コーヒーと緑茶は日本で愛される代表的な飲料です。
日本のコーヒーの消費量はなんと世界第3位で、世界で消費されるうち、約5%を日本が占めています。
また、緑茶は世界一消費量が多いのが日本です。
古くから日本で愛されているお茶で、毎日熱い緑茶で一日を始める方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
緑茶もコーヒーもカフェインが多く含まれています。カフェインにはさまざまなメリット、デメリットがあります。
カフェインは量だけでなく、摂取する時間によってもメリットとデメリットがあります。
カフェイン摂取がメリットになる時間帯と、デメリットになる時間帯を知り、生活の質を向上させましょう。
起床直後のカフェイン摂取を避けたい理由
そもそも睡眠には2種類のホルモン分泌が関係しています。
睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」とストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」です。
カフェインの摂取のタイミングによってはこの「コルチゾール」の分泌を妨げることがあります。
コルチゾールの主な役割 | |
高ストレス作用 | ストレスを感じると交感神経を刺激し、体の緊張状態を保ちます。脈拍や血圧を上昇させて、脳を覚醒させます |
糖新生 | 筋肉中のたんぱく質をアミノ酸に分解し、肝臓でブドウ糖に合成します。血糖値が低下しているときに、この糖新生と呼ばれる働きを促進して、血糖値を上昇させます |
脂肪分解 | 糖新生が起こっている状況では、脳以外の場所でもエネルギー不足にならないように脂肪を分解してエネルギー供給を促します |
抗炎症作用・免疫抑制作用 | 体の免疫反応の一つに炎症があります。体内に入った細菌やウイルスを排除するために免疫機能が働くと熱や腫れなどの炎症を引き起こします。こうしたときに、コルチゾールが分泌され、炎症や免疫機能を抑える作用をもたらします |
参考:健康管理検定「ストレスホルモン「コルチゾール」の働きとは!?」
コルチゾールは起床直前の早朝に最も多く分泌され、夕方から夜にかけて最も少なくなります。
これは睡眠中に血圧や脈拍を下げて体内のメンテナンスを行い、起床時は血圧や脈拍を上げてすっきりと目覚めるためです。
カフェインにはコルチゾールの分泌を低下させる作用があります。
そのため起床直後のコルチゾールが多く分泌されているタイミングでカフェインを摂取してしまうとすっきり目覚めることができず、疲れや眠気の原因となります。
コルチゾールの分泌は起床後1~2時間で低下しますので、カフェインの摂取は起床1~2時間後からとしましょう。
カフェインの総摂取量を減らし、夕方以降は摂取しない
カフェインの半減期(血中の薬物濃度が半減するまでの時間)は個人差がありますが、3~7時間程度といわれています。半減期でそれだけの時間がかかりますので、体内からカフェインがなくなるまで長ければ14時間近くかかる人もいます。
2024年2月に厚生労働省が策定した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によれば、カフェイン摂取量が107mgを超過すると、摂取時刻が就寝時刻の約9時間前であっても、夜間の睡眠に影響し、カフェイン摂取量が217.5mgを超過すると、約13時間前の摂取であっても夜間の睡眠に影響するといわれています。
そのためカフェインを午後も摂取する人は、カフェインの総摂取量を減らす必要があります。
また、カフェインを多く摂取している人はできるだけ早い時間に摂取するようにするといいでしょう。
効果的なカフェインの摂取方法
それでは、カフェインを含む飲料を一日の中でどのように摂取するといいのでしょうか。
ポイントをまとめました。
こちらを参考にカフェインをとるタイミングを見直してみましょう!
・ 起床直後~出社:水や白湯・麦茶などノンカフェインの飲み物を選ぶ
・ 10~13時ごろ:コーヒーや緑茶などカフェインを含む飲料をとることで集中力がアップする
・ 13~16時ごろ:カフェインを含む飲料は量に注意。可能であればノンカフェインの飲料にする
・ 16時~就寝:カフェインは避け、麦茶などのノンカフェイン飲料を摂取する
なんとなく疲れが取れない、寝たのに休んだ気がしない、という方は、カフェインの取り方が原因かもしれません。
カフェインの量だけではなく、摂取のタイミングについても見直してみましょう。
<参考>
・ 一般社団法人全日本コーヒー協会「世界の国別消費量」(2023年12月8日更新分)
・ 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
・ 農林水産省「カフェインの過剰摂取について」