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「働く喜び調査2013~2023年の変化」レポート公表
- 2024/6/28
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みなさんは「働く喜び」といったらどのような想像をするでしょうか。
純粋に「働くことが楽しい」と感じられている人や、「生活のために仕方なく働いていて喜びはない」と感じる人もいると思います。
株式会社リクルートは「働く喜び調査2013~2023年の変化」レポートを公表しました。
このレポートは株式会社リクルートで2013年より毎年、全国の15~64歳の就業者約5,000~12,000人を対象に仕事に関するアンケート調査をまとめたものです。
今回はこちらのアンケート調査結果を見ながら、私たちに身近な「働く喜び」について考えていきましょう。
「働く喜び」の現状
図1は「この1年間、働くことに喜びを感じていたか」という問いに対して、「非常に感じている」「感じている」「やや感じている」「どちらともいえない」「あまり感じていない」「感じていない」「全く感じていない」の7つに分けて集計したものです。
図1【この1年間、働くことに喜びを感じていたか】
出所元:株式会社リクルート「働く喜び調査2013―2023年の変化」
2013年以降、「働くことに喜びを感じている人」の割合は減少傾向でしたが、2018年から増加傾向が見受けられ、その後は42~44%の間で推移しています。
昨年の2023年は「働く喜び」を感じている人(「非常に感じている」「感じている」「やや感じている」の合計)の割合は42.6%です。半分には届かないものの40%を超す結果となりました。
図2は「仕事をする上で働く喜びは必要だと思うか」という問いに対して「とても必要だと思う」「必要だと思う」「やや必要だと思う」「どちらともいえない」「あまり必要だと思わない」「必要だと思わない」「全く必要だと思わない」の7つに分けて集計したものです。
図2【仕事をする上で働く喜びは必要だと思うか】
出所元:株式会社リクルート「働く喜び調査2013―2023年の変化」
2019年の調査では、88.2%(「とても必要だと思う」「必要だと思う」「やや必要だと思う」の合計)の人が「働く喜び」が必要だと回答しており、2013~2023年の調査結果の中で一番高い数値になっています。
2017年以降に「働き方改革」や「ワーク・ライフ・バランス」がメディアでも取り上げられ始めたことや、2019年4月から「働き方改革関連法」が制定されたことなどが関係していると思われます。
また、昨年の2023年は81.3%の人が「働く喜び」が必要だと回答しています。81.3%の人が「働く喜び」を必要としているのにも関わらず、図1からわかるように、実際に「働く喜び」を感じられているのは42.6%ほどとなっています。約半数の方が「働く喜び」を必要としているのに感じられていないというのが現状です。
「働く喜び」に必要な7因子
株式会社リクルートでは、生き生きと働くため「働く喜び」を7つの因子で定義しています。7因子は、「信頼関係」「学び・成長」「役割・居場所」「快適な環境」「顧客の期待・感謝」「必要な収入」「社会的影響」です。なかでも、「信頼関係」の構築は、「働く喜び」を得るために重要なはじめの要素とされています。
職場での健全な人間関係は「安心」へとつながります。
「心理的安全性(psychological safety)」をご存知でしょうか。
心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。
マズローの欲求5段階説でも、物質的欲求である「生理的欲求」「安全欲求」が満たされることによって、精神的な欲求である「所属と愛の欲求」、続いて「承認欲求」、上位の「自己実現欲求」が満たされるとされています。
職場での「自分はここ(職場)で認められている」「私はここ(職場)で存在していいんだ」という気持ちは、個人のパフォーマンスを向上させ、仕事の効率や業績の向上が期待できます。
まとめ
約80%の人が「働く喜び」を大切だと思っている中、約40%の人しか「働く喜び」を感じとれていないことがわかりました。
しかし、「働く喜び」を感じるためには、個人の「安心」が必要になります。
テクノロジーの進化やAIによる変化の激しい時代であっても、このような人の潜在的なニーズは変わりません。
日本では「国民の三大義務」の中に「勤労の義務」が存在しているように、「働くこと」は生活する上で切ってもきれない関係となっています。
寿命が延び、働く時間の増加が想定されている現代において、いま一度、自分自身の「働く喜び」について考えることが必要かもしれません。
<参考>
株式会社リクルート「働く喜び調査2013―2023年の変化」