皆さんこんにちは。
保健師の北原です。
夏も終わり、いよいよ秋を迎えますね。
涼しくなって過ごしやすくはなりましたが、これから猛威を振るうのがインフルエンザをはじめとする感染症です。
この感染症対策に有効とされているのが、タイトルにもある手指消毒剤で、実際に設置しているオフィスも多いと思いますが、その手指消毒剤、本当に使えるものでしょうか?
手指消毒剤には使用期限があります!
衛生管理者の皆さんは、定期的に救急箱の点検をしていただいているかと思います。
薬だけでなく手指消毒剤にも使用期限があるため、点検の必要があります。
一般的に未開封であれば製造後3年、開封後は半年から1年を目途になるべく早く使い切ることが望ましいとされています。
詳しい使用期限は購入されている手指消毒剤の製造元へお問い合わせください。
実際にさまざまな企業の職場巡視へ同行させていただくと、救急箱の点検はきちんとできているのに、手指消毒剤は長期間置きっぱなしにされていて使用期限が切れていたということが少なくありません。
使用期限が切れた手指消毒剤を使うと……
使用期限の切れた手指消毒剤を使うとどうなるのでしょうか?
・ 有効な成分の濃度が下がる
使用期限を過ぎると、手指消毒剤に含まれる有効成分の濃度が低下します。
その結果、正しく使用しても充分な手指消毒効果を得ることができず、感染症対策に役立たない可能性があります。
・ 汚染の危険性がある
長期間の使用によって、空気中のチリやホコリ・微生物などが混入し、手指消毒剤では不活化できない耐久性の高い芽胞による汚染を受ける可能性があります。
汚染された手指消毒剤を使うことは、かえって危険です。
汚染を防ぐために、交換の際は同じ容器への継ぎ足しを避け、容器ごと新しいものと交換していただくことが望ましいです。
どのように点検したらよい?
まず確認しなければいけないのが、製造元で定められている使用期限です。
容器に記載されているものが多いので、きちんと確認するようにしてください。
また、開封後の使用期限を守るために、開封日を把握しておく必要があります。
開封時には容器のわかりやすい箇所に年月日を書き込んでおくとよいでしょう。
使用期限を過ぎたものはもちろん、開封後半年から1年を過ぎたものは破棄し、新しいものと交換することが望ましいです。
さらに、手指消毒剤の中に異物が混入していないか、容器の注ぎ口付近に汚れはないか、定期的に確認し、異変があれば新しいものと交換することをおすすめします。
また点検も大切ですが、従業員が少ないわけでもないのに長期間手指消毒剤がなくならないというオフィスでは、適切に使用できていない可能性があります。
設置していても誰も使っていなければ、当然ですが感染症対策の効果はありません。
設置場所は適切か、従業員への手指消毒のタイミング、方法などの指導はきちんとできているか、見直す必要があるでしょう。
感染症対策についてお困りの際は、お気軽にご相談ください!