歯と口の健康週間に見直そう!かむ力とメタボの関係

毎年6月4日~10日は「歯と口の健康週間」です
口腔の健康増進を目指して厚生労働省、文部科学省、日本医師会、日本学校歯科医会が連携して毎年実施しています。

「歯と口の健康週間」の目的

・歯と口の健康に関する正しい知識の普及啓発
・歯科疾患の予防に関する適切なセルフケアの習慣定着
・歯科疾患の早期発見・早期治癒の徹底

今年度の重点目標は、「心と体を支える歯と口の健康づくり~生涯にわたる口腔健康管理の推進~」です。
乳幼児期から高齢期まですべてのライフステージにおける歯と口の健康に関する正しい知識を啓発するとともに、適切なセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアを推進することが、健やかな心と体を育むために重要です。
そのことから、「心と体を支える歯と口の健康づくり」を重点目標とする。と発表されています。
2022年の歯科疾患実態調査結果の概要によりますと、DMF歯数は緩やかに減少傾向にあることがわかっています。

DMF歯数とは

DMF歯数とは、以下のDMF歯の合計のことであり、集団における永久歯列のう蝕(むし歯)経験を表す指標になります。

「D」(Decayed tooth):未処置う蝕歯
「M」(Missing tooth; because of caries):喪失歯(う蝕が原因で抜去された歯、機能を喪失した高度のう蝕歯を含めることもある)
「F」(Filled tooth):う蝕が原因で処置された歯

以下のようなツールもありますので、ぜひ、ご活用ください。
お口の健康度を確認してみましょう。

日本歯科医師会「健口チェック」

自分の歯でかむことの大切さ

定期健康診断の際に、以下のような問診に回答したことがある方もいらっしゃると思います。

(質問)食事をかんで食べる時の状態はどれにあてはまりますか。
①何でもかんで食べることができる
②歯や歯ぐき、かみあわせなど気になる部分があり、かみにくいことがある
③ほとんどかめない

こちらは、第三期の特定健康診査から追加された質問です。
口腔内の健康を保持できている方は、「こんな当たり前のことを聞いてどうするんだ」と思われているかもしれません。
特定健康診査はメタボ健診とも呼ばれますが、なぜその中に「かめるかどうか」を問う設問があるのでしょうか?

かめなくなると起こること

歯周病や虫歯などで歯を失うことによって、何が起こるのでしょうか。
口腔機能の低下や咀嚼する機能が衰えることにより、繊維質を多く含む野菜類、噛み応えのあるたんぱく質の摂取が減り、食べやすい脂質や炭水化物の摂取量増加が考えられます。
このことが、生活習慣病のリスク上昇につながります。
また、よくかむことによって、唾液の消化酵素の効果で胃腸への負担を和らげるという効果もあります。
定期健康診断は毎年受けているのに、歯科健診は受けていないという話よく聞きます。
ある一定の業務についている方は、歯科健診も義務付けられているのをご存じでしょうか?

歯科特殊健康診断は法律で義務付けられています

労働安全衛生法では歯科特殊健康診断について以下のように定められています。

(健康診断)
第66条
<中略>
3 事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、歯科医師による健康診断を行わなければならない
労働安全衛生法

有害な業務とは、塩酸・硝酸・硫酸・亜硫酸・フッ化水素・黄りん・その他、歯またはその支持組織に有害な物のガス、蒸気または粉じんを発散する場所における業務です。(労働安全衛生法施行令22条)
健康診断結果の報告義務があるのは労働者50人以上の事業場ですが、健康診断は、有害業務に従事する労働者が1人でも実施義務があります

義務に該当する方は必ず、該当しない方も年に1回、もしくは6ヵ月に1回は歯科健診を受けましょう。

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中山 真樹株式会社ドクタートラスト 産業保健師

投稿者プロフィール

看護師として病棟勤務を経て、現在は企業様を対象に保健師業務を行っております。企業の健康管理室に出向していた経験、また、現在訪問企業で実施している業務からヒントを得て、皆様が知りたいことをお届けしたいと思います。
【保有資格】看護師、保健師、第一種衛生管理者、養護教諭一種
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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