※解説動画は最下部にあります
緊急事態宣言が発令されて以降、これまで取り組みのなかった企業などでも緊急措置としてリモートワーク(テレワーク)が導入された話をよく耳にします。
感染リスク防止だけでなく、業種業態によってはうまく活用することで生産性向上も期待できるリモートワークですが、新しい取り組みが広がるときには新しい問題が起きるもので、パワハラ防止法が施行されたこのタイミングで「リモハラ」「テレハラ」が新たに注目を浴びています。
今回は「リモハラ」「テレハラ」をわかりやすく解説します。
「リモハラ」「テレハラ」とは?
言葉としての「リモハラ(テレハラ)」は、セクハラやパワハラなど他のハラスメント同様に略語で「リモートワーク・ハラスメント(テレワーク・ハラスメント)」を指し、リモートワーク中に行われるハラスメント全般を意味します。
お酒の場でのハラスメントが種類を問わずアルハラ(アルコールハラスメント)と呼称されるのと同じように、リモートワーク中に行われれば種類を問わずリモハラにくくられます。
外出自粛により半強制的に急遽リモートワークを余儀なくされて以降、リモートワーク中に行われるパワハラやセクハラなどの相談件数は増加傾向にあります。
リモートはSNS感覚?
同じ労働環境が与えられるオフィスで働いているときにはわからなかった問題として、リモートワークでは労働者個人個人の住環境などが浮き彫りになるケースが発生しています。
住環境のほか、インターネット回線や設備などの格差が明らかになり、精神的に耐えがたい思いをしている方も一定数いるようです。
ウェブ会議などを行っている際に途切れがちなインターネット回線に無遠慮に文句を言われたり、通信速度の速い安定したものへの契約変更を命じられたり。
あるいは監視目的から常時接続状態を求められたり、必要以上に業務報告を求められたり……。
モバイル通信機器等が身近にあったデジタルネイティブ世代にくらべ、苦手意識の強い方が多い世代では、突如必要に迫られリモートミーティングなどで普段以上に加減がわからなくなってしまっている方が一定数存在するようです。
SNS上で匿名状態で無責任に他人をバッシングするような無神経さで、まるで相手が「ヴァーチャル」な存在であるかのように感じられ、歯止めが利かなくなってしまうのです。
特にリモートセクハラでは、1対1のリモートミーティングを頻繁に求めてきたり、部屋の内装や服装、化粧にまで言及をしたり、業務とは関係ないプライベートな話題に言及したりする事案が発生しています。
「そんなつもりではなかった」「許されていると思っていた」は一切通用せず、リモートでつないでいる状態であれば録画や録音なども簡単にできてしまいます。
被害者にとっては安全な機能とも言えますが、軽い冗談のつもりでいる加害者にとっては手痛い証拠となります。
リモートワーク中は、普段の対面時よりも細心の注意と相手への配慮を十分に行いましょう。
これにはハラスメント防止の取り組みの一環として、行為者への抑止効果としての効果ももちろんですが、労働者が安心して働くことのできる環境を整備する意味でも企業からの啓発や研修なども検討すべきでしょう。
新しい取り組みだからこそ細心の注意と十分な配慮を
十分な準備をする間もなく急遽取り組み始めたリモートワークの場合、さまざまな問題が生じがちです。
労使双方で快適な労働環境構築のために協力をしていきましょう。
住環境やインターネット環境、PC等の設備環境などには個人の価値観なども大きく影響するため、一律に設備や環境が整えられたオフィスと同様に考えることが前提条件として間違っており、労働契約締結時から取り決めとして求められていなかった条件であれば、会社からの補助なども検討すべきであり、労働者を責めるべき筋の話ではありません。
また、固定回線を引いていない物件などでは労働者個人の携帯端末などでテザリングなどでつながざるを得ず、通信費の支払いについて等が争点となり問題となっているケースも増えているようです。
その中でも、オフィスの環境と同等の状況が当たり前という価値観を労働者個人個人には押し付けず、それぞれの事情や状況にも十分配慮しつつ、普段以上に思いやりと気配りを持ってコミュニケーションを図りましょう。
動画でもっとわかりやすく!リモハラ、テレハラの解説
ドクタートラストでのYouTubeチャンネルでは、リモハラ、テレハラについてわかりやすく解説しています。
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