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冬こそロコモ対策で健康に~「いつもより10分多く」を意識~
- 2024/1/23
- ドクタートラストニュース
冬になると寒さから活動量が減少しがちになりますね。
私たちは毎日体を動かして活動していますが、体を動かすためには骨や筋肉、関節などの運動器が深く関わっています。
今回は、その運動器トラブル「ロコモティブシンドローム」(略称:ロコモ、和名:運動器症候群)について解説します。
ロコモとは
ロコモティブシンドロームとは、体を動かすのに必要な骨や筋肉、関節などの運動器に障害が起こり、「歩く」「立つ」など移動するための能力が不足したり、衰えたりした状態をいいます。
ロコモが進行すると日常生活に制限をきたし、将来介護が必要になる、寝たきりになるなどの可能性が高くなります。
厚生労働省の調査結果によると、要支援・要介護になる原因のトップは転倒、骨折や関節の病気など運動器の故障です。
日常生活に支障はないと思っていても、すでにロコモになっていたり、進行している場合もあります。
いつまでも自分の足で歩き続けていくために、ロコモを予防し、健康寿命を延ばしていきましょう。
ロコモの原因
ロコモになる原因は、以下が挙げられます。
(1)加齢
加齢により筋力やバランス能力など自然と低下していきますが、特に下肢の筋力が低下しやすくなります。
そのため立つ、歩くなどの移動に必要な筋肉の機能が衰え、自然と運動量が減り、さらに筋力が低下するという悪循環に陥りやすくなるのです。
(2)運動不足
運動不足により筋力やバランス能力が低下しやすくなります。
(3)肥満・痩せすぎ
肥満により膝や腰などの関節への負担が大きくなることで、痛みが生じたり運動器の病気になりやすくなり、運動量が減少し筋肉量の低下が予測されます。
痩せすぎの方に多く見られるのが栄養不足です。
栄養不足により筋力維持に必要な栄養を十分に摂取できないため、筋力が低下しロコモに陥りやすくなります。
また、骨が脆くなるなど骨折のリスクも高まります。
(4)運動器の疾患または状態
以下に当てはまる状態、疾患をお持ちの方は、医療機関に受診し適切な治療を受けましょう。
・ 骨粗鬆症
・ 変形性膝関節症
・ 腰部脊柱管狭窄症
・ 関節リウマチ
・ 骨折
・ 神経痛、関節痛 など
ロコモを予防するためには
ロコモを予防・改善するためには、運動と食事が大切です。
(1)運動
ロコモを予防するために、足腰を鍛えることが重要です。普段の生活の中で、いつもより10分多く身体を動かすだけでも予防につながります。
無理のない範囲で、ご自身に合ったやり方で足腰を動かしていきましょう。
<例>
・ 歩幅を大きくしたり、早歩きをする
・ エレベーターやエスカレーターではなく階段を使用する
・ 散歩やジョギングの時間をつくる
・ テレビを観ながら筋トレやストレッチ
・ 買い物など外出頻度を増やす など
(2)食事
筋肉量や骨量を保つためにも、下記栄養素をバランスよく摂取しましょう。
・ タンパク質:筋肉量を維持する(肉類、魚類、卵、乳製品、大豆製品など)
・ カルシウム:骨を丈夫にする(牛乳やチーズなどの乳製品、骨ごと食べられる小魚、納豆などの大豆製品など)
・ ビタミンD:カルシウムの吸収を促進して骨を丈夫にし、筋力を高める(カツオやイワシ、サケなどの魚類、キノコ類、卵など)
・ ビタミンK:カルシウムを骨にとりこみ、骨を強くする(ブロッコリーやコマツナなどの緑の葉物野菜、肉類、大豆製品、卵など)
上記を参考にして、寒い時期こそロコモティブシンドローム対策を行ってみてください!
<参考文献>
・ 公益社団法人日本整形外科学会「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」
・ 公益社団法人日本整形外科学会ロコモONLINE「ロコモを知ろう」
・ 厚生労働省「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」