その日の疲れは、その日のうちに!「3つのリズム」を整えた睡眠法とは?
- 2024/3/26
- 睡眠
若い頃とくらべて疲れやすくなった、休んでも疲れが取れない――。
年齢を重ねると多くの方が直面する悩みではないでしょうか?
実際に年齢とともに体力や気力が衰えるのは自然なことですが、そのまま放置していると心身の不調や判断力や集中力の低下などにつながり、日常生活に影響を及ぼしかねません。
年齢を重ねて疲れやすくなっているからこそ「その日の疲れはその日のうちに取る」の意識的な実践が大切です。
疲労回復には休養や食事の見直しなど色々とありますが、最も重要なのは「睡眠」です。
今回は、理想的な睡眠を取るために意識してほしい「3つのリズムの整え方」をご紹介します。
1. まずは「お疲れチェック」をしよう!
「疲れ」とは、心身に強い負担がかかることで、身体から発せられるSOSのサインです。
それを無視して走り続けていると、限界を超えて身体を動かせないほどのひどい倦怠感や疲労感に襲われる慢性疲労になる可能性もあります。
疲れ過ぎていないか、定期的に自分の身体からのサインに耳を傾けるようにしましょう。
【疲れている人に多い特徴】
・ イライラしやすい
・ 気分が沈む
・ 仕事中に強い眠気に襲われる
・ 気力や集中力がなくなっている
・ ケアレスミスが多い
・ 全身がだるく何をするのも億劫
ただし、疲れを伴う原因として貧血や更年期障害、睡眠時無呼吸症候群、うつ病など疾患もあります。
疲労に対する対策をしていても改善されずに長く続く場合は、医療機関に受診することも検討してみましょう。
2. 心身を回復させるには「睡眠」が一番な理由
疲れへの対処として、リフレッシュをする、ストレスを減らす、環境(人間関係含む)を整える、適度な運動をする、栄養のある食事を取るなどさまざまな方法があります。
その中でも、脳と身体を休める効果のある睡眠は疲労を回復させるうえで一番重要です。
私たちが眠っている間は身体では成長ホルモンが分泌されて、疲れが回復され、傷ついた細胞が修復されています。
また、日中に得た情報が整理されたり、脳に定着されています。
このように睡眠は身体面と精神面の両方の休息やメンテナンスにとってとても大きな役割を担っているのです。
そんな重要な睡眠も、疲労を回復させるためには「時間」と「質」の両方を確保することが必要です。
3. 疲れを溜めないために整えたい「3つのリズム」とは?
疲れを回復させるために睡眠時間は、個々差はありますが成人では6~9時間はとっていただきたいもの。
また、質の良い睡眠を取るためには身体が眠りにつきやすいよう、睡眠と覚醒のリズムを司る体内時計を1日の周期に合わせて整えていくことがポイントです。
特に睡眠と強い関わりのあるものは以下の「3つのリズム」です。
① メラトニンリズム
睡眠ホルモンであるメラトニンは入眠を促す作用があります。
光によって量が調節されており、朝起きて光が目に入ってから14~16時間後にメラトニンの分泌量が高まっていきます。
一方で夜に強い光を浴びるとメラトニンの分泌量が少なくなり、眠りにつきにくくなります。
朝はメラトニンを減らすために、家のカーテンを開けて太陽の日差しを浴びるようにし、日中は少しでも外出したり、室内にいる場合は窓からの光を取り入れるようにしましょう。
夜は、寝る2時間前を目安に部屋の照度を落とし、スマホやテレビなどのデジタル機器の使用も控えることが望ましいです。
② 深部体温リズム
私たちは身体の中心部の深部体温が下がると眠くなるという仕組みがあります。
深部体温は通常、朝起きてから夕方にかけて高くなり、眠るころに急速に下がっていきます。
寝る1~2時間前にお風呂にゆったりと浸かったり、寝る前に軽いストレッチなどの運動を行うなどして、夜に深部体温を一度上げると、下がりやすくなるリズムをつくることができ、寝つきが良くなり、質の良い睡眠が得られやすくなります。
③ 自律神経リズム
自律神経には身体を活動的にする交感神経と身体を休める副交感神経があり、私たちは副交感神経を優位な状態にすることでリラックス状態となり、眠りにつきやすくなります。
そのため、眠る前は、考え事をやめたり、多くの情報で脳が刺激を受けないようにスマホを見ないように意識しましょう。
また、コーヒーや緑茶に含まれているカフェインやアルコールが代謝されてできるアセトアルデヒドは交感神経を刺激してしまうので、寝る3時間前までには飲み終えることが望ましいです。
元気な毎日を過ごせるように、無理のない範囲で睡眠の「時間」と「質を上げるための3つのリズム」を整えることに取り組んでみてはいかがでしょうか。
<参考>
・ 厚生労働省「働く人の疲労蓄積度セルフチェック(働く人用)」