健康経営への機運の高まり
- 2018/10/2
- 健康経営
「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みのひとつとして働く人々の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践していく「健康経営」は大企業のみならず中小企業でも徐々に注目が集まっています。
健康経営度調査は、東京証券取引所の上場会社が対象となる「健康経営銘柄」の選定、「健康経営優良法人」の認定に活用される調査です。
健康経営優良法人については大規模法人部門、中小規模法人部門に分かれており、大規模法人部門の調査締め切りは10月5日(金)、中小規模法人部門の締め切りは11月30日(金)となっています。
中小規模法人部門に該当する法人規模は下記をご参照ください。
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① 製造業その他:1人以上300人以下
② 卸売業:1人以上100人以下
③ 小売業:1人以上50人以下
④ 医療法人・サービス業:1人以上100人以下の法人
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また所属する保険者により申請書の提出先が以下のとおり異なりますので、ご注意ください。
・ 健康保険組合、全国土木建築国民健康保険組合
→所属する保険者
・ 全国健康保険協会(協会けんぽ)、その他国民健康保険組合、共済組合等
→健康経営優良法人認定事務局
※ 中小規模法人の規模、申請書の提出先は経済産業省HPから抜粋
健康経営に注目する企業が増えているのはなぜ?
健康経営度調査の提出企業が増えている背景にはどのような事情があるのでしょうか。
その要因と関係性があると思われるのが就活生とその親に対して行われた「どのような企業に就職したいか(させたいか)」という意識調査アンケート(※1)です。
「企業規模が大きい」「給与水準が高い」といった回答をおさえて就活生と親の双方で高い回答率だったのが「従業員の健康や働き方への配慮」でした。
また就活生の約7割が「就職にあたり親の意見を参考にする」と答えているため、従業員の健康や働き方への配慮している企業かどうかは就活生にとって非常に大きなポイントといえるでしょう。
高齢化社会を迎える日本こそ健康経営が大切
超高齢社会と若年層の減少が課題となっている日本の企業にとって、いかにして若手(新卒)社員を採用するかはとても重要です。
就職活動において売り手市場となっている状況下では、若手社員が重要視する「社員が健康に働くための環境作り」は優秀な人材の確保に繋がるため、企業の発展を考えた際には大切な要素になってくるのではないでしょうか。
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」によると、西暦2050年には日本の総人口は1億人を下回り、そのうち約4,000万人近くが65歳以上の高齢者になると言われています(※2)
健康経営に取り組むメリットは?
健康経営については「何から手をつけてよいかわからない」と感じておられる方も多いかもしれませんが、大規模法人以上に中小規模法人にとって健康経営は重要です。
理由はいくつかありますが、その最たる例としては中小企業では仕事が「人」についてしまうことが多いため、仕事を兼務している従業員が休職してしまうと業務そのものが滞ってしまうリスクも高いことが挙げられます。
また中小企業における健康経営の推進については金融機関・民間保険等が提供するインセンティブなどが実施されており、各地の地銀・信金から低利融資を受けられるケースもあります(※3)。
従業員の健康づくりを進めることでリスクを避け、地域のインセンティブ措置も増えてきている健康経営に取り組んでみませんか?
健康経営優良法人2019(中小規模法人部門)認定申請書はこちらのサイトからダウンロードできます。
ぜひご確認ください!
<参考>
・ 「健康経営の推進について」(経済産業省)
※1(P.12)、※2(P.3)
・ 「健康経営優良法人2019 中小規模法人部門について」(経済産業省)
※3(P.49)