蔓延する「6月病」。わけもなく会社に行くのが嫌になる理由

10連休が過ぎ、必死にたまった仕事を片付けながら、6月に祝日がないことにハタと気付いたとき、私はなんだか余計に疲れた感じがしてしまいました。
もしかしたら、今この出だしを読んでその事実に気づき、がっくりと肩を落としている方もいるかもしれませんね。
仕事をしていると「帰りたい」と思う、家から出るときは「行きたくない」と思う、仕事がうまくいっていようがいまいが、そう思った経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
実はそれ、「6月病」かもしれません。

5月病はもう古い?6月病が蔓延する理由

5月病という言葉を聞いたことはあると思います。
4月からの新しい環境に適応できず、こころや体がストレスを抱え限界に達した5月ごろに体調を崩すというもの。
メンタルヘルス対策を積極的に進める企業では、新入社員などに対し、アンガーマネジメントやメンタルについてのセミナーを実施したり、面談を実施したりと様々な方法で5月病の対策を行っています。
そうした中、今注目され、世間に増えているといわれているのが6月病です。
6月病も、基本的には5月病と症状やメカニズムは変わりません。
しかし、6月といえば梅雨があります。
天候がすぐれず気圧も下がり、外的な要因によってそもそも体調を崩しやすい季節なのです。
何とか5月を気力で乗り切った人たちが、それまで、気圧やどんよりとした天気によって体にさらに負担をかけてしまい、6月についにバランスを崩してしまうというケースが多くみられることから、改めて梅雨の時期のメンタル対策に現在注目が集まっているのです。

梅雨時に体調を崩しやすい理由

なぜ梅雨は体調を崩しやすいのでしょうか。
それは雨が降る際の気圧による影響が大きいとされています。
深海魚は海面近くまで登ってくると、気圧の違いから体が膨れてしまい、破裂して時には死に至ります。
それと同様で、50hPa気圧が下がるだけでも、人間の体は実際にサイズが変わるわけではないものの膨張する力を感じてしまい、血管や筋肉を収縮させることで体内の圧を下げようとし、結果ストレスがかかり、体調を崩してしまうのです。
また、同様の理由から、雨の日などは体が疲れやすくなります。
にもかかわらず、気分転換になるだろうと雨でも外に出かけるなど、積極的に活動することで通常以上の疲労感が溜まってしまい、さらに体調を崩すことにつながる、という事も言われています。
ほかにも梅雨の雨で体がだるくなってしまい、朝起きられないなどの生活リズムに異変が生じ、体内時計や自律神経のバランスまで崩れてしまいます。
このように、梅雨時は本来、体や心に十分に気を付けて生活をする必要のある時期なのです。

「会社に行きたくない!」を打破する6月病対策の秘訣

5月病、6月病共に、気分が落ち込み、会社に行こうという気力さえも消耗してしまうものです。
以下のような対策が乗り切るための手助けになるかもしれません。

自分の状態を知る

こんな精神状態になっていませんか?

・ どうもやる気がでず、ついつい先延ばしにしてしまう
・ 気分が落ちこんだり、楽しいことがないと思う
・ イライラしたり、怒りっぽい状態だと感じる
・ 気持ちが落ち着かず、不安や焦りを感じる

ほかにも、体がSOSを出している時もあります。
こんな症状はありませんか?

・ 体がだるくて重い。疲れが取れないと感じる
・ 頭痛を感じたり、頭が重くなる
・ 眠れなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまう
・ 息苦しさやめまい、動悸などを感じる
・ 食欲がわかず、ものをおいしいと感じられない

これらは、ストレスチェックに含まれるストレスの心身の状況を図る設問から抜粋したものです。
まずは自分自身がどの程度の疲労を感じているのか、しっかりと認識することが大切です。

ストレスの原因を知る

6月病は医学的には「適応障害」と呼ばれる病気の一種であるといわれています。
新しい人間関係や、環境に適応できなかったり、理想や現実とのギャップを感じていたりと、その原因はさまざまです。
自身にとってのストレスが何であるか、きちんと向き合う必要があります。
「会社に行きたくない」と感じる原因を考え、それに対しての解決方法や、ストレスから気を紛らわせる方法などをまずは考えてみましょう。
戦うためには、まずは相手を知ること。
そして理解し、攻略方法を考えること。これがとても重要なことです。
時には上司や同僚に相談してみることも良いかもしれません。

自身の生活リズムを見直す

生活リズムの乱れは体調の乱れを呼び起こします。
自分が気づいていなくても、連日続く低気圧に前述のとおり、体にはいつも以上の負荷がかっています。
十分な睡眠をとり、バランスの良い食事を心がけ、適度な運動をすること。
基本的な話ですが、こうした生活習慣を整えることが回復にとってはとても大切です。
心身共に思っているよりも疲れているかもしれないと認識して、できる限りしっかりと休めるようにしましょう。

産業医に相談してみる

上司や同僚には相談できず、自分ではどうすることもできないようなことがストレスだった場合や、十分な睡眠がとれず、身体的な不調がかなり顕著な場合は、あなたの会社の産業医に相談してみると良いかもしれません。
産業医との面談を行う中で、状況が整理され、心身の状況から判断して適切な対応を導き出してくれる可能性があります。
産業医に相談することにより、不利益を被ることはありませんので、まずは相談してみてはいかがでしょうか?

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大沼 泉株式会社ドクタートラスト ストレスチェック研究所

投稿者プロフィール

結婚・出産・育児といったライフイベントを乗り越えながら女性がいきいきと働くには、どんな職場環境が望ましいのか。ブラック企業から転職し、産休育休を経た経験をもとに、産業カウンセラー、そして働くママ社員の立場からさまざまな情報をお伝えしてまいります。
【保有資格】産業カウンセラー
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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