食中毒予防は、つけない!増やさない!やっつける!

食中毒予防は、つけない!増やさない!やっつける!

細菌が原因となる食中毒は夏場に多く発生します。
その原因となる細菌の代表的なものは、腸管出血性大腸菌(O157、O111など)やカンピロバクター、サルモネラ属菌などです。
食中毒を引き起こす細菌の多くは、室温(約20℃)で活発に増殖し始め、人間や動物の体温ぐらいの温度で増殖のスピードが最も速くなります。
たとえば、O157やO111などの場合は、7~8℃ぐらいから増殖し始め、35~40℃で最も増殖が活発になります。

家庭内での食中毒に要注意

食中毒は、飲食店などの外食で発生しているだけでなく、家庭でも発生します。
家庭内で食中毒に感染し、それを職場に広げてしまわないよう注意も必要です。
家庭における食中毒は、症状が軽かったり、家族全員に必ずしも症状が出るわけではないため、食中毒と認識されないケースも少なくありません。
きれいにしているキッチンでも、食中毒の原因となる細菌やウイルスがまったくいないとは限りません。
食器用スポンジやふきん、シンク、まな板などは、細菌が付着・増殖したり、ウイルスが付着しやすい場所と言われています。
厚生労働省の統計では、家庭での食中毒の発生件数は全体の1割程度となっていますが、実際にはもっと多く発生していると推測されます。家庭にも食中毒の危険が潜んでいるのです。

食中毒の予防方法

食中毒は、その原因となる細菌やウイルス食べ物や調理者・食べる人の手などに付着し、体内へ侵入することによって引き起こされます。
また、細菌やウイルスが生み出した毒素が原因となることもあります。
食中毒を防ぐためには、細菌の場合は、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3つが原則となります。

「つけない」 洗う!分ける

手にはさまざまな雑菌が付着しています。食中毒の原因菌やウイルスを食べ物に付けないように、次のようなときは、必ず手を洗いましょう。

  • 調理を始める前
  • 生の肉や魚、卵などを取り扱う前後
  • 調理の途中で、トイレに行ったり、鼻をかんだりした後
  • おむつを交換したり、動物に触れたりした後
  • 食卓につく前
  • 残った食品を扱う前

「増やさない」 低温で保存する

細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃以下では増殖が停止します。
食べ物に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。
肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは、購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。
なお、冷蔵庫に入れても、細菌はゆっくりと増殖しますので、冷蔵庫を過信せず、早めに食べることが大事です。

「やっつける」 加熱処理

多くの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全です(黄色ブドウ球菌が作る毒素(エンテロトキシン)やセレウス菌など、耐熱性が非常に高いものも存在します)。
特に肉料理は中心までよく加熱することが大事です。
中心部を75℃で1分以上加熱することが目安です。
ふきんやまな板、包丁などの調理器具にも、細菌やウイルスが付着します。
特に肉や魚、卵などを使った後の調理器具は、洗剤でよく洗ってから、熱湯をかけて殺菌しましょう。
台所用殺菌剤の使用も効果的です。

夏場は食中毒の多く発生しやすい季節です。
家庭内でも注意して、感染が広がらないように注意いたしましょう。
また、嘔吐や下痢の症状は、原因物質を排除しようという体の防御反応です。
もしそういった症状が発症した場合は、早めに医師の診断を受けましょう。

以下、産業保健新聞掲載の「お弁当による食中毒にご注意!」も参考にして下さい。

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檜森 哲株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

総務・経理業務の経験から、企業の労働環境を向上できるような記事やトピックをお伝えしていきます。また、昨今の働き方改革に伴う業務効率化についても積極的に情報を発信していきたいと思います。
【保有資格】第一種衛生管理者
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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