産休や育休で有給休暇は減ってしまう?

2017年10月に改正される育児・介護休業法により、育児休業取得期間の上限が1年半から2年に変わります。

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女性の育児休暇取得者は8割を超えるなか、休業期間の延長により、休業中に有給付与日を迎える方の数も増える可能性があります。
育児休業や時短勤務制度についての知識はかなり普及してきていますが、その期間の有給休暇については、案外知らないという方も多いのではないでしょうか。

産休・育休中に有給付与日がある場合

労働基準法では、事業者は起算して6ヵ月間連続勤務し、全労働日の8割以上出勤した社員に対して、10労働日の年次有給休暇を与えなければなりません。
そして、それ以降も継続年数に応じ、1年ごとに新しく年次有給休暇を付与する必要があると定められています。
では、社員が産休・育休取得中で、その間に有給付与日が訪れた場合、その付与日数に何か影響はあるのでしょうか。

産休・育休は出勤したものとみなす

法律上、業務上負傷し又は疾病にかかり療養のために休業した期間、介護休業をした期間、産前産後休業した期間は出勤したものとするとされています。
つまり、社員が産休・育休中であっても、年次有給休暇は他の社員と同様、労働基準法に定められた通りに付与されます。
実際は出勤していないからといって有給を付与せずにいると、労働基準法第39条違反となり、罰則の対象となりうるので、事業者は注意が必要です。

育児時短社員へ有給付与する場合

産休・育休中の社員には通常勤務の社員同様、年次有給休暇が付与されることは上で述べましたが、時短勤務社員の有給取り扱いについてはどうなっているのでしょうか。
年次有給休暇の付与には、通常の付与と比例付与の2パターンがあります。
比例付与とは、
① 週の労働時間が30時間未満で、所定労働日数が週4日以下または② 年間所定労働日数が216日以下で、週所定労働時間が30時間未満等のパートタイム労働者を対象とし、その付与日数は【通常の労働者の付与日数×比例付与対象者の週所定労働日数÷5.2】で計算されます。

ここで、1日6時間、月曜から金曜まで勤務の育児時短勤務者を例にとって考えてみましょう。
この場合、1週間の労働時間は30時間、また、週の所定労働日数も5日となるので、比例付与ではなく、通常付与の対象に含まれるということになります。
よって、有給の付与日数も通常社員と同様の扱いとなります。

労働者に不利益にならぬよう注意が必要

年次有給休暇の付与や取得について、労働基準法では労働者の不利益にならぬよう取り扱うことが定められています。
ただ、年次有給とは別に会社独自の休暇を設けている場合、その分については、時短勤務者に対して勤務時間に比例して付与するなど、会社が設けたルールを適用しても問題ありません。

就労形態が多様化するなか、それぞれのケースについて正しい理解と運用が求められています。

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池田 三菜子株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

総務・経理を経て、現在は営業事務にて幅広く社員をサポート。20代は好き勝手生きてきましたが、一児の母となった今、時間の大切さを痛感中。
「効率化」「時短」「思いやり」を胸に、共感をいただけるお役立ち記事を発信していきたいと思っています。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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