何らかの出来事が起きた時、人によってさまざまな捉え方がありますね。
事実は一つでも、その事実をどのように捉えるかによって、そこから生じる感情が変わり、ストレス反応や行動が変わります。
例えば、「とても忙しいなか、一方的に仕事を頼まれた」という出来事があったとき、あなたはどう捉えどんな感情を抱きますか?
「暇だと思われているのか」と捉えてイライラしたり、「あの人苦手だな」という感情を持ったりしませんか?
心に潜む7種類の思い込みオウム
ポジティブ心理学者の第一人者、イローナ・ボニウェル博士は、物事の捉え方にはパターンがあり、人はそのどれかを根底に持っていると述べています。
①批判オウム:
他人を批判しがちで、曖昧な状況を嫌う。白黒はっきりさせたいタイプ。周囲に不満を持ちやすい
②正義オウム:
何が公平で正しいかを気にしがち。「○○すべきだ」という思想を持っている
③負けオウム:
自分と他人を比較し、落ち込むことが多い。くらべられること自体を恐れ、人前に出ることも臆する
④あきらめオウム:
自分で状況を変えられると思っておらず、「自分にはできない」と決めつけがち
⑤心配オウム:
将来に対して悲観的で、何かうまくいかないことがあるとすべてがうまくいかないのでは?と心配する
⑥謝りオウム:
問題が起きると、自分を責めやすい。自己評価や自尊心を下げる
⑦無関心オウム:
何事にも「我関せず」の立場をとる。面倒なことを避けようとするため周囲の意欲を喪失させる
<参考> 前野隆司『実践 ポジティブ心理学 幸せのサイエンス』(PHP研究所)
捉え方を修正すれば、感情も修正できる
皆様はどのオウムを飼っていますか?
ある出来事によりネガティブな感情(イライラ、落ち込む、傷つくなど)になった場合は、この7種類のオウムのうちいずれかを心の中に飼っていることでしょう。
客観的にこのオウムの正体に気づくことができれば、捉え方を意図的に修正し、その後に生じる感情やストレス反応をコントロールすることが可能です。
自分でコントロール可能か・不可能か
ネガティブ感情は、下図の4マスでシンプルに整理して対処することができます。
ポイントは「自分でコントロール可能か・不可能か」と「自分にとって重要か・重要でないか」。
自分でコントロール可能かつ重要なものは、行動もしやすいですね。
重要だけれど自分ではコントロール不可能なものは、「気にするだけ損」となります。
変えられない現実を受け入れ、自分のできる範囲内で対処法を考え行動することで不要なイライラや落ち込みを感じる必要はなくなるかもしれません。