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高齢者の活躍に取り組む企業の事例を紹介、厚生労働省
- 2024/11/22
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みなさんの働いている企業の役職定年、定年は何歳でしょうか。
実際には「まだ働ける」と思っていても定年により退職される方も多いのではないでしょうか。
現在の日本では、定年を迎える方の人数もかなり増えてきています。
そこで「まだ働きたい」「働ける」といった人材を年齢にかかわりなく活躍できるようにするため、役職定年や定年制の見直しを検討することが求められています。
2024年9月30日、厚生労働省では、高齢者の人事・給与制度の工夫(役職定年・定年制の見直し、ジョブ型人事制度の導入等)に取り組む企業にヒアリングを実施し、企業が役職定年・定年制の見直し等を検討する際の参考となるよう、「高齢者の活躍に取り組む企業の事例」を公表しました。
見直しに取り組む事例をご紹介
「高齢者の活躍に取り組む企業の事例」では、企業14社にヒアリングをしています。
以下では、その一例をご紹介します。
太陽生命保険株式会社
太陽生命保険では、大手生命保険会社で初となる65歳定年制、および70歳まで働ける継続雇用制度を導入し、役職定年を廃止しました。
(最長70歳まで働くことを可能とした継続雇用制度を導入するのは、大手生命保険会社において初。(2016年 12 月末時点))
また、年齢に応じた一律の処分の引下げを廃止しました。
イオンリテール株式会社
イオンリテールでは、65歳の定年到達後もフルタイムの正社員として働くことができる再雇用(エルダー社員)制度を導入しました。
エルダー社員は仕事の難易度や責任の重さで等級が設定され、担う役割・職位に応じて資格が定まる役割等級制度です。
こちらは同一等級であれば、65歳到達時と再雇用後の月例給与は同水準、賞与も支給されます。
エルダー社員制度の導入により、定年退職者年間400人のうち約6割をフルタイムのエルダー社員として雇用継続できるため、人手不足の中、即戦力の確保に貢献できています。
ダイキン工業株式会社
ダイキン工業では、定年年齢を60歳から65歳に変更し、65〜70歳までは再雇用(本人希望)とし、70歳以降はシニアスキルスペシャリスト契約社員(会社選択)としています。
従来は56歳到達時に役職離任(およびそれに伴う賃金見直し)を行っていましたが、一律の年齢による役職離任を廃止しました。
株式会社阿波銀行
阿波銀行では、元々は年功序列型の雇用管理を行なっていましたが、年齢ではなく能力を基準とした制度とするため2002年から年齢による昇給を廃止しています。
また2021年からは定年を60歳から65歳に引き上げました。
定年延長実施後においても職務等級の考え方に変更はなく、60歳以降でも以前と同様のポジションに就くことを可能としています。
今後の展開
独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構では、高年齢者の人事・給与制度の工夫(役職定年の廃止、定年延長、定年制の廃止、ジョブ型人事制度の導入等)に取り組む企業について、ヒアリングを実施の上「高年齢者活躍企業事例サイト」に特設ページを作成し、掲載します。
今後高齢者の処遇や、役職定年・定年制を見直そうと検討する時に参考することが可能です。
紹介できなかった企業の取り組みも見ることができるので、こちらからご確認ください。
独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「高齢者の活躍に取り組む企業の事例」
さいごに
多くの企業では、従来の賃金制度を見直し柔軟な勤務形態を導入しています。
また、人手不足であるにもかかわらず定年の関係でスキルを持った従業員が辞めてしまうといった問題についても、定年制度を見直すことでスキル保持者が引き続き活躍できる職場環境に変えることが可能です。
今後はさらに多くの企業に、高齢者に適した働き方に見直される必要があるのではないでしょうか。
事例集を確認しながら、課題を感じている企業の方は参考にしてみてください。
<参考>
厚生労働省「高齢者の活躍に取り組む企業の事例を公表します」