助成金不正受給の罰則とリスクを再度しっかり確認しましょう
- 2020/9/25
- 助成金
コロナウィルスの影響により悪化する企業経営の中、雇用の維持を考え各種助成金の申請を検討している企業担当者も多いと思われます。
助成金の申請には各種の要件や提出物が必要ですが、もしそれを捏造して不正受給した場合には罰則が定められています。
今回は、助成金の不正受給時の罰則およびリスクについて解説していきます。
不正受給について
不正受給とは、本来受給することのできない助成金を不正に受給することとされています。
また、不正受給の判断には、実際に支給されたかどうかは問われないということなので、申請をするだけでも不正受給とみなされることになります。
不正受給とみなされる行為とは?
・ 出勤簿や賃金台帳を改竄して申請を行う
・ 虚偽の雇用実態で申請を行う
・ 休業等を水増しして申請を行う
・ 実施していない教育訓練を実施したと偽り申請を行う
上記は一例ですが、書類の改竄や虚偽の行為を偽っての申請が主立っています。
不正受給の調査方法は?
・ 労働局による抜き打ちの実地調査
・ 会計検査院による書類調査
・ 従業員からの情報提供
助成金受給の際には調査が行われ、例え受給されたとしてもその後の調査で不正受給と判明するケースもあります。
不正受給の罰則は?
◆ 不正受給した助成金の全額返還
また違約金として不正受給額の20%の罰金、年5%に相当する延滞金が科せられます。
◆ 助成金が以後5年間支給されなくなる
また不正受給を行った事業主の不正受給に関与した役員が他の事業主の役員等となっている場合は、当該他の事業主に対しても5年間助成金が支給されなくなります。
◆ 不正受給した事業主、代表者名、所在地、不正内容などの公表
◆ 特に悪質な場合には刑事告発が行われる
過去事例「不正受給から逮捕、倒産」
過去には不正受給から逮捕、そして企業倒産までした例もあります。
雇用調整助成金を不正受給したとして代表と取締役が逮捕、所得税法違反容疑でも再逮捕されました。
そして事件後、商号変更や代表交代などを行い企業イメージの払拭を図りましたが、信用低下から脱却できず、業績が急速に悪化して最終的には倒産となっています。
今年はコロナウィルスの影響で数多の企業の経営状況が悪化していることと思われます。
雇用維持を目的として助成金を受給するには正規の手続きを踏むべきで、間違っても不正受給を行わないようにしましょう。
不正受給は最悪、企業の存続自体が危うくなるリスクがあるものとお考え下さい。