自分の血糖値を気にしたことありますか?10月8日は「糖をはかる日」

毎年10月8日は「糖をはかる日」です。
「糖(10)をは(8)かる」の語呂合わせから、糖尿病患者の早期発見・早期治療を目的として、多くの方に「糖」と健康の関わりを知ってもらうために2016年に制定されました。
今回は「糖をはかる日」に合わせて「血糖値」についてわかりやすく解説します。

健康の指標となる「血糖」

「血糖」とは、血液中に含まれるブドウ糖のことを指します。
そして、血糖の濃度を数値化して表したものが「血糖値」です。
ブドウ糖は体内で主要なエネルギー源として利用されるため、生きるために欠かせません。
ブドウ糖は食事中の米・イモ類・砂糖類などに含まれる炭水化物から作られます。
そのため、食後は体内のブドウ糖の量が増え、血糖値が上がりやすくなります。
血糖の状態を表す指標として主に用いられる数値は、血糖値とHbA1c(ヘモグロビン エーワンシー)があります。

血糖値

血糖値は、血液中のブドウ糖の量を表したもので食事やストレス、運動などの影響を受け、1日の中で数値が変動します。

正常値:空腹時血糖99㎎/dl以下

健康診断等では食後10時間以上経過時の測定値を空腹時血糖としますが、血糖値は食後2時間程で空腹時と同等に戻ります。
※数値は、公益社団法人日本人間ドック・予防医療学会「判定区分表」に基づきます(以下、同じ)

HbA1c

HbA1cは、ブドウ糖が血液中のヘモグロビンと結びついたもので、頻繁に変動するものではなく、過去1~3ヶ月の血糖の状態を知る指標となります。

正常値:5.5%以下

血糖値は高すぎも低すぎもNG

正常値の範囲から外れると、以下のようなリスクがあります。

血糖値が高い場合

血糖値が高い「高血糖」の状態は、血液中の糖が増えすぎることで起こります。
血液中に糖が増えすぎると、糖は「活性酸素」を発生します。それによって内側から血管が傷つけられ、動脈硬化を進行させるリスクがあります。
また健康な身体では、血糖値が高くなると、下げるために「インスリン」というホルモンが分泌され、血糖値が一定に保たれます。
しかし、高血糖が頻繁に起こったり、血糖値が高い状態が続いたりすると、インスリンの効きが悪くなり、血糖値が下がりにくくなってしまいます。
その結果、さらに血糖値が上昇して、糖尿病を始めとする生活習慣病につながる可能性があります。
さらに、インスリンが次々と分泌されると、血糖値を下げるために糖を脂肪に変換してため込んでしまうため、肥満につながりやすくなります。
毎年健康診断で高血糖と言われる、最近血糖値が気になる、という方は以下のような工夫を生活に取り入れましょう。

【高血糖を改善する工夫】

・ 炭水化物を食べ過ぎない
例)ごはんの大盛やおかわりを控える、いも類のおかずの頻度を減らす
・ 甘いお菓子、飲料の摂取を控える
例)お菓子を連日食べないようにする、甘い飲み物を水やお茶に変える
・ よく噛んで食べる
早食いをすると血糖値が上昇しやすくなるため、よく噛んでゆっくり食べることが効果的です
・ 炭水化物を最後に食べる(カーボラスト)
先におかずを食べると、食物繊維やたんぱく質のはたらきにより血糖値の上昇を抑える効果があります。三角食べのようにおかずと一緒に食べ進めても、血糖値の上昇を比較的緩やかにする効果が期待できます。
・ 運動習慣をつける
運動によって血糖をエネルギーとして消費することができ、血糖値を下げる効果があります。ややきつめの有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど)を週3日以上実施し、トータル週150分以上になるように習慣づけることが有効です。運動前には5分程準備運動の時間を設けましょう

血糖値が低い状態

血糖値の基準に下限値はありませんが、血糖値は低ければよいというものではありません。
エネルギー源として一定量必要です。
また、血糖値が70㎎/dlを下回ると「低血糖」の症状が起こることが多いです。
症状としては、震え、冷や汗、脱力感、めまい、重度になるとけいれんなどが起こります。
低血糖になったときには、ブドウ糖を補給する必要があります。
食事が可能な場合には、甘い物を摂取して様子をみましょう。
ラムネ、ジュースなどは吸収が早くおすすめです。
アメやチョコレートなども吸収に少し時間がかかりますが有効です。
食事ができないほどの症状がある場合には、すぐに受診しましょう。
低血糖の予防には、極端な食事制限をせず、1日3食食べることが有効です。

この機会に血糖値をはかってみましょう!

血糖値は健康診断でしか測ったことがない方、多いのではないでしょうか?
医療機関以外で血糖値を測る方法としては、以下があります。

・ 家庭用の血糖値測定器を使用する
・ 全国の薬局などに設置されている「ゆびさきセルフ測定室」を利用する

どちらも指先から少量の血液を採取することで血糖値の測定が可能です。
「ゆびさきセルフ測定室」の設置箇所は「ゆびさきセルフ測定室ナビ」で検索が可能です。
ご自宅の近くの測定室を調べ、これを機に血糖値を定期的に測定してみましょう。
血糖値が正常値から外れる場合には、まずは生活習慣を整えて改善を図り、数値が改善しないようであれば医療機関の受診を検討しましょう。

<参考>
・ 公益社団法人日本人間ドック・予防医療学会「判定区分表」
・ 国立国際医療研究センター糖尿病情報センター「糖尿病診療ガイドライン2024」
・ 検体測定室連携協議会「ゆびさきセルフ測定室ナビ」
・ 日本生活習慣病予防協会・糖尿病ネットワーク・糖尿病リソースガイド「糖をはかる日」
・ e-ヘルスネット「血糖値」
・ e-ヘルスネット「糖尿病」

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佐々木ももこ株式会社ドクタートラスト 管理栄養士

投稿者プロフィール

4年間、管理栄養士として病院や保育園で経験を積む中で、子どもたちの生活習慣や健康状態に働く世代である保護者の習慣が大きく関わることを実感、企業の健康経営に携わりたいと考えドクタートラストに入社いたしました。
経験を活かしつつ有益な情報の発信ができるよう尽力いたします。
【保有資格】管理栄養士
【ドクタートラストの特定保健指導サービス詳細はこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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