なぜ、ひじきを食べ過ぎてはいけないのか
- 2017/4/20
- 雑学
ひじきはカルシウムやカリウムなどミネラルが豊富な食材ですね。
そんなひじきですが、英国食品規格庁が、ひじきは無機ヒ素を多く含むので食べないようにという勧告を出しました。
ひじきは健康に良い食品のイメージがあるのですが、はたして食べても大丈夫なのでしょうか?
ひじきの中に無機ヒ素が含まれているって本当?
2004年7月、英国食品規格庁は、水戻しを前提としたひじきから無機ヒ素が多く含まれていたことを理由として、食べないよう勧告を出しました。
同時に他の海藻類(あらめ、わかめ、昆布、海苔)を分析したそうですが、有機ヒ素は検出されましたが、無機ヒ素は検出されなかったそうです。
健康被害としては、有機ヒ素よりも無機ヒ素のほうが問題であり、そのためひじきを食べることで、無機ヒ素を多く摂取することを防ぐため、あえてひじきの摂取をやめるように勧告を出したのです。
ヒ素を減らす方法
危険とされる無機ヒ素ですが、水溶性のため、「水洗い」、「水戻し」、「ゆでこぼし」等によって低減することができるそうです。
乾燥ひじきの無機ヒ素は「水戻し」で5割程度減り、乾燥ひじきを直接ゆでる「ゆで戻し」でも8割程度減りましたが、無機ヒ素を減らすための有効な方法は、水戻し後にさらにゆでる「ゆでこぼし」で、9割程度まで減ったそうです。
「ゆでこぼし」をすると体に良い成分まで無くなってしまいそうな気がしますが、乾燥ひじきの鉄分・カルシウム・食物繊維は「ゆでこぼし」をしても7割残ったという実験結果があります。
食べても大丈夫な量とは?
上記に関連して、厚生労働省、食品安全委員会は、「ひじきを極端に多く食べない限り、健康上のリスクが高まるとは考えられません」との見解を示しています。
具体的には、厚生労働者は体重50kgの人ならば1日当たり4.7gまでの乾燥ひじきなら毎日食べても問題ないとしました。
身近な量にすると、ひじき煮の小鉢およそ1/2杯です。
日本ならではの伝統食であるひじき。
バランスのよい食生活の一つとして、知識をもちつつ食べていきたいですね。
<参考資料>
農林水産省「ヒジキに含まれるヒ素の低減に向けた取組」