10秒間、まばたき我慢できますか?
この記事をご覧になっている方は、PCやスマートフォンを日常的に使っていると思います。
まずは10秒間、まばたきせずに目を開けてみてください。
……いかがでしたでしょうか?
10秒間目を開けていられなかった方は、「ドライアイ」の可能性があります。
ドライアイってなに?
ドライアイというと、単に「目が乾いた状態」と思う方が多いと思います。
ドライアイの定義は、以下です。
ドライアイとは、さまざまな要因による涙液および角結膜上皮の慢性疾患であり、眼不快感や視機能異常を伴う
つまり、ドライアイとは、単に目が乾いた状態ではなく、「慢性疾患」なのです。
ドライアイの原因は多岐にわたりますが、オフィスの乾いた空気や、長時間のパソコンやスマートフォンの使用によってまばたきが減ることも大きな要因の1つです。
オフィスでドライアイを抱える人の割合は、6割を超えると言われています。
ドライアイは、目の痛みや視力の低下を引き起こすだけでなく、仕事の生産性も下げることがわかっており、個人だけでなく企業としての対策も求められています。
※企業で衛生委員会などに活用できる資料も、無料でダウンロードすることができます。
ドライアイ研究会 http://www.dryeye.ne.jp/index.html
オフィスワーカーや産業医向け ドライアイに関する資料
コンタクトレンズ使用者は特に注意!「角膜上皮剥離」とは…
ドライアイを放置すると、どうなるのでしょうか。
まず、ドライアイを放置しながら目を酷使し続けると、視力の低下が起こります。
さらに、ドライアイになると、角膜と呼ばれる目の表面の膜が乾燥し、少しの刺激ではがれやすくなってしまいます。
これが角膜上皮剥離(かくまくじょうひはくり)と呼ばれる状態です。
特にコンタクトレンズを使用している場合は、レンズをつけたり外したりする際に、角膜がはがれ、目の表面を傷つけてしまう機会が増えるので、注意が必要です。
角膜の表面に傷がつくと、目の充血や痛みを感じ、1週間程度はコンタクトレンズの使用ができなくなります。
無理をして使い続けると、「再発性角膜上皮剥離(さいはつせい かくまくじょうひはくり)」と呼ばれる事態になり、こうなると痛みもひどく、治療も長期間に及びます。
コンタクトレンズの使用は当面できず、点眼薬や軟膏を使いながら、眼帯で目を休ませるような生活が必要になることもあります。
そうなると、仕事だけでなく、日常生活にも大きな支障をきたすことになってしまいます。
ドライアイの予防法
・セルフケア
ドライアイをまだ発症していない場合、もしくは症状がさほど強くない場合は、セルフケアで改善が見込めます。
長時間のパソコン作業をしていると、まばたきの数が普段の1/4程度になります。
30分に1回は画面から目を離し、意識的にまばたきをしたり、目薬を差すようにしましょう。
また、パソコンの画面を少し下の方にすることで、自然と伏し目がちになり、涙の蒸発を防ぐことができます。
・食事
ドライアイを防ぐために効果的な栄養素は、ビタミンA、ビタミンB、アントシアニン(色素)などがあります。
特にアントシアニンは、ブルーベリーに含まれることで知られており、眼の疲労軽減に役立ちます。
ビタミンAはにんじん、豚レバー、ほうれん草などに多く、ビタミンBは納豆、豚肉、枝豆などに多く含まれます。
日頃から目を酷使されている方は、積極的に上記の豚肉や枝豆、納豆などを食べるようにすると良いでしょう。
・眼科での相談
既に目の乾き、異物感、かすみ、痛みなどが出ている場合は、一度眼科で相談をしてみましょう。
症状が強く、目薬だけで改善しない場合は、涙腺プラグといって、涙の排出口をふさぎ、目に涙をためられるような治療法もあります。
目の病気が進むと、せっかくの休日にコンタクトレンズが使用できなくなったり、仕事中も必要以上に疲労感を感じたりと、日常生活がとても不便になります。
「あれ?おかしいな?」と感じたら、早めに対策を取りたいですね。