10月7日の夜に東京都と埼玉県で最大震度5強を観測した地震は皆さんの記憶に新しいのではないでしょうか?
2011年3月11日の東日本大震災以来の震度5強で、私も大震災当時を思い出しました。
今回の地震は、震度4の地域も多かったものの、交通機関の乱れや停電・断水などが起こり、皆さんの生活に影響を及ぼしました。
また、今回の地震では、物の落下や電車の脱線などによって怪我をされた方も多くいましたね。
災害によって思わぬ怪我にあった時、みなさんは落ち着いて処置ができますか?
落ち着いて対処できるかどうかは、事前の知識の有無で決まると言っても過言ではありません。
今回はそんな災害時の応急処置についてお伝えします。
もちろん普段の生活の中でも覚えておいてほしい知識ですので、一緒にチェックしていきましょう!
応急手当の重要性と災害時の怪我や病気
災害時は、救急車を呼ぶことができなかったり、呼ぶことはできても到着に時間がかかったり、医療機関が混雑し処置まで時間がかかることがあります。
ですので、適切な処置が怪我などの悪化防止やその後の状態の回復、傷病者の苦痛の軽減などに重要な役割を果たします。
地震 | 落下物による出血、打撲、骨折、出火によるやけどなど |
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台風 | 落下物や飛散物、転倒による出血・打撲・転倒など |
洪水などの水害 | 長時間水につかることによる低体温症、がれきなどによる怪我、水害現場や復旧作業、避難所での感染症など |
応急処置の方法
今回は、いずれの災害でも起こる可能性がある出血の際の応急処置をお伝えします。
◆出血している場合◆
止血の基本は、出血箇所への圧迫です。
直接圧迫して止血を行います。
感染予防のため、手袋やビニール袋を着用して行いましょう!
まず初めに、傷口に異物が残っていないか出血部位を確認します。
きれいなガーゼやハンカチ、タオルを用意し、出血部位に当てて圧迫します。
このとき、圧迫が弱いと止血できません。
包帯があるときは、布の上から巻いて保護します。
ほとんどの出血は、この方法で止血することができますが、圧迫したにも関わらず血が滲み出る場合は、圧迫している部分の上にさらにガーゼやタオルなどを重ねて圧迫して止血します。
これでも止血しない場合は、医療従事者などが間接圧迫法や止血帯法という方法で止血を行います。
なお、体にガラスなどの異物が刺さっている場合は、異物を抜くとさらに出血する可能性もありますので、無理に抜かないようにしてください。
◆擦り傷や切り傷◆
皮膚の表面が損傷を受けた場合ですが、転倒などによる擦り傷など、日常生活でもよくある怪我ですので、応急処置を知っておくと安心です。
まず、汚れや砂などがついていると化膿の原因になるので、傷口を水であらいます。
その後、傷口を抑えて止血し、傷口を防水フィルム(絆創膏など)で固定します。
傷口をぴったり覆うことで傷の治りが早くなります。
傷口の消毒は、傷口を直そうとする皮膚に悪影響を及ぼすことがあります。
感染のおそれがある傷や深く切った傷、止血できない傷などの場合は、すぐに医療機関を受診してくださいね。
職場の安全対策も忘れずに
地震などによる落下物や避難時の転倒など、災害時思わぬ怪我をしてしまうこともあります。
普段の職場巡視で、棚などの固定状況や、フロアに躓きや転倒しやすい箇所がないかなどを必ず確認してください。
日頃の備えが大きな事故を防ぐために大切です。
また、防災訓練、応急手当の講習など、社員への周知や教育を忘れずに行いましょう!
<参考資料>
・ 日本予防医学協会「企業における洪水被害に対する健康管理ガイドブック」
・ 東京防災救急協会「応急手当普及員講習テキスト」
・ 横田裕行監修「命をまもる、救える!応急手当〔イラスト図解〕事典」