求人票への受動喫煙対策の明示が義務化されます!

2020年4月から改正健康増進法が全面施行となり、受動喫煙対策が各事業者に求められています。
それと同時に、求人票に受動喫煙対策について記載をしなくてはいけなくなったことはご存知でしょうか。

改正健康増進法の基本的考え方

まず、今回の改正について今一度おさらいをしてみましょう。
今回の改正は以下の3つの基本的な考え方をもとに作られています。

【1】「望まない受動喫煙」をなくす

屋内において、受動喫煙にさらされることを望まない者がそのような状況に置かれないようにすることを基本に、望まない受動喫煙をなくす。

【2】受動喫煙による健康影響が大きい子ども、患者等に特に配慮

20歳未満の子ども・患者は健康影響が大きいことを考え、利用が想定される施設において対策を徹底する。

【3】施設の類型・場所ごとに対策を実施

施設の類型や場所ごとに、利用者の違いや他人に与える健康影響の程度に応じ、措置等を行い、掲示の義務付け等の対策を講ずる。

求人票への対策の明示は、これらの基本的な考え方から考えると「望まない受動喫煙をなくす」に該当します。
これにより、職場選びの段階で求職者は「受動喫煙にさらされるリスクのある職場を選ばない」ということが可能になります。

求人票への明示義務化

2020年4月以降、各事業者は各事業場の施設類型をもとに次の3点を記載する必要があります。

①受動喫煙対策の有無
②その対策方法
③その他特記事項

たとえば、喫煙(加熱式たばこを含む)専用施設を設置したホテルの場合は第二種施設にあたり、「①あり ②屋内禁煙 ③屋外に喫煙専用施設設置」などの記載が必要になります。
では、実際にハローワークインターネットサービスで求人情報を検索してみましょう。
今回の改正により、求人情報を検索する際には受動喫煙対策の有無を指定できるようになりました。
image1

これにチェックを入れて検索して出てきた企業を見てみると、確かに下記画像のように対策の有無とその内容が明示されていますね。
image2

求人票にこれらを記載する場合、改正健康増進法においては注意点が大きく三つあります。

① 求人事業所の所在地と就業場所が異なる場合

求人事業所の所在地と就業場所が異なる場合には、実際の就業場所における受動喫煙対策の明示が必要となります。
また、複数の場所での就業が予定されている場合には、それぞれの場所における対策の明示が必要となります。

② 喫煙可能区域で就業をする場合

改正健康増進法においては、施設の管理権限者は喫煙可能区域に20歳未満を立ち入らせてはいけないとしています。
そのため、求人を行う場合においても、喫煙可能区域で就業する求人は、年齢制限の下限を20歳以上にする必要があります。

③ 地方公共団体が条例などで受動喫煙の防止に関する事項を定めている場合

地方公共団体の条例により受動喫煙を防止する措置が定められている場合には、求人申し込み時の明示においても、それらに適合したものでなくてはなりません。

まとめ

本法律の施行で受動喫煙防止対策は「マナー」から「ルール」へと変わります。
近年は職場選びの要素が、昔とくらべて多種多様になっているかと思います。
喫煙者率が年々下がっていくいま、受動喫煙対策も、要素のひとつとなってくるかもしれません。

<参考>
・ 厚生労働省「求人申込み時の留意点」「求人申込み時の留意点」
・ 厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙」「なくそう!望まない受動喫煙」
・ 厚生労働省「受動喫煙対策」「受動喫煙対策」

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角屋 祐介株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

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