食後のトゲにご注意。血糖値スパイクってなに?

皆さんは、血糖値スパイクという言葉を聞いたことがありますか?
あまり馴染みのない言葉かと思います。
食後に、眠気・だるさ・頭痛がある方は血糖値スパイクを起こしているかもしれません。

血糖値スパイクとは?

血糖値スパイクとは、普段の健康診断の結果では糖代謝の値が正常値であるが、食事を食べた後の血糖値は急上昇し、その後急下降する状態のことを指します。
血糖値をグラフで表したときに、「スパイク」のように突出して上昇しているため「血糖値スパイク」といわれています。

出所:イラストAC

血糖値スパイクはなぜよくない?

血糖値スパイクが長期間続くとどうなるかを解説します。

血管損傷による動脈硬化

血糖値の変動する幅が大きいと、血管を傷つけて動脈硬化を起こします。
放置していると糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞を招くおそれがあります。

自律神経の乱れ

血糖値の上昇と下降のふり幅が大きくなると、交感神経が刺激され自律神経の乱れの原因となります。

隠れ糖尿病のリスク

隠れ糖尿病は、空腹時血糖値は正常値であるが、食後血糖値が急上昇し急降下してから正常値に戻ることを指します。
普段の健康診断は、空腹時の血糖値を測定するため発見しにくいです。
隠れ糖尿病を発見するには、食後2時間の血糖値やHbA1c(過去1~2カ月の血糖の平均値)の値をチェックすることが大切です。

血糖値スパイクを予防しよう!

欠食せず3食食べる

特に社会人は、朝忙しく時間がないため朝食を抜く方が多いです。
朝食を抜いた状態でお昼ご飯を食べると、血糖が低い状態から一気に食事を取ることで血糖値が急激に上がり「血糖値スパイク」を起こします。
急激に上がった血糖値は、急激に下がることで眠気・だるさ・頭痛などの症状を引き起こします。
これが、長期間続くことによって血管を傷つけ動脈硬化を起こします。
食後の血糖値を急上昇急降下させないためにも、3食規則正しく食べることが大切です。

間食しない

3食の食事以外で間食をすると、血糖値が高いままで続き、常にインスリンを分泌している状態となり膵臓に負担が掛かります。
膵臓に負担が掛かると、徐々にインスリン分泌が弱まり糖尿病リスクが高まります。
なるべく3食しっかり食べて間食はしないようにしましょう。
もし間食をする際は、サラダチキンやプロテインドリンク、ゆで卵、チーズ、スルメなどがお勧めです。
タンパク質が含まれているものは筋肉を作るのに必要となり、基礎代謝を高めます。また咀嚼回数の多いものは、少量でも満腹感を得られます。

食物繊維を意識して取ろう

食物繊維には、糖の吸収を緩やかにし、食後の血糖値を急激に上昇させるのを防ぐ効果があります。
特に、水溶性食物繊維(昆布、ワカメ、オートミール、納豆など)が糖の吸収を緩やかにするため意識して取りましょう。

炭水化物や糖質に偏らないようバランスよく食べる

一品料理になりがちですが、炭水化物(ご飯・パンなど)や糖質(甘いお菓子など)の多い食事に偏ると、食後の血糖値が急激に上がりやすくなります。
なるべく、野菜やたんぱく質を含めたバランスの良い食事を心掛けるようにしましょう。
たとえば、外食の際は定食など品数の多いものを意識して選ぶことで、バランスの良い食事に繋げることができます。

運動をする

有酸素運動には、インスリン効果を上げて血糖値の上昇を緩和させます。
運動をすることで、体の中で糖質の利用が進み血糖値を低下させることも期待できます。
また同時に、筋力トレーニングをすることにより、筋肉量が増加することで糖の吸収と消費量が上がり、血糖値のコントロールがしやすくなります。
まずは、ウォーキングやスクワットなどの軽めの運動から始めてみましょう。
(※持病のある方は、かかりつけ医にご相談のうえで運動を行ってください)

最初から全てを実施するのは難しいと思います。
将来の自分の健康のためにも、何かひとつ、できることから意識してやっていきましょう!

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小川 るい株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

総合病院のHCUで看護師として働いていました。病院で患者さまと関わっていく中で、予防的観点から早期に健康のサポートがしたい、働き世代の健康寿命を延ばしたいと志し、ドクタートラストに入社。
日々健康に関する情報を発信していきます。
【保有資格】保健師、看護師、第一種衛生管理者
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
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