ストレスがたまると「やけ食い」するのはなぜ?多忙な年度末はエモーショナルイーティングにご注意

3月が年度末の会社にお勤めの方のなかには、業務がいつもより増えたり、プレッシャーがかかったり、ストレスや疲労を感じやすい状況にある方もいるでしょう。
そんなとき「頑張っているご褒美に」と食べ過ぎてしまうこともありますよね。
やけ食いのように、お腹がすいているわけではないのに感情に左右されて食べることを「エモーショナルイーティング」といい、度を超すと健康に悪影響を及ぼします。
多忙な時期を元気に乗り切るために、今回のコラムではエモーショナルイーティングについてお話しします。

なぜストレスが食欲につながるのか?

「エモーショナルイーティング」は言葉のとおり、感情的な食欲を示します。
身体的には空腹ではないにも関わらず、精神的に満たされない感覚が食欲と結びつき、やけ食いを引き起こします。
ストレスを感じると、体内ではストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」が分泌されます。
コルチゾールには食欲を促進する働きがあり、これが感情的な食欲につながります。
一時的なストレスであれば、徐々に血液中のコルチゾールは減少します。
しかし、長期的にストレスがかかる状況ではコルチゾールが慢性的に高い状態が続き、習慣的な過食を引き起こしてしまいます。
過食は肌荒れや胃もたれなどの不調の他、習慣的になるとメタボ、糖尿病、高血圧などの生活習慣病につながる可能性があります。
やけ食いは一時的なストレス解消にはなりますが、その効果は長続きせず、むしろ後々罪悪感に苛まれることもあるのです。
ストレスと食欲を上手にコントロールすることが大切です。

食欲との上手な付き合い方

エモーショナルイーティングでは、甘いお菓子やスナック菓子、ジャンクフードなど特定のものが食べたい衝動に駆られるのが特徴です。
しかし、こういったものの食べ過ぎは糖質や脂質の摂りすぎを引き起こします。
欲望のままに食べてしまわないよう、以下のような工夫をしましょう。

食べたくなっても30分我慢する

食欲が湧いても少し我慢をすることで、それが感情的なものなのか実際に空腹なのか判断しましょう。
30分後も食欲が変わらなければ、空腹だと判断してよいでしょう。
他にも、食べたくなったら水を飲む、音楽を聴く、少し離席して立ち歩いてみる、などの置き換え行動を用意すると、食べる以外の行動で気分転換やストレス解消ができて良いですね。

食べるものの選び方を工夫する

どうしても間食がしたい時には、以下のようなものを選ぶとよいでしょう。

・ 噛み応えがあるものを選ぶ

噛むことによって幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が分泌され、ストレス低減効果が期待できます。
ナッツ、豆菓子、茎ワカメ、ガムなどがオススメです。
ミント系のガムであればリフレッシュ効果も期待できます。

・ 個包装のものを選ぶ

大袋のものだと際限なく食べてしまいがちです。
チョコレートやスナック菓子を食べたい時は特に、個包装や小袋のものを、個数を決めて食べるようにしましょう。
また、チャック付きの袋であれば食べる分だけを外に出し、残りは食べ始める前にしまうのも1つの方法です。

・ ストレス低減効果があるものを選ぶ

ストレス低減の観点では、間食にはヨーグルトやチーズ、バナナを食べたり、飲み物をソイラテにしたりするのがオススメです。
これらには幸せホルモン「セロトニン」に変化する「トリプトファン」という成分が豊富に含まれており、ストレス低減効果があります。
また乳製品・大豆製品には、脳神経の興奮を抑える作用があるカルシウムも多く含まれています。
チョコレートに含まれるカカオポリフェノールにもストレス低減効果があります。
カカオの割合が高いほどカカオポリフェノールは増えます。
糖質の摂りすぎを防ぐためにも高カカオチョコレートを選びましょう。

頻度や時間のルールを決める

ご褒美として本当に食べたいものがあるときは、1日1回、週3日はオッケーなどのルールを決め、節度を持って食べるようにしましょう。
適切なご褒美は、ストレス解消やモチベーション維持にも効果的なので、制限しすぎる必要はありません。上手に取り入れましょう。

まとめ

「この食欲は、本当にお腹がすいているのかな?」

食事の時間以外に食欲が湧いたとき、1度このように考えてみてください。
適度にご褒美を取り入れながら、健康的な食事で年度末を乗り切りましょう!

〈参考〉
・厚生労働省e-ヘルスネット「ストレスと食生活」
・日本チョコレート・ココア協会「チョコレート・ココアに「抗ストレス効果」はありますか?」

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佐々木ももこ株式会社ドクタートラスト 管理栄養士

投稿者プロフィール

4年間、管理栄養士として病院や保育園で経験を積む中で、子どもたちの生活習慣や健康状態に働く世代である保護者の習慣が大きく関わることを実感、企業の健康経営に携わりたいと考えドクタートラストに入社いたしました。
経験を活かしつつ有益な情報の発信ができるよう尽力いたします。
【保有資格】管理栄養士
【ドクタートラストの特定保健指導サービス詳細はこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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