2024年4月から特定保健指導第4期がスタートします

2008年からスタートした特定健診・得点保健指導は、2013年に第1回目の見直しが行われ6年ぶりとなる第4期目がスタートしました。
この記事では、特定保健指導第4期のポイントを解説します。

特定保健指導とは?

特定保健指導とは、40歳以上74歳以下の方を対象にした健康支援です。
メタボリックシンドロームが着目され、医学的知見を活かし生活習慣を見直すサポートする制度として2008年4月から始まりました。
特定保健指導は定期健診と異なり、保険者に実施義務があるものであり、保険者(協会けんぽや健康保険組合など)によって対応に差はあるものの、総合健康保険組合などでは、被扶養者を含め保険者の費用負担で制度を利用できるケースが増えています。
正式名称は「特定健康診査」、別名では「メタボ健診」とも呼ばれています。

詳細は過去記事をご覧ください。

2008年第4期特定健診・特定保健指導のポイント

今回第4期目迎える中で、見直しに関する検討会が数年に渡り実施されており、その議論のとりまとめが厚生労働省より公表されました。

主な変更点としては、以下の2つがあります。

1. 「ICTの活用」
2. 「アウトカム評価の導入」「特定保健指導の見える化」

ICTの活用

いわゆる情報通信機器(オンライン面談)の利用については引き続き推進されています。
全ての対象者に平等に機会を与えられるよう、勤務形態(在宅勤務など)や立地(遠隔など)にとらわれず保健指導を行うことが目的です。

また、面接の事前調整や準備、対象者のICT環境整備、指導者側・対象者側のICTリテラシーの低さなどの課題に対応できるよう、留意点などが手引きによって示されています。

アウトカム評価の導入、特定保健指導の見える化

現在の特定保健指導内容は基本的にポイント制で評価されますが、このポイント制度をより分かりやすく、特定保健指導の内容を「見える化すること」の推進が取りまとめられました。
今までの、「〇〇をしたから△ポイント」ではなく、実際のアウトカム(分析・評価)項目として、特定保健指導の結果をより正確に評価できるように、「特定保健指導対象者の腹囲2cm・体重2kg減達成割合」「行動変容指標の改善割合」「次年度以降の特定健診時の階層化や体重などの状況」「喫煙者の次年度禁煙割合」「リピーター(2年連続して特定保健指導対象となる者)の特定保健指導の終了状況」「複数年継続した健診結果の変化」などの指標が追加されました。

今後特定保健指導において取り組むべき事項

また、これらの事項を含めて厚生労働省からは今後取り組むべき事項・課題としては下記の3つをあげています。

① 安定的運用のための取組
・特定保健指導の評価体系におけるアウトカム評価とプロセス評価の各項目については、データをより積み重ね、メタボリックシンドローム該当者及び予備群を減少させる効果の有無等を検証する。
② 質向上のための取組
・保健指導実施者による創意工夫やセルフケアを高めるためのアプリケーション等を活用し、効率的な取組みについて、好事例を収集して横の展開を行う。
③ その他の取組
・特定保健指導の対象者特性に応じた介入のため「見える化」を推進し、保険者や学識経験者等が年齢・地域・事業者ごと等に、独自の課題を検証することも期待される。
・リピーターへの介入方法等についての検討を進めること。
出所元:厚生労働省「第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会とりまとめ資料」

さいごに

上記以外にも、保健指導の元になる特定健診の質問項目に喫煙飲酒に関する質問が盛り込まれており、世の中の健康経営の注目度が高まる中で特に重要とされていることがわかります。
メタボリックシンドロームなどの生活習慣病対策とし、スタートした本制度を、より効果的に活用し、企業の健康経営として活用していきたいものです。

<参考>
厚生労働省「第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会とりまとめ資料」

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田野優人株式会社ドクタートラスト 産業カウンセラー

投稿者プロフィール

日本の働き方、メンタルヘルスのあり方に不信感を抱き、大学では社会学を専攻。卒業後、健康経営のコンサルタントの道を進むべくドクタートラストへ入社。今まで延べ500社以上の企業へ訪問し、産業保健体制の実態を目の当たりにしてきました。また、産業カウンセラーとしても日々、悩みを抱える方々との面談を行っています。
【保有資格】産業カウンセラー
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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