- Home
- ドクタートラストニュース
- メンタルヘルスに関する取り組みをしていますか?~「心の病」は20代で増加~
メンタルヘルスに関する取り組みをしていますか?~「心の病」は20代で増加~
- 2024/1/23
- ドクタートラストニュース
皆さんは、勤務先の従業員向けメンタルヘルス対策は十分だと感じていますか?
メンタルヘルスとは、心の健康状態を意味します。
心が軽い・やる気がわいてくるような気持が心が健康な状態であるとされています。
メンタルヘルスに関する取り組みでは、不調を未然に防ぐための「セルフケア」や、管理職が部下のメンタルヘルスをケアする「ラインケア」などの研修を実施してる企業も多いでしょう。
今回は、公益財団法人日本生産性本部のメンタル・ヘルス研究所が2002年から隔年で実施をしている「『メンタルヘルスの取り組み』に関する企業アンケート」調査結果をみていきます。
調査概要
本調査は、今年で11回目の実施です。
2023年7月7日~9月4日の期間で、上場企業2,847社の人事担当者を対象に、郵送・WEBにてアンケート配布がなされ、169社より有効な回答が得られました。
<質問の構成>
A.メンタルヘルスに関わる取り組み状況
B.「心の病」全般に関する状況
C.労働安全衛生法改正により義務化されたストレスチェック制度の取り組み状況
D.働き方改革・従業員の健康(ウェルビーイング)経営施策
E.組織状態について
F.会社について
若年層の心の病が急増?
「心の病」が最も多い年齢層について、2021年の調査までは、30代が4割弱と最も多く、次いで40代、20代でした。
しかし今回の調査では、最も心の病が多い年代が、10代~20代43.9%(2021:29.0%)で、2位の30代26.8%を大きく突き放す結果となりました。
今回の調査結果だけでは判断できないところもありますが、本調査を実施したメンタル・ヘルス研究所は、「コロナ禍で入社した若手層がテレワーク等で対人関係や仕事のスキルを十分に積み上げることができない中で、「5類」移行に伴う出社回帰の変化が大きなストレスになった可能性がある」と結論づけていました。
また、年代を無視した各企業の心の病についても、45%の企業が増加傾向があると回答したことからも、コロナ禍からの働き方や職場の変化に順応できるかどうかが、今後心の健康において重要になるでしょう。
ウェルビーイング向上に向けた取り組みとストレスチェック
近年、従業員が働く上での関心が高まっているのがウェルビーイング(健康、幸福、活力)です。
今回の調査で、ウェルビーイング向上のために現在取り組んでいる施策と今後取り組みたい施策について回答を求めたところ、現在取り組んでいることでは、「ハラスメント対策の推進」や「健康経営・健康増進施策の推進」など「守り」の施策回答が多く寄せられました。
一方、今後取り組んでいきたいこととしては「従業員エンゲージメント向上施策の充実」、「キャリア開発・リスキリングの促進」など「攻め」の回答が多くみられました。
また、企業の攻めの姿勢とも関係があるのか、従業員数50名以上の企業で年1回の実施が義務づけられている、ストレスチェックにおいても実施の目的が「法制義務化対応のため」である企業がいまだ多い状況ではあものの、「職場環境改善のため」や「従業員の活性化を図るため」など前向きな目的で実施をしている企業が増えていっていることがわかりました。
(ストレスチェックを提供する会社としては、うれしい限りです!)
現在多くの企業で人手不足や人材の流出が嘆かれる中で、今回の調査結果からもわかる通り、従業員の心・体・生活の豊かさ等、数多くの取り組みをしていく必要があるといえます。
<参考>
公益財団法人日本生産性本部「第11回「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果」