その胃痛・胃もたれ放置していませんか? 機能性ディスペプシアについて理解しQOL低下を防ぎましょう

胃の不調に長年悩まされている人は多いと思います。
また、新型コロナウイルス感染症により生活様式が変わり、ストレスが増え、胃の不調に現れている人もいるのではないでしょうか。

その胃の不調はどのくらいで収まりますか?
一時的な症状であれば問題ないですが、慢性的に続いているという方は胃の不調を引き起こす「機能性ディスペプシア」かもしれません。

今回は、この「機能性ディスペプシア」についてご説明します。

機能性ディスペプシアとは

機能性ディスペプシアとは、胃もたれや胃痛などの不調が慢性的(1日2~3回以上、1か月程度が目安)に続くのに検査をしても原因が見つからない病気を言います。

昔は、慢性胃炎などと言われていたときもありましたが、炎症は必ずしも症状と関連しないことが分かってきましたので、機能性ディスペプシアと慢性胃炎は違う次元の病気と言えます。
また、この慢性的な不調はストレスによる自律神経の乱れも関与しているといわれています。

こんな症状当てはまりませんか?

ストレスにより自律神経が乱れると、下記のような異常が生じるリスクが高くなります。

胃運動機能異常(胃の運動が悪くなる)
:胃もたれ、早期飽満感(すぐにお腹いっぱいになる)
内臓知覚過敏(胃酸の刺激に敏感になる)
:胃痛

これらの症状が慢性化・悪化するとQOLが低下してしまいます。

しかし、比較的新しい病名なので治療できることを知らなかったり、「いつものことだから」と放置し症状が悪化するケースも生じています。
慢性的な症状で悩んでいる方は是非消化器内科に相談してみてください。

セルフケアのコツ

基本的に診断された場合には内服が第一選択ですが、セルフケアで自律神経を整えることは可能です。
是非参考にしてみてください。

◎生活習慣を整える
特に、睡眠や食事時間を整えるのがオススメ!

◎適度な運動を取り入れる
運動不足の人は今の生活に身体を動かす時間をプラス10分!
また、正しい姿勢を心がけましょう(正しい姿勢は胃を圧迫せず負担軽減につながります)

◎胃に負担をかけない食生活を
胃に不調があるときは、辛いものや酸っぱいもの、熱すぎるもの・冷たすぎるもの、カフェインが含まれるものは控えましょう。
また、普段から脂っぽいもの、塩辛いもの、アルコールなどは摂りすぎに注意してください。

◎ストレスを上手に解消

自分なりのストレス解消方法を見つけて実行してみましょう!

自分の症状や生活習慣を見直すきっかけになればと思います。
セルフケアや必要時には受診をし、QOLを高めていきましょう。

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砂川菜美株式会社ドクタートラスト 産業保健師

投稿者プロフィール

行政保健師として、乳児から高齢者まで幅広い世代の方々の健康に携わる中で、働く世代の健康増進の難しさと重要性を感じ、現在は産業保健師として活動しています。
健診事後措置や面談などの基本業務はもちろん、健康管理体制構築サポートや健康セミナーなど多方面で活動中。これまでの経験を活かし、それぞれのライフスタイルに寄り添った情報提供を行ってまいります。
【保有資格】看護師、保健師、第一種衛生管理者、健康運動指導士、人間ドック健診情報管理指導士、NARD JAPAN認定アロマアドバイザー
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
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