労働生産性が最も向上した業種は宿泊業~日本生産性本部の2021年調査からわかるもの~

生産性とは、要素がどれだけ効率的に使われたか示すもの

公益財団法人日本生産性本部は、2021年度の日本の労働者の労働生産性について、時間別・作業別に過去との経年比較を公表しました。
生産性とは、あるもの(成果)を生み出すにあたり、生産諸要素(設備、材料費、ヒト等)がどれだけ効率的に使われたかを表す指標であり、一般的には下記の計算式で算出されます。

生産性=産出(output)÷投入(input)

労働生産性は、「労働投入量1単位当たりの産出量・産出額」として表され、労働者1人当たり、あるいは労働1時間当たりでどれだけ成果を生み出したかを示すものです。

具体的には、下記が該当します。

<物的生産性:生産するものの大きさや重さ、あるいは個数などといった物量が単位>
・ 労働生産性(一人当たり):生産量÷労働者数
・ 労働生産性(1時間当たり):生産量÷(労働者数×労働時間)
・ 資本生産性:生産量÷資本ストック量
<付加価値生産:生産額(売上高)から原材料費や外注加工費、機械の修繕費、動力費など外部から購入した費用を除いたもの>
・ 労働生産性(一人当たり):付加価値額÷労働者数
・ 労働生産性(1時間当たり):付加価値額÷(労働者数×労働時間)
・ 資本生産性:付加価値額÷資本ストック量

日本の労働生産性は少しずつ回復

上記を踏まえ、日本人の2021年度の度労働生産性を見てみると、一人当たりの労働生産性は、依然としてコロナの影響を受けながらも、大幅に落ち込んだ2020年度から少しずつ回復をしています。
具体的な数値でいうと、一人当たりの労働生産性は、808万円/年となり、2020年の805万円/年にくらべ上昇しました。
しかし、コロナ前の2019年度の生産性が821万円/年であることから、まだまだ日本人の労働生産性は、コロナ前の水準に戻っていないことがうかがえます。

産業別に見た労働生産性、最も上昇したのは宿泊業

次に、労働生産性の上昇率を産業別にみていきます。
まず、2021年度にて最も労働生産性が上昇した産業は、「宿泊業」でした。(+22.4%)
これは、外出自粛等の影響により、2020年度の宿泊業の業況が大幅に縮小されたことに起因します。
その他の業種で見てみると、生活関連サービス業・運輸業については労働生産性の向上が見られ、一方、飲食店や小売業では労働生産性が低下しています。

生産性向上に向けて

最後に生産性を高めるために、企業としてどういった取り組みが吹できるのかについて、記載をします。
よく用いられる方法として、業務の分析を通じたムダなプロセスの見直しや売り上げの向上を図る方法や、業務を効率化するための機器・システム・IT・AIを導入する方法、労働者一人ひとりの能力の向上を図る方法などいくつものアプローチの仕方があり、業種・職種や各企業によって取り組みやすい方法に違いがあります。
厚生労働省では、生産性の向上について助成金の活用等の手引きを公表しており、好事例の掲載もありますので、そういったものを参考にするのも、よいかもしれません。

厚生労働省「生産性向上のヒント集(PDF)」

少子高齢化により労働人口が減少している日本では、いかに一人ひとりの労働生産性を高められるかが、今後のカギとなってくるでしょう。
労働生産性を高めるためには、従業員が働きやすい物理的・心理的な環境を作ることも企業に求められるのかもしれませんね。

<参考>
公益財団法人日本労働生産性本部「日本の労働生産性動向2022」

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斎藤 樹株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

大学時代は、心理学を勉強し心の病になってしまった人が、もう一度社会にでるための支援などを学んできました。病気を未然に防ぎ、元気に働ける人を増やすお手伝いができればと考えています。一人でも多くの人が健康に働けることにつながる情報を発信できるよう頑張ります。
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