「最低でも1日7時間は睡眠時間を確保しましょう」
「睡眠は心と体のメンテナンスに不可欠です」
睡眠が大切であることは、これまでさまざまな文献から唱えられてきました。
最近では「睡眠負債」という言葉もメディアで取り上げられ、睡眠不足が心身へ及ぼす影響の大きさが話題になっています。
睡眠に関しては、本人の管理によって左右される部分が大きいと考える方が多いかもしれませんが、社員の睡眠不足の原因は、実は会社が作り出している可能性があります。
睡眠不足の社員が多い会社は、今すぐにでも睡眠不足の改善に向けて取り組むことをお勧めします。
なぜなら、社員の睡眠不足を改善することによって得られる会社のメリットは大きいからです。
睡眠不足による経済損失は約3.5兆円
睡眠不足の改善に向けて取り組むことをお勧めする理由の1つに、睡眠不足による経済損失の大きさがあります。
有名な調査結果ではありますが、日本大学精神神経医学教授の内山真医師によると、睡眠不足による年間の経済損失は約3.5兆円にのぼるといわれています。
これは、睡眠不足による欠勤・遅刻・事故等が関係した数字となっています。
睡眠は、疲労回復、脳の休息、免疫力アップ等、身体にとって必要なものです。
お金に換算してみると、睡眠の重要性がわかりますね。
睡眠不足改善で、仕事の効率アップが期待できます
睡眠不足の改善に向けて取り組むことをお勧めする理由の2つ目として、社員の仕事効率アップを期待できることがあります。
あなたの会社で「仕事の効率が悪くなった」と感じる社員はいますか。
もしかすると、睡眠不足が原因で、仕事の効率が低下しているのかもしれません。
日本睡眠学会の研究では、睡眠時間の短さが作業に影響を及ぼすことがわかっています。
6時間睡眠の人は飲酒状態と同じという研究結果があることからも、その作業効率の低下ぶりは明らかです。
言い換えれば、睡眠不足を改善するだけで、仕事の効率がアップするということですね。
睡眠不足の背景を考える
社員が睡眠不足を抱えている会社の背景には、「長時間労働」「セルフケアの不足」等があることが考えられます。
仕事、自由時間、睡眠時間がバランスよく整っている状態が理想的といえるでしょう。
もし、あなたの会社で睡眠不足があるとすれば、何らかの問題があると考えることができます。
社員が睡眠不足にならないために
① 時間外・休日労働時間の削減
たとえば、時間外・休日労働時間を45時間/月以下とするよう努めるなど、働き方を見直してみましょう。
② 年次有給休暇の取得促進
物理的にも心理的にも仕事から離れることにより、疲労が回復しやすいといわれています。
社員が有給休暇を取得し、心身ともに回復した状態で仕事に臨めるようサポートしましょう。
③ 社員の健康管理に係る措置を徹底する
健康診断やストレスチェックの他、健康管理に関する研修の実施等を行い社員の健康管理意識を高めるための措置を心がけましょう。
睡眠に関する正しい知識や睡眠の重要性を知ることも、社員のセルフケア能力を高める重要な投資です。
入社時(雇入時)の安全衛生教育や、メンタルヘルス対策の一環としても、社員が睡眠管理を学ぶことは非常に有効かつ取り入れやすい方法です。
ドクタートラストでは、保健師によるセミナーサービスがございます。
睡眠に関するプログラムもございますので、ご興味のある方は、ぜひ弊社までご連絡くださいませ。
社員の健康のために会社が投資することは、将来大きなリターンとなります。
今回ご案内しました睡眠管理につきまして、あなたの会社でもできるところから始めてみませんか。
【参考文献】
内山 真. 睡眠障害の社会生活に及ぼす影響と経済損失. 日本精神科病院協会雑誌.. 31(11)=373:2012.11. 1163-1169 ISSN 1347-4103