「風邪が長引いている」と思ったら春バテかも|自律神経・花粉・環境変化が重なる4月の不調

春になるとなぜ不調が増えるのか?「春バテ」とは

春は暖かくなり、気分も前向きになりやすい季節です。
しかし実際の職場では、「なんとなく体が重い」「朝すっきり起きられない」「頭がぼんやりする」といった声が増える時期でもあります。
こうした春特有の体調不良は、近年「春バテ」と呼ばれています。医学的な正式病名ではありませんが、職場の健康管理において見過ごせない問題です。
主な原因は、自律神経の乱れと考えられています。
春先は1日の寒暖差が大きく、朝晩は冷え込み、日中は汗ばむこともあります。
体は血管の収縮や発汗を調整して体温を保とうとしますが、その調整が続くことで疲労が蓄積します。
その結果、倦怠感や頭痛、肩こり、胃腸の不調などが現れます。
さらに4月は、入社や異動、部署変更など環境変化が集中する時期です。
慣れない業務や人間関係は想像以上にエネルギーを使います。無意識の緊張状態が続くと、交感神経が優位になり、睡眠の質が低下します。
こうした身体的・心理的ストレスが重なることが春バテの背景にあると考えられます。
加えて、春は花粉の時期でもあります。
特にスギやヒノキの花粉は多くの人に症状を引き起こします。
鼻水やくしゃみだけでなく、炎症反応によるだるさや集中力低下もみられます。
「風邪が長引いている」と思っていたら花粉症だったというケースも少なくありません。

職場で見逃しやすい春バテのサイン

春バテは重い病気ではないことが多いものの、放置すると仕事のパフォーマンス低下につながります。
たとえば、集中力の低下や判断ミスの増加、遅刻や欠勤の増加などがみられることがあります。
特に新入社員や異動直後の従業員は、慣れない環境で無理をしやすい傾向があります。
管理職も例外ではありません。
組織変更や人員配置の調整などで責任が増し、自身の体調管理が後回しになりがちです。
睡眠不足が続くと感情コントロールが難しくなり、職場のコミュニケーションにも影響が出ます。
また、春でもインフルエンザが流行する年があります。
体力が落ちていると感染症にもかかりやすくなります。
軽い不調であっても、背景に季節要因があることを理解し、早めに対策することが重要です。
近年はテレワークの影響で、日光を浴びる時間が減少している人もいます。
朝の光は体内時計を整える大切な役割を持っています。
光不足は睡眠リズムを乱し、春バテを長引かせる要因になります。

春バテを防ぐためには

春バテ対策は「自律神経を整える」「生活リズムを安定させる」「環境ストレスを軽減する」という三本柱で考えることが有効です。
第一に、朝の光を浴びる習慣づくりです。出勤時に5〜15分程度屋外を歩くだけでも体内時計のリセットに役立ちます。
テレワークの場合も、始業前にベランダや屋外で光を浴びることを習慣付けると良いでしょう。
加えて、ぬるめ(38〜40度)の入浴は副交感神経を優位にし、睡眠の質を高めます。
第二に、寒暖差対策です。重ね着を活用し、体温調整をこまめに行うことが重要です。
特に首・手首・足首を冷やさない工夫は有効です。
オフィス環境では空調設定の見直しやブランケットの活用も現実的な対策です。
第三に、心理的安全性の確保です。
新年度はコミュニケーションの質が重要になります。
上司による定期的な声かけや1on1面談は、早期の不調把握につながります。
産業医や保健師への相談窓口を周知することも予防策となります。
さらに、花粉症対策も欠かせません。内服薬の適切な使用や職場内の空気清浄対策は、生産性維持に直結します。
眠気を生じにくい薬剤選択について医療機関に相談することも一案です。

春バテ対策セルフチェックリスト

・ 朝起きたらカーテンを開け、日光を浴びる
・ ぬるめ(38~40度)のお湯にゆっくり浸かる
・ 重ね着で寒暖差に対応する
・ 軽いストレッチや散歩を習慣にする
・ 寝る前のスマートフォン使用を控える
・ 花粉症がある場合は早めに対策する

職場としては、声かけや面談の機会を増やすことも有効です。
「最近どうですか」といった一言が、不調の早期発見につながります。
春バテは一時的な不調であることが多いですが、背景には自律神経の乱れや環境ストレスがあります。
季節の変わり目は誰にでも負担がかかります。
無理をせず、少し立ち止まって体調を整えることが、長く健康に働くための第一歩です。

<参考>
・ 全国健康保健協会「春に増えるメンタル不調を防ぐには」
・ 環境省、厚生労働省「スギ花粉症について日常生活でできること(PDF)」
・ 厚生労働省「快眠と生活習慣」

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小川 るい株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

総合病院のHCUで看護師として働いていました。病院で患者さまと関わっていく中で、予防的観点から早期に健康のサポートがしたい、働き世代の健康寿命を延ばしたいと志し、ドクタートラストに入社。
日々健康に関する情報を発信していきます。
【保有資格】保健師、看護師、第一種衛生管理者
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
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