その不調、女性ホルモンが関係しているかも
イライラ、腹痛、太りやすい、肌荒れ、疲れる、冷え性……。
いつも気になっているその不調、放っておいて大丈夫でしょうか。
「決してラクではないけれど、我慢できるといえばできるし…」
「毎月のことは、みんなもこんなものでしょう」
こんな風に考える人が多いかもしれませんが、それらはすべて女性ホルモンに関係している可能性があります。
女性ホルモンとの付き合いは、一生のうち約40年間。
ご自分の体とうまく付き合っていくために、まず女性ホルモンのことをよく理解してみましょう。
女性ホルモンと男性ホルモン
男女は、10歳くらいまでは生殖臓器の違い以外の大差があまりありませんが、成長に伴い、男女間で肉体的、性質的にまったく異なる形へダイナミックに変化していきます。
それらすべてを指示しているのが、「性ホルモン」です。
男性は男性ホルモン、女性は女性ホルモンに支配されながら成長するといっても過言ではありません。
同じ性ホルモンですが、男性ホルモンと女性ホルモンには決定的な違いがあります。
それは、女性ホルモンには「毎月の波」と「一生の波」があり、急激な変動があるということです。
男性ホルモンには、「周期的な変動」や「急激な変化」はありません。
女性ホルモンは女性の守護神
女性ホルモンはどのくらいの量、分泌されているかご存知でしょうか?
実は、一生でたったティースプーン一杯分程度しか作られないとされています。
そのたった一杯が女性にとても大きな影響をもたらします。
肌や髪の艶、柔らかな曲線といった、いわゆる女性らしい見た目を始めとし、特に思春期から性成熟期(20~30代)まで女性の守り神としてさまざまな恩恵をもたらしてくれます。
男性と比べて高血圧や糖尿病といった生活習慣病になりにくいことや、妊娠・出産という大イベントを成し遂げる力も女性ホルモンだけに成せる業です。
女性に多い、膠原病や橋本病、リウマチなどの免疫性疾患病、骨粗鬆症、動脈硬化、アルツハイマーなども、女性ホルモンが発症を抑えていることがわかっています。
守護神の裏の顔
毎月の波:月経トラブル
性成熟期は女性ホルモンのおかげで、見た目の麗しさに磨きがかかる一方、裏の顔に翻弄される時期でもあります。
たとえば、月経痛やPMS。
女性の約6割がこれらの体調不調やイライラに悩まされているといいます。
また、月経痛や過多月経がひどい場合は、婦人科特有の病気(子宮内膜症、子宮筋腫など)が隠れている可能性もあります。
一生の波:更年期
女性ホルモンの一生の波といえば、更年期です。
人生の約40年にわたり苦楽をともにしてきた女性ホルモンは、閉経とともにその働きを終えます。
更年期とは、閉経前後10年間のことを指しています。
女性ホルモンは、脳の指令により卵巣から分泌されますが、45歳以降、卵巣機能が低下し始めると、脳の指令と卵巣機能のギャップに混乱をきたし、さまざまな症状が現れるといわれています。
症状の代表例:倦怠感、肩こり、物忘れ、発汗、冷え、イライラ、不眠、憂鬱感
こうした女性ホルモンによる変動は避けられない一方で、適切な治療・対処をすることで症状を和らげることができます。
いまやマルチな役割を社会から期待されている日本女性ですから、自らが主体的にライフプランを選択し、人生の舵取りを自分でしていくために、女性特有の心身の変化について知識を持つことが大切と感じます。