「怖い夢をみて起きた」
「悪夢にうなされた」
このような経験を誰しもが一度はしたことがあるのではないでしょうか。
そもそも夢というものは、小さいころはよく見るものの、大人になるとその頻度は下がります。
また、怖い夢は見る分には問題ないものの、頻繁な場合は、心に何らかの負荷がかかり過ぎているサインです。
今回は悪夢を見る自分の状態や、怖い夢の回数を減らすためにおすすめの方法をご紹介します。
悪い夢を見ている自分の状態とは?
睡眠には「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の2種類あり、通常私たちが起きた時に覚えている夢は、目覚める直前に見ていた「レム睡眠」の内容です。
■レム睡眠=体は寝ているけれど、脳は起きている状態
■ノンレム睡=脳は休んでいて、体は筋肉の緊張が保たれている状態
レム睡眠時は、今まで見聞きしてきた情報の整理や記憶の定着が行われています。基本的にテレビやスマホ、本で知った情報、日中の考えや感情などを含めた日ごろの自身の体験が反映されます。
そして、悪夢はその中でも怖い体験や心配事、悩み、プレッシャーなど、何らかのストレスなどが自分の中で多いと、夢として出てきやすくなるのです。
《豆知識》
私たちが時折見る現実では起こりえない怖い夢は、日ごろから得た情報を組み合わせたもので、自身の心の状態を知るヒントとなります。
誰でも必ず夢は見ている
人によっては、「最近は夢を見なくなった」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実は人間は誰しもが毎晩夢を見ています。夢を覚えていない理由は主として以下の2つです。
●理由1
寝ている間に私たちは「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」のサイクルを一晩で4~5回ほど繰り返しており、レム睡眠の後にノンレム睡眠に入ると、直前のレム睡眠で見た夢を忘れるようになっています。
夢を覚えている時は、レム睡眠のあとに起きた可能性が高いです。
●理由2
夢を見ている時は起きている時とくらべて、記憶を固定する神経伝達物質があまり出なくなるため、寝ている時は見た夢を記憶として残しておくことが難しく、悪夢のように印象に残っている内容は覚えているということが多いです。
怖い夢を見ない方法
悪夢を見る背景には日常生活でのストレスや不安等の他にも、心の病気を抱えている可能性があります。
その代表的なもののひとつとして「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」が挙げられ、その場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。
PTSDとは
生死に関わるような強い体験や、事故や虐待などによって強い精神的衝撃を受けた体験によって、時間が経過しても当時の様子がフラッシュバックしてしまい、不安や緊張を感じ続けてしまう病気です。
過去に受けた強い精神的衝撃な体験による悪夢を繰り返して見て苦しんでいるようでしたら早めに医療機関(精神科や心療内科)へ相談するようにしましょう。
悪夢の原因が日ごろのストレスによるものである場合は、自分の心身の状態と向き合いながら、ストレスが過度にたまりすぎないよう、自分に合ったストレスの解消法を見つけて、日々の習慣として取り入れていくことが大切です。
ストレス解消に役立つ方法
- 親しい人といい時間を過ごす
- 仕事に関係のない趣味をする
- 自分の気持ちを紙に書く
- 深呼吸で自立神経のバランスを整える
- お風呂にゆっくりとつかる
- 好きな音楽を聴く
- 適度な運動をする
また、寝る前に考えていたことなどの情報が脳の記憶として残りやすく、その日の夢に影響を与えやすいです。
布団に入ってから1日の行動を振り返って反省したり、翌日の心配をしたりと、仕事やプライベートのことなどで色々と考えすぎてしまうと、それが悪夢を見る引き金になる可能性があるからです。
布団に入った際は、なるべくネガティブな思考を持ち込まないようにしましょう。
毎日誰もが見ている夢は、日常生活での出来事や脳に蓄積した情報を整理する役割がある一方で、内容によっては心や体から不調を訴えるメッセージとして捉えることもできます。
怖い夢を見た際は、自分の心身に耳を傾けてみたり、リラックスする時間を意識的に増やしたり、日々の中で設けてみてはいかがでしょうか。