「アイフレイル」ってなんだ!?知っておきたい「目」の老化対策 

「仕事中に、PCの見過ぎや冬の乾燥で目がしょぼしょぼする」「最近本を読んでいても見えづらくなったな」など、目の不調を感じている方はいませんか。
現代人は、勤務中にPCを使う以外にも、お風呂やトイレの中でもスマホやTVを見るなど、目を使いっぱなしにすることが多いです。
みなさんは、「目の調子が悪いな」と感じたときに、きちんと医療機関を受診していますか。また、コンタクトレンズを日頃使用している方は、最後に眼科へ行ったのはいつでしょうか。

近年、健康な状態と要介護状態の中間の段階を指す「フレイル」という言葉を耳にするようになりましたが、実は、目にもフレイルがあることはご存じでしょうか。
今回は、目のフレイルである「アイフレイル」について解説します。
アイフレイルの知識を得て、年末の疲れを解消して、毎日使う「目」を労っていきましょう!

アイフレイルとは

アイフレイルとは、加齢による目の機能低下を指します。
また、日本眼科学会などの団体からなる日本眼科啓発会議によると、アイフレイルは以下のように定義されています。

『加齢に伴って眼が衰えてきたうえに、さまざまな外的ストレスが加わることによって目の機能が低下した状態、また、そのリスクが高い状態』
出所元:日本眼科啓発会議アイフレイル啓発公式サイト「目の健康寿命をのばそうアイフレイル」

加齢とともに眼球の構造と機能の衰えが生じ、その状態にさらにストレスが加わると目に障害が出現します。
白内障緑内障などの目の疾患は初期段階では無症状であることが多く、病状が進行すると見えづらさや目の不快感などの自覚症状も出てきます。
この状態を放置すると、見えづらさを常に自覚するようになり、さらに進行すると重度の障害に陥り回復が困難となります。
ここまで悪化すると、生活に不便さを感じるようになる、移動がしづらくなるなど、生活のQOLが低下するだけでなく、失明の可能性もあります
つまり、目の疾患は徐々に進行していくため、若いうちからの予防が必要であり、40代以降の方は特にアイフレイルに注意していきましょう。

また、日本眼科啓発会議が40代以上の男女に対して「目の健康に関する意識調査」を行ったところ、目について「何らかの自覚症状がある」と回答した人のうち、3年以内に目の検査を受けた人は全体の57.9%でした
つまり、目になんらかの不調があっても、半数近くの人が眼科へ行かないことがわかりました。
目は大切だとわかっていても、ついつい後回しにしてしまい、なかなか受診に至らないのかもしれません。
健康を考えるうえで、早期発見と早期対応は非常に重要です。見えづらさや目に不快感がある方は早めに医療機関へ受診しましょう。

アイフレイルのチェックリスト

日本眼科啓発会議では下記のチェックリストを紹介しています。
特に、40代以上の方は一度確認してみましょう。

1. 目が疲れやすくなった
2. 夕方になると見えにくくなることが増えた
3. 新聞や本を長時間見ることが少なくなった
4. 食事の時にテーブルを汚すことがたまにある
5. 眼鏡をかけてもよく見えないと感じることが多くなった
6. まぶしく感じやくなった
7. はっきり見えない時にまばたきをすることが増えた
8. まっすぐの線が波打って見えることがある
9. 段差や階段が危ないと感じたことがある
10. 信号や道路標識を見落としそうになったことがある

上記チェックリストに2つ以上あてはまった場合、アイフレイルの可能性があるため、近隣の医療機関の眼科専門医に相談してみてください。

アイフレイルを予防するために日々行ってほしいこと

まずは、不調を感じたら医療機関の受診を行うようにしてください。
なお、コンタクトレンズを使用している方の受診の目安は3か月ごとです。
コンタクトレンズによる目の障害は軽微のものを含めると、推定で年間100万件起きているため、適切な使用方法で合併症を予防して、健康な眼を維持していきましょう。
また、冬は加湿器などで部屋の乾燥を予防することも目にとっては大切です。

仕事中に目を使わないことはありません。
チェックリストなどを用いて、若いうちからアイフレイルを予防していきましょう。

<参考>
日本眼科啓発会議アイフレイル啓発公式サイト「目の健康寿命をのばそうアイフレイル」
公益財団法人日本眼科学会「コンタクトレンズ診療ガイドライン」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

中森チカ株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

大学病院の病棟勤務(循環器内科・糖尿病内分泌科)を経て、地域包括支援センターの保健師として高齢者総合相談、介護予防事業などに従事。ドクタートラスト入社後は、セミナーの実施や年間100件超の保健指導やカウンセリング業務に携わっている。
セルフケアやレジリエンス、アンガーマネジメントの研修、またこれまでの経験から、生活習慣病に関するセミナーが得意。
「楽しく元気に働ける人を世の中に増やしていく」が保健師としての目標。心身の健康や予防が大切だと痛感したことから、「行動が変わる、考え方が変わるきっかけ作り」に邁進中。
また育児や治療、介護と仕事の両立をサポートし、よりきめ細かく対応できるよう、思いやりの心を持って働いている。
【保有資格】保健師、看護師、公認心理師、国家資格キャリアコンサルタント、第一種衛生管理者、人間ドック健診情報管理指導士
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

この著者の最新の記事

関連記事

解説動画つき記事

  1. 【動画あり】コロナでどう変わった?24万人のストレスチェック結果を1年前と比較してみたら意外な結果が…!

一目置かれる健康知識

  1. 【保育士が直伝】慣らし保育を早く終える子は、登園時の保護者の行動が違う!
ページ上部へ戻る