持ち運び可能な自分の能力「ポータブルスキル」が15分で測定できる「ポータブルスキル見える化ツール」を使ってみた
- 2022/6/15
- 労働環境
みなさんは「ポータブルスキル」という言葉をご存じでしょうか?
ポータブルスキルとは「業種や職種が変わっても強みとして発揮できる持ち運び可能な能力」と定義されています。
厚生労働省では2022年3月4日から、自分のポータブルスキルを確認するための「ポータブルスキル見える化ツール」を提供開始しました。
「ポータブルスキル見える化ツール」は主にホワイトカラー職種のミドルシニア層がツール使用の対象者としているものの、誰でも無償で利用できます。
今回は自分自身が持つスキルや強みを把握する「ポータブルスキル見える化ツール」にわかりやすく解説します。
「ポータブルスキル見える化ツール」の提供開始の目的、使い方は?
「ポータブルスキル見える化ツール」の提供を始めた背景には、ホワイトカラーの求職者がツールを利用することで、自身のこれまでの経験や強みを再確認して、キャリア形成やキャリアチェンジに生かせるようにという意図があります。
質問に回答することでポータブルスキルを測定し、さらにそれを活かせる職務、職位も提示します。
「ポータブルスキル見える化ツール」の利用方法
「ポータブルスキル見える化ツール」には以下からアクセスします。
職業情報提供サイト(日本版O-NET)「ポータブルスキル見える化ツール」
上記よりツールのページにアクセスし、質問に回答(所要時間はおよそ15分)することで診断結果が確認できます。
ツール利用は無償で、事前登録や個人情報の入力などの必要はありません。
「ポータブルスキル見える化ツール」の質問内容
では、「ポータブルスキル見える化ツール」の実際の質問内容を見ていきましょう。
① 持ち味の測定
「9つのポータブルスキル」について、自分の強みや弱みに応じて合計29点を割り振ります。
なお「9つのポータブルスキル」とは、以下を指します。
<9つのポータブルスキル>
「仕事のし方」
(1)現状の把握
(2)課題の設定
(3)計画の立案
(4)課題の遂行
(5)状況への対応
「人との関わり方」
(6)社内対応
(7)社外対応
(8)上司対応
(9)部下マネジメント
② 到達度の特定
「9つのポータブルスキル」について、自分の該当すると思うレベルを5段階から選択します。
「ポータブルスキル見える化ツール」診断結果では何がわかる?
「ポータブルスキル見える化ツール」の質問に回答すること、以下の職種・職務から診断結果が表示されます。
職種 | 職務 |
経営戦略 | 経営戦略 |
人事・人材開発・労務管理 | 人事・人材開発 |
労務管理 | |
企業法務・総務・広報 | 企業法務 |
総務 | |
広報 | |
経理・資金財務・経営管理 | 経理 |
資金財務 | |
経営管理 | |
情報システム | 情報システム |
営業・マーケティング・広告 | 営業 |
マーケティング | |
広告 | |
生産管理 | 生産管理プランニング |
生産管理オペレーション | |
ロジスティクス | ロジスティクス管理 |
ロジスティクス・オペレーション | |
国際事業 | 国際(グローバル)経営管理 |
貿易 |
キャリアコンサルタント等によるツールの活用
また「ポータブルスキル見える化ツール」はキャリアコンサルタントなどの就労支援者が使うことも想定されており、就労支援者向けの活用教材も用意されています。
支援者がツールで相談者のポータブルスキルを確認し、就労支援に役立てられるようにという意図があります。
ホワイトカラーの職種では自身のスキルを具体的に示すことが難しいことがあるため、再就職がうまく行えるようにポータブルスキルや強みを把握して支援者がマッチングに活用できるよう考えられているのです。
「ポータブルスキル見える化ツール」を使ってみた感想
ツールの使用は登録も必要なく、操作も簡単なため誰でもすぐに診断を行えるのはとても便利でした。
実際、診断結果に関してもわかりやすく表示されるため、自身のスキルや強みを再確認できたり、これまで知らなかった職種への適性などもわかる点では優れています。
一方で、本人が診断結果をそのまま再就職などに使えるというわけではない点には注意が必要でしょう。
50代の方や場合によっては40代でも企業から早期退職を促されることが起こっているため、早期退職された方が再就職する際に、自分のスキルや強みを把握し、うまく適職にマッチングすることが重要です。
すでに退職されている方だけでなく、現在就業中の方でもこういったツールを用いて自身のスキルや強みを普段から確認しておくことも今後重要になるのではと考えます。
<参考>
厚生労働省「ご自身の強みを約15分で診断できるホワイトカラー対象の職業能力診断ツール「ポータブルスキル見える化ツール」を提供中」