全国初!いつから施行?東京都カスタマー・ハラスメント防止条例
- 2024/12/17
- ハラスメント
2024年10月11日、東京都は、顧客と働く人とが対等な立場において相互に尊重する都市をつくりあげるとともに、カスタマー・ハラスメント(以下、カスハラ)のない公正かつ持続可能な社会を目指し、「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」を制定しました。
この条例は、全国で初めてのカスハラ条例であり、カスハラの基準を定める重要な条例だといえるでしょう。
東京都カスタマー・ハラスメント条例の概要
以下では、東京都カスタマー・ハラスメント条例の概要を紹介します。
まず、カスタマ―・ハラスメント条例は、公正かつ持続可能な社会の実現に寄与するため、カスハラ防止に関し、基本理念を定め、東京都、顧客等、就業者及び事業者の責務を明らかにするとともに、カスハラ防止に関する施策の基本的な事項を定めるものです。
(1)基本理念
基本理念は、社会全体でカスハラの防止を図るとともに、その防止にあたっては、顧客等と就業者とが対等の立場において相互に尊重することです。
(2)禁止規定
禁止規定として、何人も、あらゆる場において、カスハラを行ってはならないとされています。
(3)各主体の責務
各主体の責務は以下のように定められています。
都:カスハラ防止に関する情報の提供など
顧客等:カスハラへの関心と理解を深め、就業者に対する言動に必要な注意を払うよう努める
就業者:カスハラへの関心と理解を深め、カスハラ防止に資する行動をとるよう努める
事業者:カスハラを受けた就業者の安全を確保し、顧客等に対し中止の申入れ等の措置を講ずるよう努める
(4)指針の作成
今後、東京都は都は、カスタマー・ハラスメントの防止に関する指針を作成・公表します。
この指針には、「カスハラの内容」、「顧客等、就業者および事業者の責務」、「都の施策」、「事業者の取組」などが該当します。
(5)事業者による措置
事業者側は、今後作成される指針に基づき、カスハラ防止のための手引の作成等に努めることとされています。
(6)施行期日
東京都カスタマー・ハラスメント防止条例は、2025年4月1日に施行されます。
ハラスメントについて学ぼう!
東京都では、カスハラについて学べるコンテンツを各種用意しています。
・ 東京都産業労働局「TOKYOノーカスハラ支援ナビ」
東京都産業労働局「TOKYOノーカスハラ支援ナビ」ではカスハラについての正しい知識と対策を動画で学ぶことができるとともに、「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」の施行に向けた普及啓発ポスターが無料でダウンロードできるなど、役立つ情報を公開しています。
また、カスハラ防止に役立つアンガーマネジメントについてのコラムも掲載しています。
怒りのコントロールはカスハラだけではなく、ハラスメント全般で重要なものです。
正しい知識を身につけ、顧客等と働く人との対等な立場について、今一度考える機会を設けてみましょう。
・ 東京都産業労働局「TOKYOノーハラ企業支援ナビ」
東京都産業労働局「TOKYOノーハラ企業支援ナビ」は、「これってハラスメントなの?」「どんなハラスメントがあるの?」などの悩み・不安の解消するための、企業向けのサイトです。
カスハラだけでなく、パワハラやセクハラ、マタハラなどについても取り上げ、ハラスメントの判断基準や、企業として従業員を守るための対策なども解説しています。
また、パワハラや就活ハラスメントなどのオンラインセミナー情報なども取り上げていますので、ぜひチェックしてみてください。
誰でも「顧客側」になる
私たちは社会で生活している限り、誰でも「顧客側」になり得えることから、一人ひとりのカスハラへの意識や学びは大切です。
また、企業はカスハラへの対策をしておくことで、「従業員を守る」ことにもつながります。
東京都カスタマ―・ハラスメント条例の施行期日は2025年4月1日です。
「まだ先だから大丈夫」とせずに、正しい対策や知識を身につけ、企業としての対策を心がけていきましょう。
<参考>
・ 東京都「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」
・ 東京都産業労働局「TOKYOノーカスハラ支援ナビ」
・ 東京都産業労働局「TOKYOノーハラ企業支援ナビ」