ボランティア活動に備えて保険制度を知っておこう!

2018年6月18日、大阪で高槻市を震源地とした震度6弱の地震が発生しました。
被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

さて、地震や災害が多い日本では、災害発生時には連日多くのボランティアが参加し、被災地への支援を行っています。
被災地ボランティアを行うにあたり、長期休暇を利用して参加する方も多いかと思います。
ボランティアとは「自分から進んで社会活動などに無償で参加する人」を指します。
募集側と参加者との間に「雇用者」と「労働者」の契約はなく、謝礼はあったとしても、賃金が発生しない場合がほとんどです。
さらに、場所が被災地ともなれば、ボランティア活動中に事故や怪我に遭ってしまうことも十分考えられます。
雇用関係にある会社指示での業務中に発生した事故や怪我は、会社が労働災害(以下、労災)として保証してくれますが、雇用関係にないボランティアの場合はどうなるのでしょう。

労災保険(労働者災害補償保険)とは?

会社側は労災が発生した場合、どのように保証を行うのでしょうか。
実は会社は1人でも労働者がいる場合、労働保険に加入し、保険料を納付しなければならないと決められています。
この労働者とはパートやアルバイトなども含むため、規模にかかわらずほとんどの企業がこの労働保険に加入していることになります。
そしてこの労働保険は「雇用保険」と「労災保険」の2種類から成り立っており、この労災保険によって労働者へ給付が行われるという流れです。

では、雇用関係にないボランティアではどうなるのでしょうか?

ボランティアは労災適用外?

上記にありますように、労災保険には「労働者」と「事業主」という関係がなければ成立しません。
厚生労働省社会・援護局によりますと、ボランティアは以下のように定義されています。

ボランティアについて明確な定義を行うことは難しいが、一般的には「自発的な意志に基づき他人や社会に貢献する行為」を指してボランティア活動と言われており、活動の性格として、「自主性(主体性)」、 「社会性(連帯性)」、「無償性(無給性)」等があげられる。

引用元:厚生労働省社会・援護局地域福祉課「ボランティアについて」(厚生労働省「これからの地域福祉のあり方に関する研究会」第5回資料)

この定義に基づくと、個人の意思で行っているボランティアについては「労働者」という概念はありません。
したがって、個人で行うボランティアについては労災保険はおりないことになります。

ボランティア活動保険

しかし、災害ボランティアなど、ボランティア活動時に自身の危険が伴う場合もあります。
例えば熊本で発生した地震のボランティアです。
平成30年3月30日 熊本県災害ボランティアセンターによると、熊本地震の際には1年間で120,516人がボランティア活動を行ったそうです。
主なボランティアの内容は、以下の4つです。

(1) 被災者の住居のあとかたづけ、敷地内や住居内の汚泥の除去

(2) 避難所でのお手伝い(食事のお世話、救援物資の配付など)

(3) 救援物資の仕分け(衣料、飲料、食料品、衛生用品などに分ける作業)

(4) 災害ボランティアセンターの運営のお手伝いなど

引用:熊本県災害ボランティアセンター「被災地でのボランティア活動に参加したいと考えている”あなた”へ」

これらの活動内容には、怪我の危険が伴うような活動も含まれています。
そのため、ボランティア活動時には「ボランティア活動保険」への加入が推奨されています。
「ボランティア活動保険」は社会福祉協議会により行われている制度で、事故や怪我の入院・通院だけでなく、損害賠償責任を負った場合の補償も備わっています。
保険料金も1番高いプランで710円と入りやすい価格にされています。

 

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引用元:ふくしの保険「ボランティア活動保険」

熊本地震による災害ボランティアでは、地震による事故やケガを補償する天災タイプのボランティア活動保険への加入が必要とされています。
また、災害ボランティアセンターでは、加入が義務付けられています。震災時のボランティア参加時には必ず保険に加入するようにしましょう。

まとめ

ボランティア活動をする際には、自分自身を守るためにきちんと準備をしてから取り組むことが大切です。
休暇を利用してボランティアに参加し、怪我をして仕事ができなくなってしまった…なんてことになったら大変です。
そうなる前に、自分の生活を守るためにも「ボランティア活動保険」に加入することをお勧めします。

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