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自宅待機で見直したい「みんな同じ」というルール~人それぞれ課題が違うことを理解しよう~
- 2020/5/8
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突然の在宅勤務スタート
コロナウイルスの感染拡大防止のため、外出自粛が要請されています。
お住いやお仕事のエリアによっては緊急事態宣言発出の影響で、在宅勤務に切り替えられている方も多いのはないでしょうか。
オフィスと自宅では作業環境が違うので、なかなか集中できなかったり、休憩をとらずにいたり、人ぞれぞれ課題を感じ始めている頃かと思います。
通勤がなくなったことで運動量が減り、体重の増加や腰痛に悩まれている声も聞こえてきています。
また、気持ちが落ち込んだり、不安や恐怖に駆られたり、精神面への影響も起きているかもしれません。
任された仕事をこなしたくても、会社に出勤しているのと同じ状態で取り組めない人もいます。
それもストレスですよね。
さて今日はそんな状況を回避すべく、在宅勤務で見直したほうがいいポイントについてお話します。
まずは会社勤務と比較して、在宅勤務で起こりそうな問題を考えていきましょう。
単身者とそうでない場合も考えてみましょう。
在宅勤務、どんな課題がある?
単身者
・ ずっと誰とも喋らない状態が続く
・ 仕事と生活のスペースを分けられない
・ 時間の区切りが曖昧になる
家族と暮らしている場合
今回はお子さんがいる家庭を想定してみましょう
・ 仕事に集中できない
・ スケジュール通りに仕事を進められない
・ 時間の区切りが曖昧になる
実際に単身者やママさん社員にもインタビューしてみたところ、こういった課題が聞こえてきました。
もう少し、詳しく考えてみます。
具体的にどんな問題が出てくるでしょうか。
単身者
ずっと誰とも喋らない状態が続く
コミュニケーションが不足しますね。
ミスが起きた場合、一緒に対応してくれる上司やすぐに相談に乗ってくれる同僚もいません。
同時に、会話で得られるリフレッシュや頭の整理も不足してしまいます
仕事と生活のスペースを分けられない
ずっと仕事をしてしまう、もしくは誘惑に囲まれた状態で集中力が持続できないなんてことがありませんか。
自分でしっかり意識しないと適度な休息が確保できません。
時間の区切りが曖昧になる
出退勤がないため、極端なことを言えばいつでも仕事ができてしまいます。
これもプライベートと仕事の境界線が曖昧になってきます。
家族と暮らしている場合
仕事に集中できない
低年齢のお子さんに「仕事があるから相手ができない」なんて通用するでしょうか。
理解を求めるのは難しいですよね。
お子さんの性格や、人数、年齢によって仕事を中断せざるを得ない場面はさまざま出てくることが予想できます。
スケジュールどおりに仕事を進められない
単身者と違い、予期せぬ出来事が起きやすい環境にあります。
会議や打ち合わせなど、会社と同じような感覚で設定されてしまうと参加できないなんてことが出てきます。
時間の区切りが曖昧になる
まとまった仕事の時間を確保するとなると、お子さんの就寝後に仕事をする人も出てきます。
通常の勤務時間(9:00~17:00)と同じタイムスケジュールで仕事をしなければならないとなると、うまく進められなかった分は別で時間確保が必要になります。
在宅勤務がうまくできない!どうしたらいいのか?
答えは一つです!
「”みんな同じ”ルールをやめる」に尽きます。
① コミュニケーション
コミュニケーション不足に感じる人向けには、オンライン上のコミュニケーションを増やしてみてください。
電話やチャットだけでなく、日々のやり取りをSkypeやZoomなど顔が見れる形で行うのもいいでしょうか。
また、会社主催のオンライン飲み会を行っているところもあります。
励まし合うこと、在宅勤務での課題共有など、孤立しないことが重要です。
どうしても気持ちが暗くなりがちな毎日が続く中、コミュニケーションは周囲の人々の心身の不調を察知する役割もあり、積極的な取り組みが求められます。
もちろん、コミュニケーション量については、在宅勤務のほうが楽だという人もいるでしょう。
そこにも理解を示しながら、従業員それぞれがどんな状態でいるのかを把握していきましょう。
② 業務時間
在宅勤務=会社での仕事を同じように家で行う……果たしてそんな必要があるのでしょうか。
最も効率よく仕事ができる時間帯は家庭環境に多く関わってきます。
一人の時間を確保する場合、早朝の時間を利用したほうがいいかもしれません。
食事も単身者とお子さんがいる場合では、適切な時間帯は異なります。
「Aさんは問題なくできたから、Bさんもできて当たり前」は危険な考え方です。
状況の異なる人々を同じ型にはめようとすれば当然、弊害がでてきます。
1日をフルで自分に使える人と、そうでない人がいます。
どういうスケジュールだと業務が進めやすいか、上司の方はぜひ聞いてみてほしいです。
単身者とそれ以外の環境の人で、仕事への取り組み方を変えてみませんか。
③ 時間割を作る
単身者はメリハリをつけるために、休憩時間と業務時間をわけましょう。
家庭がある方は、全員でスケジュールを相談することが大事です
特にお子さんがいる場合には、以下のように情報共有することをおすすめします。
この時間はママと一緒にいられる(ママの休憩時間、パパの仕事時間)
この時間はパパと一緒にいられる(パパの休憩時間、ママの仕事時間)
この時間はテレビを見られる(ママ・パパは仕事をする)
仕事の内容に合わせて、この時間は子供と同じ空間でOK
理解ある体制つくりを
前記①②③のうち、①②は会社側の動きが必要です。
在宅勤務は手段であり、目的ではありません。
目指すべきは、みんなが同じ形で働くことではなく「仕事の生産性や精度を下げない」というものであるはず。
会社に行かないからストレスは減るだろう、なんて楽観的ではいけません。
思いどおりに物事を運べないというのは大きなストレスになります。
会社からの要求が現実的でない場合、そしてそれを吐き出すこともできない場合、
過剰なストレスを生むことは明白です。
感染防止のために在宅勤務を取り入れたのに、会社に対して信頼を失う機会になってしまっては大変です。
各個人で事情が異なることを理解して、できる工夫を重ねていきましょう。