ボトムアップ or トップダウン~制度を活用させるために~

現在、多くの企業で、働き方改革に関するさまざまな制度の導入を取り入れ、より良い職場環境作りに取り組んでいると思います。

その制度はきちんと活用できているでしょうか。
社員から不満や不安の声はあがってはいませんか?
実際に新しい制度を導入し、それを全社員が活用していくというのは大変難しいことです。

今回は、新しい制度を浸透させた活用方法をお話したいと思います。

はじめに

離職率を28%から4%にまで引き下げた社長がいます。
サイボウズの青野慶久社長です。
青野社長はまず、環境を改善するために「社員の話を聞く」ことから始めたといいます。

そして選択型人事制度や在宅勤務制度等、社員に幅広い働き方の選択肢を与え、自分に合った働き方を推奨しました。
しかし、最初はなかなか新しい制度を利用する社員がいなかったとようです。

そこで実践したのが、「ボトムアップ型の制度づくり」です。

ボトムアップ型とトップダウン型

ビジネス用語で使われている「トップダウン」と「ボトムアップ」。
トップダウンは、組織の上層部が決定をしその実行を部下に指示する「上位下達」を、ボトムアップは下から上へ発議をし、決定がされる「下位上達」をいいます。

青野社長は、ボトムアップという方法で、制度の活用に成功しました。

どのように活用したのか

「子供を預けたいのに預けられない」

最近よく耳にしますよね。社会的に問題になっている託児所の不足ですが、そんな社員の要望に応えるべく、社長は会社に託児所を作ることを決めます。
会社だったら安心して子供を預けて働けるだろうと社員を思っての提案でした。
しかし、「通勤ラッシュのなかで小さい子供を東京のど真ん中に連れてくるのはどれだけ大変か」と、社員から出た意見は、まったく逆のことでした。

そこで、社長はトップダウンでの制度づくりをやめ、「ボトムアップ」の方式を採用しました。

社長が取り組んだボトムアップ方式は以下の通りです。

① 制度完成までのプロセスを社員に共有する

早い段階から全社員に共有することで、自分に関係のあることだと認識させます。

② 社員には、質問責任を果たすことを求める

制度や経営、目標まで何でも疑問に思ったことは上長に質問することを社員に求めました。
社員が質問し、上長や社長が説明をきちんとする、この関係で会社内の信頼関係を築いています。

今回ご紹介した企業では、ボトムアップによって社員の要望を聞き、上手く制度としてとりいれたことで離職率を低下させることに成功しました。

必ずしも、トップダウンよりもボトムアップのほうが優れているというわけではありません。
それぞれの問題点や制度に合わせた方法を選択する必要があると思います。

社員のため、もっと活用できる制度はないのだろうかと模索している企業の皆様、社員の声に耳を傾けてください。
社員の皆様、思い切って会社に求めることを上長に相談してみてはいかがでしょうか。

この記事が少しでも何かのヒントになっていれば嬉しいです。

参考:松尾彰大「サイボウズ青野社長に聞く、離職率を28%から4%に下げる方法」(CAREER HACK)

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