読者の皆様、お昼ご飯食べた後、どうしても眠くなったことはありませんか?
前日の睡眠時間にかかわらず、食事を摂ったあとはどうしても眠くなるものです。
かくいう私もお昼休み明けが非常に弱く、しかし眠気は昼休み中にはなかなか訪れず、昼休みが明けて少し経ってから急に眠気に襲われます。
昼休みに炭水化物をカットしたり、急いで食事を済ませて無理やり寝る体勢に入ったりしても、どうもしっくりこない。
14時前後にうつらうつらして「今軽く寝てしまった方が絶対効率がいい……」と思いつつも、周りの目も考えるとできません。お察しします。
これに共感出来るあなた! いっそのこと会社ごと巻き込んで「パワー・ナップ制度」を取り入れてみてはいかがでしょうか?
パワー・ナップとは?
パワー・ナップ(power-nap)とは社会心理学者ジェームス・マースによる造語で、「15~30分程度の短い仮眠」を指す言葉であり、時間当たりの睡眠の効用を最大化する睡眠法として近年注目されているものです。
パワー・ナップにはさまざまなメリットがあり、スタミナの回復(たった20分の仮眠で8時間睡眠分のスタミナともいわれています)、人為ミスの低減、記憶・認知能力の向上、心臓疾患リスクの低減など、働く人々にとって打って付けのスタミナ回復法なのです。
近年、海外の先進企業を始め、日本でも導入する企業が増えてきています。
一体どのように導入すれば?
ここでは日本企業による実際の導入例を見てみましょう。
・ 自席や休憩室で
さいたまのリフォーム会社「OKUTA」では、従業員の就業中の昼寝を認める「パワー・ナップ制度」を導入しており、「従業員の体調次第で任意のタイミングで申告なしで始められる」「昼寝中に関しては電話を繋がない」など従業員が制度を利用しやすいよう、工夫された環境づくりがなされています。
・ 空き会議室で
昼休み明けすぐに会議が入ることがないことを利用したものです。別段コストがかからないほか、無防備な寝姿を見られたくないといった特に女性の方の意見にも対応ができ、施設の空き時間を有効に活用した策です。実際に導入している企業では、ブラインドを下げて照明を落としたり、その上で間接照明を点けたり、ヒーリングミュージックを小さい音量で掛けたりしている模様です。
・ 専用のスペースで
自席や空き会議室で実際に導入して効果が確認されて、かつ、社内スペースに余裕があったり、デッドスペースがあったりする企業向けの方法です。「GMOインターネットグループ」では、福利厚生施設としてお昼に一時間だけオープンするGMO Siestaを開設しました。折り畳みの簡易ハンモックのようなものが並べられ、男女別でパーティションで仕切る他、アロマを焚く、照明を落とすなどの工夫が凝らされています。
「はてな」においてもお昼寝専用の畳のスペースが設けられているようです。
注意すべきポイント
ここではパワー・ナップを実践する際に注意すべきポイントを紹介します。
・ 仮眠は15時までに済ませる
15時以降に仮眠をとると、その晩の睡眠に影響をきたす可能性がありますので注意が必要です。
・ カフェインを摂る
一般的にカフェインで覚醒するのは摂取から30分後になるので、目覚めをスッキリさせるためにも仮眠の直前にはカフェインを摂るようにしましょう。
・ 時間を守ること
20分前後が最も効果的であるとされています。入眠時間を鑑みて25分くらいを見積もりましょう。
「就業時間中に居眠りなど言語道断!」はもっともですが、不公平などが発生しないようにキチンとルールを設定したうえで、会社の福利厚生や業務改善の一環として導入してみてはいかがでしょうか?