ドナー休暇制度 導入しませんか?

私が学生の頃になりますが、部活の後輩のお母さまの白血病が発覚しました。
無事にドナーが見つかり、お母さまは今もお元気でいらっしゃいます。
当時は、とても珍しい病気にかかったという認識でしたが、先日、1年ほど前から失踪したと思われていた知人が、実は白血病で入院していることを知りました。
彼は今も、ドナーを探しながら療養しているとのこと。

身近で2人目ともなると、そんなに珍しいことではないと思い、ドナー登録について調べ始めました。
実は年間約3,000人もの方が日本骨髄バンクを通じて骨髄・末梢血幹細胞移植を希望していますが、移植できるケースはこの半数にも満たないようです。

調べを重ねてさらに驚いたのが、骨髄移植の場合、提供を行うために、通院や入院といった準備がかなりあるという事実。

大切な友人が骨髄移植を求めていて、助けたいと思っても、入院や事前の準備をしなくてはならない……。
けれども会社は休めない……。

万が一のことが起こってしまっては、後悔は一生続くように思われます。

そこで昨今は、誰かを助けたいという希望を叶えるため、ドナー休暇制度を導入している企業も増えてきています。
今日はそんなドナーとドナー休暇制度についてのお話です。

骨髄提供までに発生すること

① 登録

そもそもドナー登録ってどこですればいいの? という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ドナーは、実は献血ルームで登録できます。
必要なのはたった2mlの血液。
後日ドナー登録の確認書などが届きます。
また、ドナー登録会なども開催されておりますので調べてみることをお勧めします。

参考:日本骨髄バンク「登録受付窓口」

② 適合

適合者が見つかると、ドナー候補者に選ばれたことを知らせる書類が届きます。
その後、確認や検査をして家族の同意をもとに提供準備に入ります。

③ 提供

<骨髄移植の場合>

手術に備え、数回事前に自分の血液を採取しておく必要があります。
そのため、2~3回は通院が必要です。
その後、3泊4日程度の入院をし、全身麻酔のうえで腰の骨に針を刺し、造血幹細胞を提供します。

<末梢血幹細胞の場合>

全身の血液に末端血幹細胞が流れるようにする注射を行います。
通院であれば2~4回注射のために通い、3泊4日の入院で細胞を採取。
1週間程度の入院が必要ですべてを行うことも可能です。

その後は、健康診断を受けたり、体調が回復するまでコーディネーターによるサポートを受けたりします。
このように、献血のようにその1度のその時間だけで終わり、というわけにはいかないのです。

ドナーには保証がない

ドナーに選ばれてから提供まで、入院費などは一切かかりません。(一部交通費などを除く)
しかし、打ち合わせや通院、入院で会社に行けないことに対する保証は一切ありません。
ドナーはあくまでボランティアによる提供である、と定められているためです。
自営業の方はもちろん、企業で働く方であっても有給休暇を取得できるかなど、さまざまな不安があることでしょう。

一部自治体では提供ドナーへの助成を行っているところもあります。

参考:日本骨髄バンク「提供ドナーへ助成を行っている自治体(PDF)」

また、給付金が支払われる保険もあります。

参考:日本骨髄バンク「提供により給付金が支払われる保険」

ドナー休暇制度導入で、誰かを救える会社へ

現在ではドナー休暇制度を導入している企業も増えています。
通常の休暇とは別に、ドナーに選ばれた場合、有給休暇と同じように休暇を取得することができる制度や、ボランティア休暇制度などの適応にドナーとしての提供が含まれるケースが多いようです。

現在、日本骨髄バンクのサイトに掲載されている民間企業は341社。
国家公務員の場合は25年ほど前に人事院規則にこのドナー休暇制度が盛り込まれ、有給休暇が認められるようになっているほか、約8割の地方公務員についても同様の制度が適応されています。

参考:日本骨髄バンク「ドナー休暇制度導入企業・団体」

さまざまな資格・制度の導入を企業イメージのためにアピールする会社も多いことともいます。
たとえばドナー休暇制度を導入することで、社員を守ることになるのと共に、社員満足度や、企業イメージ向上につながるでしょう。

身近な人に置き換えて、ぜひ一度考えてみてください。
あなたにとって大切な人がドナーを求めていた場合、あなたにできることは何ですか?

参考:
・ 日本骨髄バンク
・ 造血幹細胞移植情報サービス

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大沼 泉株式会社ドクタートラスト ストレスチェック研究所

投稿者プロフィール

結婚・出産・育児といったライフイベントを乗り越えながら女性がいきいきと働くには、どんな職場環境が望ましいのか。ブラック企業から転職し、産休育休を経た経験をもとに、産業カウンセラー、そして働くママ社員の立場からさまざまな情報をお伝えしてまいります。
【保有資格】産業カウンセラー
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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