12月3日~9日は「障害者週間」。すべての人が互いに尊重しあえる共生社会に向けて
- 2023/12/1
- ダイバーシティ
毎年12月3日から9日は「障害者週間」です。
障害者週間は、障害者施策の基本的方向を定める「障害者基本計画」において、日本が目指すべき社会として、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」を掲げています。
この期間中に、国や地方公共団体、関係団体などが各々さまざまな取り組みをおこないます。
どのような取り組みをおこなっているのか?
取り組み内容は各地域によってさまざまですが、内閣府を例にあげますと、ポスターや作文を全国の小学生、中学生、高校生、一般部門から募り入賞作品の決定、表彰、そして記念品の贈呈があります。
令和5年度は、「作文」が小学生区分172編、中学生区分837編、高校生区分512編、一般区分115編の合計1,636編の応募あり、「ポスター」は小学生区分574点、中学生区分373点の合計947点の応募がありました。
入賞した一部のポスターや作品は全国で提示したり、羽田空港第2ターミナルのマーケットプレイス フライトデッキトーキョー・スカイデッキ通路での展示も予定されています。
「障害者週間」ではこれらの活動を通して、「障害を持つ人に対する国民の理解」の促進を図る意図があります。
今回寄せられた作品を通して
内閣府は、共生社会の実現に向けて差別解消の推進に関する基本方針を策定したり、関係省庁と連携して施策を推進しています。
障害者週間もその一環となっています。
今回寄せられた作品は、どちらか一方の視点ではなく、障害のある人と障害のない人の双方の視点から描かれていることが特徴としてあげられます。
寄せられた一つ一つの作品をみることで、新たな気づきを得ることができます。実際に自閉症の娘をもつ親として気になった作品がありましたので取り上げさせていただきます。
最優秀賞の中に実際に自閉症の中学生や自閉症の家族をもつ小学生の作文があります。
また現在は社会人で学生時代に自身が障害者と分かった時の作文も掲載されています。作品を通して改めて感じたことは、障害が「個性」や「特性」として理解される社会が実現されると双方にとって非常に生きやすい社会にもなるということです。
障害を持った人が家族など身近にいないと、障害者をみると「かわいそう……」だったり、思うような普通の反応が返ってこないと「この人(子)、大丈夫かな?」「おかしいのかな?」と感じたりすることがあるかと思います。
前述の内閣府作文募集において優秀賞を受賞した青野めぐみさん(開智高等学校3年)の「知ることから」という作品の中でも「障害というものを知らないからこそ起きてしまう勝手なイメージ」について以下のように言及しています。
・ 変な人
・ 自分たち健常者とは違う怖い人
・ 危害を加える人
ただ「知らない」というだけで自分の中で障害者を勝手にイメージしてしまう社会というのは何とも悲しいものです。
まずは「知る」ことが偏見をなくす第一歩ではないでしょうか。
障害者を知る手段
障害者についてまずは「知る」ということから始めたい場合、各自治体で障害者について知るためのガイドブックをウェブサイト上で公開しています。
東京都においては、東京都福祉局から「ハートシティ東京」というサイトにて公開されており、以下が簡潔にまとめられています。
・ どんな障害があるのか?
・ 街中や公共の場でのサポート方法とは?
まずは、どんな特性があるのを知るというところから始めるにはわかりやすいでしょう。
障害者との関わりを通して
私も実際に娘と街中に出かけることが多い中で、娘は初めて会う大人に話しかけられると思うような反応を返せないため、親が代わりに答えたり、見かねて親がその場を取り繕うことがあったりします。
自閉症の場合、見た目で判断することが難しいこともありますので、何とももどかしいのですが、すべての人々があらかじめ何かしらの知識を持っておくことで、行動も変わってくると思います。
「障害者週間」を通して、改めて障害について知ることで世の中が少しでも優しい社会になっていくことを心から願います。