こんにちは、産業カウンセラーの田野です。
年も明けて皆さんも段々とお正月ムードから心機一転、お仕事スイッチに切り替わってきているころでしょうか。
今日は「問題解決行動」についてお話してみようと思います。
私もそうですが、組織における日々の活動というものは、次々に生じる問題をいかに効果的に処理するかの連続だと思います。
この問題について定義をつけるとしたら「目標と現状のギャップであり解決すべき事柄」としましょうか。
その解決行動を起こすためにはどうすれば効率が良いのかを皆さんにも共有させていただければと思います。
問題解決を行う際の効率的なステップ
問題解決を行う際は一般的には下記のステップを踏めばよいといわれています。
1 問題の発生と認知:何が問題かを認識し確定する
2 問題の構造の分析:その問題に関わる情報を収集して要因(または原因)を整理し、因果関係などの構造を明らかにする
3 対応策の創造と評価:問題の構造から考えて、どうすれば解決するか複数の方策を考え、それぞれの有効性を評価する
4 対応策の計画立案と実行:対応策をどのような手順でいつまでに実行するかを考え、行動に移す
5 実行結果の評価と修正:実行の結果、問題が解決されたかどうかを評価し、不十分であれば2に戻り、再度解決に取り組む
各ステップでの行動は、主に以下によって規定されることになります。
・ 状況の不確実性、複雑性
・ その問題解決の目的を何におくのか
・ 取り組む個人やチームの認知的能力(知識・価値 観など)
・ 情報処理能力(収集・整理・分析力など)
・ 正確さ、正当性、労力、葛藤回避についての要求水準
・ リスクテイキングの程度、行動力(決断・実 行・協働力など)
意思決定行動
問題解決行動の過程では、個人でもチームにしろ、何らかの選択や決断をしなければなりません。
理想的には、あらゆる状況の情報を集め、矛盾しない、いわゆる一貫した選択基準をもつこと。
そして、複数の明確な対応策とその結果の予測の知識をもち、その選択基準によって対応策の是非を客観的に評価し決定するやり方(規範主義モデル)です。
しかし、状況は刻々変化し、人間の価値観や感情も変わるので、現実的に「規範主義モデル」はほぼ不可能だと考えられるため、以下の2つが求められることになります。
・ 決定過程のさまざまな努力のコストと決定の質とのバランスで満足水準を求め対応策を決めるやり方(満足主義モデル)
・ 不透明・不十分な情報を前提に現状より少しでも「まし」になる対応策を決めるやり方(増分主義モデル)
その時々で使い分けることが重要
何にせよ、問題解決を行う際には基本を忠実にしつつも、規範主義になるべきなのか、それとも満足主義になるべきなのか、その時々で状況をしっかりと見極めたうえでマッチさせることが重要になります。
皆さんの日々になかでもご参考にしていただけると幸いです。