ストレスチェック、および高ストレス者への面談実施は、2015年施行の改正労働安全衛生法で義務づけられたものです。
もっともこの「義務」は、従業員数50名以上の事業場に課されたものであり、50名未満の事業場については当面努力義務であるとされています。
しかし従業員数が50名を満たしておらずとも、従業員の健康や働き方改革に積極的に取り組んでいる事業場の場合、自主的にストレスチェックを実施していることと思います。
今回ご紹介するのは、そんな努力義務の事業場でストレスチェックを実施した際の「助成金」です。
助成金の概要
このストレスチェックに関する助成金は、派遣労働者を含めて従業員数50名未満の事業場が、ストレスチェックを実施し、また、産業医からストレスチェック後の面接指導等の産業医活動の提供を受けた場合に、費用の助成を受けられる制度で、独立行政法人労働者健康安全機構が実施しています。
ストレスチェックの実施、またその後の産業医面談のそれぞれに対して費用が助成されます。
助成金額の詳細
(1)ストレスチェックの実施
年1回のストレスチェックを実施した場合に、1従業員につき500円の費用が助成されます。
(2)ストレスチェックにかかわる産業医活動
ストレスチェックにかかわる産業医活動について、実施1回につき21,500円(上限3回)の費用が助成されます。
※ストレスチェックにかかわる産業医活動とは
・ストレスチェック実施後に面接指導を実施すること
・面接指導の結果について、事業主に意見陳述すること
なお、この助成金額は上限額です。
そのため、実際のストレスチェックの実施や、産業医面談でかかった費用が、この金額を下回った場合は、実費が支給されることになります。
ストレスチェック助成金の申請方法
ストレスチェック助成金を受け取るまでの手順は以下のとおりです。
① ストレスチェック実施について審議を行う
ストレスチェックを実施する前に、あらかじめ労使交えて審議を行います。
また、従業員に対してもストレスチェックについての説明、情報提供をしましょう。
審議には医師の参加も求められます。
② ストレスチェックの実施
医師または保健師など、基準を満たした実施者のもと、ストレスチェックを実施します。
その後、従業員に結果を通知します。
③ 面接指導
高ストレス者から申し出があった場合、産業医面談を行います。
また、必須ではありませんが、集団分析結果を活用して、職場環境改善に取り組むことをお勧めします。
④ ストレスチェック助成金の申請
必要書類をそろえた上で、労働者健康安全機構に対して助成金の支給申請を行います。
この申請はストレスチェックの実施から6ヶ月以内に行ってください。
⑤ 助成金支給決定通知の受け取り、助成金受領
支給が決定されると、労働者健康安全機構から支給決定通知が届き、助成金が支払われます。
<注意点>
従業員数50名未満の事業場へのストレスチェック助成金制度は、毎年行われているものです。
しかしながら年度によって手続内容などに違いがありますので、申請を行うに際しては、事前に労働者健康安全機構のウェブサイトなどで情報を入手しておきましょう。
独立行政法人労働者健康安全機構ウェブサイト:https://www.johas.go.jp/