なぜ寒いと痛みが悪化するのか?冬の肩こりや腰痛対策に大事なこと

なぜ寒いと痛みが悪化するのか?冬の肩こりや腰痛対策に大事なこと

日に日に寒さが厳しくなってきましたね。
寒いと肩こりや腰痛が悪化するという人は多いのではないでしょうか。体の不快感だけではなく、仕事のパフォーマンスが下がったり、メンタルヘルスにもかかわりがあると言われています。
今回は、冬に悪化する肩こり腰痛について解説していきます。

寒くなるとなぜ痛みが悪化するのか

寒くなると、体が縮こまり全身に力が入りますね。その時、私たちの体ではどのようなことが生じているのでしょうか。
私たちの体には痛みなどを伝える末梢神経が張り巡らされています。
末梢神経は体の内部から筋肉の間を通って伸びていくものもあります。
筋肉の間を通って伸びている神経は、筋肉の状況により影響を受けやすいと言われてます。
そのため、寒くなり体が縮こまり筋肉が収縮すると、筋肉の中を通っている神経も一緒に圧迫されてダメージを受けます。
神経自体がダメージを受けるので、肩こりや腰痛の痛みが増してしまうというしくみです。
また、筋肉が固まってしまいますので、血流量も減少してしまい、体に老廃物がたまりやすくなり痛みが増強することもあります。
そのため、冬場は特に寒さ対策が必要というわけなのです。

個人でできる肩こり、腰痛対策の取り組み

まずは、個人でできる取り組みをご紹介します。
自分の状況に合わせて実施してみてください。

体を温める

カイロや電気座布団などのあったかグッズがおすすめです。(肩や腰などに当てて体を温めましょう)

筋肉が硬直しないようにする

筋肉が硬直しないよう、長時間の同一姿勢は避けましょう!
また、定期的にストレッチをすることで筋肉を柔らかくし、神経圧迫解消と血流量増加を図りましょう。
特に下半身は重力により血流が滞りやすいので、念入りに行うことをおすすめします!

具体的なストレッチ方法が気になる方は、下記を参照ください。

◎基本のポイント
・ はずみをつけずに、ゆっくり伸ばす
・ 呼吸は止めずにリラックスしながら行う
・ 無理はしない
・ 伸ばしている部位に意識を向ける
・ できるだけ笑顔で行う
◎肩の上げ下げ
肩を上げて少し止め、息を吐きながら力を抜いてストンとおとす
◎上半身
・ 両手を組んで上に伸ばしながら胸を張る
・ 肺が広がるイメージでゆっくり行う
◎背中
両手を組んで前へ伸ばし、おへそを覗き込むようにして息を吐きながら背中を丸める
◎腰
・ 姿勢よく椅子に座り、体を後ろにひねりながら背もたれをつかむ
・ 左右同じように行う
◎下半身
・ 両足のアキレス腱をゆっくり伸ばしましょう
・ その後、足首もゆっくりとまわしましょう
◎首まわし
首と肩の力を抜き、ゆっくりと首をまわす
目が回らないよう、ゆっくりと行う
◎深呼吸
・ 姿勢を正し、鼻から息をゆっくり吸い、鼻からゆっくりと息を吐きだす
・ 呼吸に意識を向けてゆっくりと行う

他にも気になる方は下記をチェックしてください。
衛生委員会ハンドブック「VDT症候群予防~肩こり・腰痛解消運動~」

会社でできる肩こり、腰痛対策の取り組み

また、会社でできる取り組みもとても大切です。ご自身の働かれている環境はいかがでしょうか。
ぜひ確認してみてください。

◆室内の温湿度管理(温度:18~22℃、湿度:40~60%)※業務上、室内をあたたかくできない場合:カイロや防寒着などの支給
◆決まった時間に運動・ストレッチタイムを設ける(例:午後3時にラジオ体操を実施)
◆従業員への健康情報の提供(例:朝礼で情報共有、衛生委員会にて対策の協議・共有)

しっかりと寒さ対策をして、快適な冬を過ごしてみては如何でしょうか。

<参考>
・ 厚生労働省「こころの健康気づきのヒント集」
・ 伊藤和憲『図解入門 よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ[第2版]』(秀和システム、2018年)

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砂川菜美株式会社ドクタートラスト 産業保健師

投稿者プロフィール

行政保健師として、乳児から高齢者まで幅広い世代の方々の健康に携わる中で、働く世代の健康増進の難しさと重要性を感じ、現在は産業保健師として活動しています。
健診事後措置や面談などの基本業務はもちろん、健康管理体制構築サポートや健康セミナーなど多方面で活動中。これまでの経験を活かし、それぞれのライフスタイルに寄り添った情報提供を行ってまいります。
【保有資格】看護師、保健師、第一種衛生管理者、健康運動指導士、人間ドック健診情報管理指導士、NARD JAPAN認定アロマアドバイザー
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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