メンタルヘルス対策へ取り組む企業が増加傾向にあります。
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合が現在60%程度であることに対し、2020年までに80%以上にするという目標数値も政府から出てきています。
わたしもセミナー講師として、メンタルヘルスの研修を行っているのですが、会社に言われてではなく、自分自身の健康に関心を持って参加する人も増えてきているように感じています。
身体の健康を考えて、最近では糖質制限やクロスフィットなどが流行っていますよね。
ダイエット目的だけではない、健康志向が高まってきています。
精神の健康も同様です。
不調者への事後対応から、メンタルヘルス不調予防やメンタルヘルスの向上にシフトしていっており、いかに健康的に働くか、パフォーマンスを上げていくかに重きが置かれ始めています。
ストレス社会と言われる現代で、ストレスをなくすことは難しく、いかにうまく付き合っていくかが重要です。
今日はセルフケアセミナーで参加者の多くが関心を持ってくれた「メタ認知」についてわかりやすくご説明します。
突然ですが、みなさんは自身に起きる出来事に対して、どんな受け取り方をしていますか?
人は感情を持つ生物ですから、出来事によっては悲しいとか嬉しいとか、腹が立つとか、さまざまな気持ちを持つでしょう。
主観のない人間はいませんし、自然と生まれてくる感情はどうしようもありません。
昔の人もやっていた?
メタ認知で重要なのは、その感情の背景を正しく認知することです。
認知を認知する、なんて言われたります。
認知を認知するというと、やや哲学めいた言葉に思えますが、ソクラテスの説く「無知の知」もメタ認知として捉えることができます。
無知な自分を自覚している。この客観的な目線がメタ認知(思考)といえるでしょう。
そう、メタ認知とは主観の自分を客観的に見ることのできる能力のことです。
メタというのは「高次の」という意味を持ち、一段高いところから主観的な自分の認知を見下ろしているような状態です。
どう認知していくのか
仕事の場面でみてみましょう。
「上司に怒られた」(出来事)
「腹が立つ」(主観)
↑
客観視
「なぜ、腹が立つのか」(メタ認知)
この「なぜ」の部分を解き明かしていくことが、ストレス解消や自分を納得させる近道になります。
「上司に怒られた」(出来事)
「腹が立つ」(主観)
↑
客観視
「なぜ、腹が立つのか」(メタ認知)
↑
出来事や感情を分析する
「〇〇だから腹が立ったんだ」
「では、次に自分はどうしたらいいか?」
「確かに自分にも非があった」(メタ思考)
このような流れで感情の落としどころを見つけていき、改善するべきところは変えていくなどポジティブな思考へも転換していくこどができます。
さらにストレスとなる出来事や条件を認知することで、今後うまく回避していくことも可能です。
また、人は主観的な思い込みによって、ストレスを溜めていく場合もあります。
「上司に怒られた」(出来事)
「わたしが嫌いなんだ」(主観)
↑
客観視
「それは事実か?」(メタ認知)
↑
出来事を分析していく
客観視することを意識付けていけば、マイナスな思い込みによるストレスダメージも減らしていけるでしょう。
お勧めの方法は、まずは紙に書くことです。
セルフモニタリングで分析を重ねれば、自然と身に付いていきます。
メタ認知を普段使いしよう
メタ認知はメンタルヘルスケアだけでなく、対人関係や仕事にもプラスの影響を与えてくれるものです。
一段高いところから自分を見下ろすことができるようになれば、自分がどう立ち振る舞っていけばいいかもわかってくるのではないでしょうか。
メタ認知、研修に取り入れるなどして、ぜひお試しください!