくなるため、意識して飲み物を飲みましょう。
食欲がないときは、飲み物だけではなく、味噌汁やスープ、鍋物などの汁物から水分をとるのも一つの手です。
また、冬は体温が下がることで免疫力が下がりやすくなります。
そこで、免疫力を上げるために積極的にとりたいのが「ビタミンC」です。
ビタミンCが豊富に含まれるブロッコリーほうれん草さつまいもを汁物に入れるのもおすすめです。

今回は、この時期に起こりやすい「かくれ脱水」について解説しました。
夏の暑い時期だけでなく、冬も水分補給をすることは意識しましょう。

<参考>
厚生労働省「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」
気象庁「過去の気象データ検索」

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宮野 友里加株式会社ドクタートラスト 管理栄養士

投稿者プロフィール

年間100人以上の特定保健指導、ダイエットサポートを食事面、運動面から行う管理栄養士。
食事に関するアドバイスはもちろん、自分自身がデスクワークを始めてから悩まされている「肩こり・腰痛」「目の疲れ」の予防、改善方法についてもセミナーや執筆活動を通して積極的に情報提供している。
目標は「働く世代の方々にとってが管理栄養士が身近な存在になること」
【保有資格】管理栄養士
【ドクタートラストの特定保健指導サービス詳細はこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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