【7月1日~】今年も始まる全国安全週間!~意識を高めて1年間安全に仕事をしよう~
- 2024/7/1
- 労災
全国安全週間とはなに?
今年も7月1日から「全国安全週間」が始まります。
全国安全週間とは、労働災害を防止するために「産業界での自主的な活動を推進し、広く一般の安全意識の高揚と安全活動の定着を図ること」を目的として厚生労働省が実施する取り組みです。
2024年は第97回目の実施と、意外にも長い歴史を有しています。
2024年のスローガンは「危険に気付くあなたの目 そして摘み取る危険の芽 みんなで築く職場の安全」に決まりました。
実施期間は7月1日(月)~7月7日(日)の1週間です。
各事業にて労働災害防止への取り組みを進めるためにも、2023年の労働災害の傾向を見ていきます。
2023年の労働災害の傾向とは
厚生労働省発表「労働災害発生状況」で、2023年1月1日~12月31日までに発生した労働災害の集計を見てみると、死亡者数は725人となっており、2022年にくらべて2.6%減少していました。
一方では、休業4日以上の死傷者数は133,169人となっており、2022年にくらべて2.3%増加していました。
まだまだ労働災害への対策は強く必要ということが見て取れるでしょう。
死亡者数・休業4日以降の死傷者数の要因1位の発生事例
以下では、死亡者数・死傷者数の要因として一番多い事項について、実際に起こった労働災害を紹介します。
■死亡者数の要因1位:墜落・転落
墜落・転落は死亡者数の中で全体の26.8%を占めており、多くの方が亡くなっている悲しい事故です。
厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」から実際に発生した労働災害事例「住宅の屋根塗装工事において、1階屋根(高さ3.13メートル)の塗装作業を行っていたところ、バランスを崩し、アスファルト舗装面に墜落し脳挫傷により死亡」を取り上げます。
この災害の原因と対策として、まずは作業場の環境です。
高さ2メートル以上の作業床の端で、労働者に作業させていたにもかかわらず、墜落防止措置を講じていませんでした。
対策として、囲い・手すり・覆い等を設けたり、安全帯を使用させるなどの墜落防止措置を講じる必要がありました。
他にも保護帽が未着用だったそうで安全教育が不十分でした。
保護帽の着用をしっかりとさせ、着用状況を監視し、危険性や作業手順等の教育の実施を徹底することも必要でした。
■休業4日以上の死傷者数の要因1位:転倒
転倒は休業4日以上の死傷者数の中で全体の26.6%を占めており、35,480人もの労働者が事故にあっている事故です。
厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」から事例「倉庫内で箱を運び出していたところ、梱包に使用されていた梱包結束材に足を引っ掛け、転倒し休業した」を取り上げます。
こちらのケースは梱包結索材(PPバンド)を解いた後、そのままの状態で作業してしまい足を引っかけました。
梱包結索材(PPバンド)を片づけてから作業をすることはもちろんのこと、作業場所ひいては職場の整理整頓や、労働者への教育・研修が必要でした。
この事例は倉庫内でしたが、工場や飲食店、オフィスなどすべての職場でも発生し得るのが「転倒」です。
週1回の衛生管理者による職場巡視と月1回の産業医による職場巡視を徹底し、整理整頓の上、安全な職場へ向けて取り組んでいきましょう。
どの業種、どの職場にも起こり得る労働災害
また、先ほど「すべての職場でも発生し得る」と話しましたが、死亡災害も休業4日以上の死傷災害も、第三次産業が占める割合は、それぞれ約27.7%(725人中201名)、約51.3%(133,169人中68,307人)です。
私は、労働災害が発生するのは建設業や製造業等、第二次産業が圧倒的に多いかと思っており、この内訳を知った際は驚きました。
どの業種で働いていても労働災害は起こりうるものなので、今回の全国安全週間を期に、今一度「安全」について考えてみてはいかがでしょうか。
安全への意識は慣れと同時に知らず知らずのうちに薄れてしまいます。
そんなときに起きてしまうのが事故・労働災害なので、年に一度は気を引き締めて、また初心に戻って職場のみんなで仕事をしてみるといいかもしれません。
<参考>
・ 厚生労働省「令和6年度「全国安全週間」を7月に実施」
・ 厚生労働省「職場のあんせんサイト」
・ 厚生労働省「労働災害発生状況」
・ 厚生労働省「令和5年労働災害発生状況(令和6年3月速報値)」