正月太りを回避しよう!体重増加を最小限に抑える年末年始の過ごし方

今年も残すところあとわずかになりました。
12月から1月にかけてクリスマスや忘年会、お正月、新年会とイベントが盛りだくさんで、いつも以上に食べたり飲んだりすることが増える時期になります。
おいしいものがたくさん食べられる時期ですので、私もつい食べすぎてしまいます。
また、寒い日も続くため部屋でゴロゴロしたり、夜更かししたりで運動不足や生活リズムが狂いやすい結果、体重増加や消化器症状が出現するなどの変化が出る方もいます。

お正月は少し食べすぎたり、飲みすぎたりすることはあると思いますが、羽目を外しすぎないように、健康にも意識を向けましょう。
今年の最後は、年末年始の過ごし方についてお伝えします。

年末年始の後、どんな変化があるのか?

私は保健師として、産業保健や特定保健指導でさまざまな方と面談をしていますが、「年末年始の後に体重が増えてしまった」と報告をもらうことがあります。
特定保健指導の対象となる方は、特に多い印象です。
だいたい1~2㎏程度の増加ですが、中には5㎏近く増えたという方もいるくらい、この時期は体重が増えたと実感する方が多いのではないでしょうか。
全国20~69歳の男女1,100人を対象とした「お正月明けの健康意識に関する調査(2023年)」(株式会社クロス・マーケティング実施)によると、お正月明けに身体の変化があったと回答した人が51.6%で、そのうち45.2%が「体重が増えた」と回答しています。
ほかにも「疲れやすい」が47.7%、「身体が重い」37.7%、「脂肪が付いた気がする」36.4%など、体型や体調の変化を感じていることがわかります。

株式会社クロス・マーケティング「お正月明けの健康意識に関する調査(2023年)」

正月太りとは?太ってしまう原因は?

正月太りを引き起こす原因を4つ紹介します。

摂取カロリーが増える

いわゆる「食べすぎ・飲みすぎ」が原因です。
いつもより外食が増えたり、カロリーが高いものが食卓に並んだりします。また、連休で時間に余裕が生まれるため、飲酒量も増えてしまうという方も多いです。

だらだら食べたり飲んだりする

空腹の時間が短い、あまりない状態は体重が増える大きな原因になります。
長時間飲食する時間が続く、間食を何度もする状態は血糖が上昇してしまいます。
血糖を下げるために膵臓からインスリンというホルモンが出ますが、インスリンには余ったブドウ糖(血糖)を中性脂肪に変えて、脂肪細胞にため込むという働きも持っています。
そのため、高血糖の状態が続くと中性脂肪の産生が増加します。体内の中性脂肪が増加するとインスリン抵抗性(インスリンの働きが悪くなる)が起こりやすくなり、血糖値が下がりにくくなるため、さらに悪循環に陥ります。
この状態が続くと糖尿病を引き起こす可能性が高くなります。

塩分が多い

一般的なおせち料理の多くは味が濃い目のことが多く、保存性を高めるために糖分や塩分が高くなっています。
塩分が高いものばかり食べていると、身体がむくみやすくなり、結果的に体重増加を引き起こします。

運動不足

習慣的に運動していない人でも、通勤や日々の動作で身体を動かしていますが、年末年始はゆっくり過ごすことも多くなり、自然と普段より消費カロリーが減ります。
摂取カロリーが増えているのに消費カロリーが減ってしまうと、体重が増えて正月太りを引き起こします。

身体が冷える

年末年始に限ったことではないですが、寒い日が続くと身体が冷えやすくなります。血液やリンパの流れが悪くなり、代謝が低下するため体重増加につながります。

体重増加を最小限に抑えるためのポイント

年末年始はゆっくりしたい、いつもよりおいしいものを多めに食べたいと思うものです。「体重が増えてはいけない」と罰のように考える必要はありませんが、体重増加を最小限に抑えてもらいたいとも思っています。
この年末年始は下記を参考に意識する日も取り入れて楽しい年末年始を過ごしましょう。

体重計に毎日のる

「この時期は体重が絶対増えるので体重測定するのが怖くて……」という方がいます。
何を食べてどれだけ体重が増えたかを客観的にみることは非常に重要です。
数値を見ると「これ以上増えるとまずいな、ちょっと気を付けよう」という気持ちが出てくることもあります。
習慣的に体重測定する癖を今からつけておきましょう。

野菜から食べてよく噛む

年末年始の食事を減らすのはなかなか難しいので、野菜を1品プラスするのがおすすめです。
野菜から食べることで血糖値の急激な上昇を抑えられます。またよく噛むことで食欲に関連するホルモン作用が刺激されて、満腹感も得られやすくなります。
何回噛むか数えながら食べるのは難しいですが、ゆっくりいつもより多く噛んで食べる意識をしましょう。

ごちそうを食べる日を決め、それ以外はいつも通りの食事内容を心掛ける

せっかくの連休なのに、「これは食べないほうが良い」「太るかもしれない」など考えすぎるのもストレスになり楽しめません。
ごちそうを食べた日の次の日は普段よりも意識して腹八分目にする、炭水化物(特に麺類・餅)を減らす、飲酒量を減らしたり休肝日にしたりするなどでメリハリをつけてみましょう。
空腹の時間を作らない限り、体重は減少しません。また食べすぎ飲みすぎは内臓に負担もかかるため労わる日も作りましょう。

家事でカロリーを消費しよう

外出や散歩などで身体を動かせると良いですが「外は寒いしなかなか実行できない……」という方は、家事でカロリーを消費しましょう。
たとえば体重60㎏の人が、皿洗い15分と洗濯15分実施すると、約120kcal消費できます。
運動しようとしなくても、家で家事をすれば、意外とカロリーを消費できるので、こまめに家事をすることをオススメします。

生活リズムをできるだけ崩さないようにしよう

生活リズムの乱れは睡眠不足やストレスによる過食を引き起こす可能性があります。
大晦日以外の日はできるだけいつもと同じ時間に起床、就寝するようにしましょう。

<参考>
・ 株式会社クロス・マーケティング「お正月明けの健康意識に関する調査(2023年)」
・ 厚生労働省「身体活動・運動の推進」

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保健師 大島かよ

投稿者プロフィール

病棟・クリニックでの患者さんとの関わりの中で、「もっと早く治療開始できていれば」、「病気になる前に何かできないか?」と考えるように。その思いから次第に予防に興味を持ち、「働く世代」に対するアプローチがしたい!と、産業保健の世界へ飛び込みました。
現在産業保健師として数社訪問、健保で特定保健指導を担うフリーランスの保健師です。
自分の経験なども盛り込みながら、産業保健に関連する情報を発信していきます。
【取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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